報道発表資料

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2022年11月15日
  • 地球環境

日本政府の気候変動の悪影響に伴う損失及び損害(ロス&ダメージ)支援パッケージの公表について

  • 日本政府の包括的な支援内容を「日本政府の気候変動の悪影響に伴う損失及び損害(ロス&ダメージ)支援パッケージ」として公表します。
  • 環境省の新たな取組としては、新たにイニシアティブを立ち上げ、有志企業との連携の下で、アジア太平洋地域における早期警戒システムのプロトタイプを構築し、導入に向けた道筋を付けることを目指します。

背景

 ロス&ダメージについては、IPCC第6次報告書第2作業部会報告書の政策決定者向け要約において、気候変動の進行に伴い更に増加するとされました。また、COP26から引き続き、本年のCOP27でも、各論点について、具体的な議論が継続されており、世界における喫緊の課題となっています。
 気候変動の悪影響に伴うロス&ダメージの回避、最小化、対処に当たっては、支援枠組みに関する議論は継続しつつも、現に脆弱国が直面している損失と損害に対する迅速な支援を充実するために、国際社会が力を合わせることが重要と考えます。このため、日本政府として、「日本政府の気候変動の悪影響に伴う損失及び損害(ロス&ダメージ)支援パッケージ」を公表します。
 今後も、国際社会と協力しつつ、ロス&ダメージに対する支援を包括的に提供していきます。

本支援パッケージに含まれる項目

(1) 日本が提供する事前防災から災害支援・災害リスク保険までの総合的な支援
   ○ 防災に係る能力の向上
   ○ 水災害リスクの軽減に係る技術的な貢献
   ○ 災害リスク保険
   ○ 災害復旧スタンドバイ借款

(2) ナレッジベースの知見共有等
   ○ アジア太平洋気候変動適応情報プラットフォーム(AP-PLAT)
   ○ 地球観測データ・気候変動予測データの共有

(3) 国連や多国間枠組等への貢献
   ○ アジア太平洋適応ネットワーク(APAN)・世界適応ネットワーク(GAN)
   ○ 世界気象機関(WMO)
   ○ 国際復興支援プラットフォーム(IRP)
   ○ グローバル・シールド
   ○ Quad(日米豪印)気候情報サービスタスクフォース
   ○ リスク情報に基づく早期行動パートナーシップ(REAP)
   ○ アジア太平洋地球変動研究ネットワーク(APN)

(4) 官民連携による気候関連サービスや技術の海外展開促進
   ○ 気候変動リスク産官学連携ネットワークとAP-PLATの連携
   ○ 防災技術の海外展開に向けた官民連絡会(JIPAD)
   ○ 適応グッドプラクティス事例集
   ○ アジア太平洋地域における官民連携による早期警戒システム導入促進イニシアティブ(環境省の新たな取組 ※)

(※) アジア太平洋地域において、日本の民間企業による早期警戒システムの導入(観測機器の整備、観測データの分析・予測、気候情報サービスの提供等)や早期警戒システムを活用した事業展開を進めるため、環境省が、日本の有志企業との連携の下で取り組む体制を構築し、まずはアジア地域で先行的に早期警戒システムのプロトタイプを構築し、導入に向けた道筋を付けることを目指します。

連絡先

環境省地球環境局総務課気候変動適応室
代表
03-3581-3351
直通
03-5521-8242
室長
塚田 源一郎
企画官
岡野 祥平 (内線 25723)