外部被ばくでは、α(アルファ)線に被ばくした場合、体表の角質層で止まってしまうこと(α線の透過距離はおよそ数十μm(マイクロメートル))から、影響が現れることはありません。β(ベータ)線は皮膚を通過すること(透過距離はおよそ数mm(ミリメートル))から、線量が相当高い場合には熱傷(やけど)のような症状を引き起こしますが、体の奥深くまで届くことはありません。γ(ガンマ)線は体の奥の重要な臓器まで到達します。こうしたことから、外部被ばくで問題になるのは主にγ線です。
一方、内部被ばくでは、α線、β線、γ線を放出する全ての放射性物質が体内の細胞に影響を及ぼす可能性があります。α線の場合は、飛ぶ距離から考えても、その影響は放射性物質が存在する組織内に限定されますが、生物への影響力は強く、内部被ばくに関しては特に気を付ける必要があります。γ線の場合は、飛ぶ距離が長いため、全身に影響を及ぼす可能性があります。
なお、ウラン等放射性物質の種類によっては、体内に取り込まれた場合、内部被ばくの影響だけでなく、化学的な金属毒性等の影響を受ける場合があります。
(関連ページ:上巻P21「放射線の体内での透過力」)
本資料への収録日:平成25年3月31日
改訂日:平成31年3月31日