里海とは、「人手が加わることにより生物生産性と生物多様性が高くなった沿岸海域」のことです。

里海は、古くから水産・流通をはじめ、文化と交流を支えてきた大切な海域です。高い生物生産性と生物多様性が求められるとともに、人と自然の領域の中間点にあるエリアでもあり、陸地でいう里山と同じく人と自然が共生する場所でもあります。健全な里海は、人の手で陸域と沿岸海域が一体的に総合管理されることによって、物質循環機能が適切に保たれ、豊かで多様な生態系と自然環境を保全することで、私たちに多くの恵みを与えてくれます。この貴重な財産を次代へと継承するため、より多くの人が環となって「望ましい沿岸海域の環境」を維持していかなければなりません。

里海のイメージ

● 人手が加わることに関して
自然と人間の付き合いかたは様々であり、その関わり方によって、自然を守ることにも、また自然を破壊してしまうことにもなります。したがって、人手の加え方が重要となってきます。  
陸域に住む人々の生活や産業活動から排出される汚濁物質などによる水質悪化、水質浄化や生物生息環境として重要な藻場、干潟等の減少、海ごみの増加、海の生物多様性の減少や生物個体数の減少などに対し、陸域から流入する汚濁物質の削減、藻場・干潟の整備や海岸清掃などの人の手を加えることで、海域環境の悪化を食い止めたり、良好な環境への回復の手助けとなり、豊かな海の創生につなげることができます。  
一方で、例えば禁漁区を設けるなど、特定の海域について人の手を意識して加えないようにして、原生自然に近い海域環境の保全、海域の生態系の保護等を図ることも、人手が適切に加わって管理している状態の一つと言えます。  
海の環境に応じて地域ごとの海と人との適切な関わり方を模索し、それを継続していくことが大切です。
● 里海を育て、構成する5つの要素
里海づくりは5つの要素から構成されています。海域の保全と再生を支える「物質循環」、「生態系」、「ふれあい」という3つの要素、また、里海づくりの実践を支える「活動の場」及び「活動の主体」の2つの要素であり、これら5つの要素によって里海は構成され、また育まれます。さらに、それらのバランスにより、海域毎の特色ある里海づくりの多様な活動が形成されます。
多様性 保全と再生を支える3つの要素 生態系・ふれあい・物質循環 持続性 実践を支える2つの要素 活動の場・活動の主体