ロス&ダメージ支援

1.日本政府の気候変動の悪影響に伴う損失及び損害(ロス&ダメージ)支援パッケージ

 ロス&ダメージについては、IPCC第6次報告書第2作業部会報告書の政策決定者向け要約において、気候変動の進行に伴い更に増加するとされました。また、COP26から引き続き、本年のCOP27でも、各論点について、具体的な議論が継続されており、世界における喫緊の課題となっています。
 
気候変動の悪影響に伴うロス&ダメージの回避、最小化、対処に当たっては、支援枠組みに関する議論は継続しつつも、現に脆弱国が直面している損失と損害に対する迅速な支援を充実するために、国際社会が力を合わせることが重要と考えます。このため、日本政府として、「日本政府の気候変動の悪影響に伴う損失及び損害(ロス&ダメージ)支援パッケージ」を公表しました。

 日本政府の気候変動の悪影響に伴う損失及び損害(ロス&ダメージ)支援パッケージの公表について(令和4年11月15日)

2.G7気候災害対策支援事例集(G7 Inventory on Climate Disaster Risk Reduction, Response and Recovery)

 気候災害対策は、ロス&ダメージ対策の様々な対策の中でも喫緊の課題です。我が国は、COP27で、日本政府のロス&ダメージ支援パッケージの実施を表明しました。

 COP27においては、ロス&ダメージに係る資金面での措置(基金を含む)や技術支援を促進する「サンチアゴネットワーク」の完全運用化に向けた決定など、大きな進展がありました。しかし、特に脆弱な途上国への支援をさらに強化するためには、既に各国の様々な機関が提供している気候災害対策の資金及び技術支援の内容を、支援を受ける国々に分かりやすく示すことが必要です。このため、2023年G7札幌気候・エネルギー・環境大臣会合にて、G7による気候災害対策への支援策の一覧として、「G7気候災害対策支援インベントリ」(事例集)を発表しました。

内容

  • 既存及び計画中のG7各国の気候災害対策支援を整理して示すことにより、これまでG7の様々な機関が提供してきた支援策の全体像を世界にアピールするとともに、支援を受けることを希望する、特に脆弱な途上国における受援のための検討を促進する。
  • 具体的には、脆弱国の気候災害に関する防災、応急対応及び復旧・復興に関するG7の既存及び計画中の支援内容を、カントリーシートとして整理・公表。

今後の活動

  • UNFCCCでの技術支援の充実や資金面での措置の内容を検討する。
  • G20、COP28等の様々な国際会議において、本支援インベントリの内容をG7と連携の上、情報発信する。
  • 日本は、COP27で実施を表明したロス&ダメージ支援パッケージを推進する。