保健・化学物質対策

水銀等の貯蔵・水銀含有再生資源の管理に関する報告の集計結果

1.背景

 水銀等は様々な排出源から環境中に排出され、分解されることなく地球上を循環し、食物連鎖により生物中にも蓄積すること等から、世界規模での水銀汚染対策を推進するため、水俣条約が2013年に我が国で開催された外交会議で採択されました。
 水俣条約は、水銀の採掘から貿易・使用・排出・放出・廃棄等に至るライフサイクル全体を包括的に規制するものであり、我が国は、同条約の的確かつ円滑な実施を確保するため、新たに制定した水銀汚染防止法を含む様々な法律に基づく措置を総合的かつ計画的に講じています。
 水銀汚染防止法は、貯蔵する水銀等による環境の汚染を防止するため、水銀等の貯蔵者に対し、「水銀等の貯蔵に係る環境の汚染を防止するためにとるべき措置に関する技術上の指針(平成27年総務省・財務省・文部科学省・厚生労働省・農林水産省・経済産業省・国土交通省・環境省・防衛省告示第1号)」を勘案して、水銀等が飛散・流出しないようにする等の適切な措置の実施と、貯蔵の状況に関する報告書の主務大臣への定期報告を求めています。
 また、水銀含有再生資源[1]の管理者に対しては、「水銀含有再生資源の管理に係る環境の汚染を防止するためにとるべき措置に関する技術上の指針(平成27年内閣府・総務省・法務省・外務省・財務省・文部科学省・厚生労働省・農林水産省・経済産業省・国土交通省・環境省・防衛省告示第1号)」を勘案し、水銀含有再生資源が飛散・流出しないようにする等の適切な措置の実施と、管理の状況に関する報告書の主務大臣への定期報告を求めています。

2.報告制度の概要

(1)水銀等の貯蔵に関する報告

 水銀等の種類ごとに一年度において事業所ごとに貯蔵した水銀等の最大量が30 kg以上である場合には、水銀汚染防止法第22条に基づき、事業所ごとに貯蔵の状況[2]に関する報告書を翌年度の6月末までに主務大臣に提出する必要があります。

(2)水銀含有再生資源の管理に関する報告

 一年度において水銀含有再生資源の保管等の管理を行った場合(管理を外部に委託した場合を含む。)には、水銀汚染防止法第24条に基づき、事業所ごとに管理の状況[3]に関する報告書を翌年度の6月末までに主務大臣に提出する必要があります。

 


[1]水銀等又はこれらを含有する物であって、水銀濃度に関する一定の要件に該当し、有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約附属書IVBに掲げる処分作業がされ、又はその処分作業が意図されているもの(廃棄物処理法第二条第一項に規定する廃棄物並びに放射性物質及びこれによって汚染された物を除く。)のうち有用なものをいう。
[2]年度当初(施行初年度は施行日時点)の水銀等の貯蔵量、製造した量、引渡しを受けた量、使用した量、引き渡した量、廃棄物となった量、年度末の貯蔵量、貯蔵の目的等
[3]年度当初(施行初年度は施行日時点)の水銀含有再生資源を管理していた量、生じた量、譲り受けた量、譲り渡した量、処分作業を行った量、廃棄物となった量、年度末に管理していた量、管理の目的等(管理の状況に応じて湿重量又は乾重量で記載)