降下した放射性物質による農産物の汚染経路は大きく3つに分けられます。
① 左端の図は、降下した放射性物質が直接付着する経路です。事故発生時にほ場で生育していた葉物野菜等で高い濃度の放射性物質が見られましたが、これが主な汚染経路であったと考えられます。
② 中央の図は、事故直後に果樹や茶の樹体に付着した放射性物質が樹体内に浸透し、果実や茶の新芽に転流※する経路です。
③右端の図は、農地土壌に降下した放射性物質が根から吸収される経路です。事故後に作付けされた作物の汚染は、主にこの経路によるものと考えられます。
※転流:植物が吸収した栄養素や光合成で生成した代謝産物が、ある組織から他の組織へ運搬されること
(関連ページ:上巻P167、「植物への移行」)
本資料への収録日:平成25年3月31日
改訂日:平成29年3月31日