放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料
(平成28年度版、 HTML形式)

第7章 環境モニタリング
7.5 森林のモニタリング

福島県の井戸水の検査結果

福島県の井戸水の検査結果
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福島県の復興情報ポータルサイト「ふくしま復興ステーション」では、事故のあった2011(平成23)年から現在までの井戸水における飲用井戸水等のモニタリング検査結果が公開されています。「福島県飲料水の放射性物質モニタリング検査実施計画」における検査体制に基づき、福島県に調査依頼を行った自治体に対して調査したものです。自治体に届け出のない自ら掘った井戸等については測定されていない可能性があります。検査結果はこちらのURLで随時更新されています。
ふくしま復興ステーション「飲料水」
http://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/list280-888.html
スライドの表はこれまでの調査結果を示したものです。これまでの調査では井戸水から放射性物質は一度も検出されていません。また、表中の「ND」(Not Detectedの略)は日本語で「不検出」を意味します。この調査ではゲルマニウム半導体検出装置が使われています。これは福島県の水道水モニタリング検査と同じ方法です。井戸水などの飲料水の国の基準値は10ベクレル/kgであり、検出限界値は2011(平成23)年には放射性セシウム、放射性ヨウ素共に5ベクレル/kgで現在では1ベクレル/kgです。
土壌中の粘土質はセシウムを強く吸着する性質を持っています。セシウムは、一旦粘土質に吸着されると水に溶け出にくくなることから、土壌に固定されて表層に長期間とどまる特性があります。(上巻P168、「土壌中の放射性セシウムの分布状況」
土壌の粘土鉱物は表面に負の電荷を持ち、正の電荷を持つセシウムを「吸着」することができるほか、一部の粘土鉱物は時間の経過と共にセシウムを内部に取り込んで「固定」する能力を持ち、(上巻P169、「環境中での放射性セシウムの動き:粘土鉱物による吸着・固着」) セシウムを固定化し、井戸水に溶け出しにくくなります。

本資料への収録日:平成29年3月31日

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