放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料
(平成28年度版、 HTML形式)

第8章 食品中の放射性物質
8.6 水産物

魚種別の放射性セシウム濃度の傾向(1/2)

魚種別の放射性セシウム濃度の傾向(1/2)
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生息域の環境や食性の異なる魚種の放射性セシウム濃度の検査結果を紹介します。
コウナゴやシラス等の海面近くに生息している魚は、東京電力福島第一原子力発電所事故直後には高い値が見られましたが、現在では全てが基準値以下となっています。
サンマ、シロザケ等の海を広く回遊する魚は、事故直後であっても100ベクレル/kgを超えるものはなく、50ベクレル/kg超の値も見られません。
また、イカ・タコ類等の海産無せきつい動物は、事故直後は高い値が見られましたが、表層の魚より速やかに濃度が低下し、現在では50ベクレル/kg超の値も見られていません。これは、海産無せきつい動物では塩類が海水と体の中を自由に行き来するため、海水中の放射性セシウム濃度が低下すると、速やかに体内の濃度も低下するためと考えられます。
このように、生息域の環境や食性等が品目ごとの放射性セシウム濃度の傾向に関係することが、これまでの調査結果から示されています。

本資料への収録日:平成25年3月31日

改訂日:平成29年3月31日

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