各地の里海復興事例の紹介

里海復興に着手する地域等の参考とするために、里海復興の実践事例を収集・整理しました。

松島湾寒風沢島におけるがれき撤去

松島湾寒風沢島におけるがれき撤去。主に人力で行われた。(2011年10月:提供:宮城県漁業協同組合 塩篭市浦戸東部支所)

【事例】里海復興の第1歩は、がれきの除去だった

 東日本大震災で被災した漁村で、「おらが海」を取り戻す第1歩は漁業者らによるがれきの除去であった。残った船を用いて、あるいは浜に繰り出して散乱したがれきを除去した。その目的は、海を再び漁場として利用可能にすることであったが、五感に通ずる景観を取り戻すことでもあった。
 しかしながら、漁場以外の海底には未だがれきが残っていると言う。

紙製容器
船上からの敷設作業
海底への敷設状況
紙製容器
船上からの敷設作業
海底への敷設状況
鉄製容器
船上からの敷設作業
海底への敷設状況
鉄製容器
船上からの敷設作業
海底への敷設状況

【事例】簡易なアマモ場の造成

 アマモ場の造成については、潜水作業をともなうことが難易度を高くする要因のひとつであった。広島県水産海洋技術センターでは、波浪による移動・流出等の懸念事項はあるものの、船上から可能な移植方法を開発している。
 苗一株あたり130〜141円で従来の造成方法の1/7となっていることが大きな特徴である。

出展:「簡易で低コストのアマモ場造成法の開発」広島県水産海洋技術センター
http://www.pref.hiroshima.lg.jp/uploaded/attachment/41651.pdf

【事例】地域住民ではない人々が里海を実感・協力する 〜エコツーリズム〜

 里海を形作る主体は漁村を核とした地域住民であるが、都市での生活者等が里海を訪れることにより、里海の良さを実感するとともに、地域住民には資産、あるいは誇りとしての海への愛着がより強固になるものと考えられる。

 自然を実感するものとして、「エコツーリズム」が提唱されている。日本エコツーリズムによる定義は、以下の3点としている。

  • 自然・歴史・文化等地域固有の資源を生かした観光を成立させること。
  • 観光によってそれらの資源が損なわれることがないよう、適切な管理に基づく保護・保全をはかること。
  • 地域資源の健全な存続による地域経済への波及効果が実現することをねらいとする、資源の保護+観光業の成立+地域振興の融合をめざす観光の考え方である。それにより、旅行者に魅力的な地域資源とのふれあいの機会が永続的に提供され、地域の暮らしが安定し、資源が守られていくことを目的とする。

 環境省では「グリーン復興」の一環として地域の自然環境やくらし等、地域ならではの宝を活かした、自然を深く楽しむ旅を創造するため、エコツーリズムを推進している。その中の構想のひとつである「みちのく潮風トレイル」では、対象として、「人と自然が織りなす風景が見られる場所(里山、里海、棚田等)」があげられており、里海復興を支援・促進するものとして期待される。

グリーン復興プロジェクトは三陸復興国立公園の指定、そしてそれによる地域の魅力向上や農林水産業の活性化があげられます
7つのグリーン復興プロジェクトについてはこちら

出展:環境省「三陸復興国立公園の創設を核としたグリーン復興」
https://www.env.go.jp/jishin/park-sanriku/vision.html