放射性物質であるラジウムは常温常圧下で右図に示すような体心立方という結晶構造で固体として存在しています。
ラジウムが壊変すると、α(アルファ)線を放出し、ラドンに変わります。
ラドンはヘリウムやネオンと同じように化学的には安定な元素です。化学的に安定しているということは、他の元素と反応して化合物を作ることがなく、ラドンのまま安定して存在するということを意味しています(不活性元素)。またラドンは、融点が約−71℃、沸点が約-62℃であるため通常の状態で気体として存在します。そこで、結晶構造を作っていたラジウム原子が壊変でラドン原子に変わると結晶構造から離れて(結晶として結合・束縛されていた力がなくなるため)気体として存在することになります。さらに、ラドンは不活性な気体であるため、地中の物質と反応することなく地面に移行して大気中に出てきます。
本資料への収録日:平成28年3月31日