放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料
(平成30年度版、 HTML形式)

第2章 放射線による被ばく
2.5 身の回りの放射線

大気圏核実験による放射性降下物の影響

大気圏核実験による放射性降下物の影響
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大気圏核実験が盛んに行われていた時代には大量の人工放射性核種が環境中に放出されました。これらの人工放射性核種は気流に運ばれて全世界を取り巻き、大気圏から地球表面に向けて徐々に降下してきました。このような放射性降下物をフォールアウトと呼びます。フォールアウトの量は大気圏核実験が禁止される直前の1963年が最も高く、それ以降減少傾向を示しています。
食品へのセシウム移行や消費等の時間的ずれがあるため、日常食中の放射性セシウムの量は1964年で最大となり、その後1967年までに急速に低下し、それ以降は比較的緩慢に減少してきました。
日常食のセシウムの量と連動して、尿中や体内のセシウム137の量も1964年が最大でした。なお、チェルノブイリ原発事故による影響の結果、日本人の体内からもセシウムの増加が確認されています。
また、大気圏核実験によって、放射性セシウムだけでなくプルトニウムやストロンチウム90等も環境中に放出されました。これらの放射性核種は、現在でも土壌中にわずかながら残存しています。

本資料への収録日:平成25年3月31日

改訂日:平成31年3月31日

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