報道発表資料

平成19年9月12日
自然環境
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平成19年度野生生物保護対策検討会アホウドリ保護増殖分科会の開催結果について

 環境省では9月12日に、「平成19年度野生生物保護対策検討会アホウドリ保護増殖分科会」を開催し、アホウドリの保護増殖事業の実施結果報告と今後の計画についての検討を行いました。
 この中で、昨年度、アホウドリの最大の繁殖地・鳥島において環境省が実施したモニタリング事業により、当年生まれのヒナが227羽確認されたことを報告しました。平成5年の事業開始以降、確認されたヒナの数としては最高で、初めて200羽を超えました
 また、山階鳥類研究所が環境省の協力を受けて米国魚類野生生物局と共同実施している小笠原群島でのアホウドリ新繁殖地形成事業については、今年聟島むこじまで行った近縁種クロアシアホウドリの飼育試験の結果が良好であったことが報告されるとともに、来年実施するアホウドリのヒナの人工飼育の計画について検討が行われ、平成20年の繁殖期(2月頃)に、アホウドリのヒナ10羽を伊豆諸島の鳥島から小笠原群島の聟島まで移送して、巣立ちまで飼育することとなりました。

I 環境省野生生物保護対策検討会アホウドリ保護増殖分科会検討員 名簿

小城 春雄
北海道大学 名誉教授
尾崎 清明
(財)山階鳥類研究所標識研究室 室長
長谷川 博
東邦大学理学部 教授
樋口 広芳
東京大学大学院農学生命科学研究科 教授 (五十音順 敬称略)

II 野生生物保護対策検討会アホウドリ保護増殖分科会での報告及び検討事項

1.鳥島での保護増殖事業について

[1]平成18年度の実施結果
平成19年2月に行った環境省の調査により、今年生まれたヒナは、鳥島の燕崎(元々の繁殖地)で209羽、初寝崎(新しい繁殖地)で16羽、その他の地点で2羽の計227羽がカウントされました。アホウドリの最大の繁殖地、鳥島において、順調な繁殖が確認できました。
ヒナのカウント数が200羽を超えたのは、平成5年の事業開始以降初めてのことです(図1参照)。
また、東邦大学理学部の長谷川教授により、アホウドリの鳥島個体群の生息数は約1945羽と推定されています
[2]今年度(平成19年度)の実施計画
今年度も昨年度と同様に、鳥島において、アホウドリの繁殖状況のモニタリングを実施します。

図1:鳥島におけるアホウドリのヒナのカウント数

2.日米共同衛星追跡事業

[1]平成18年度の実施結果
平成19年2月に、日本3台、米国5台の発信機を鳥島(燕崎)のアホウドリの繁殖個体(雄)に装着しました。
10日後と、41日後にそれぞれ1台が発信を終了しましたが、その他の発信機については、3〜6ヶ月間にわたって人工衛星による行動追跡が成功しています。
これにより、鳥島で繁殖するアホウドリの主な採餌域(繁殖期)が伊豆諸島から房総半島沖であることが分かりました。また追跡した個体の中には、三陸沖から根室沖まで到達したものや、鳥島より南方向の硫黄列島付近に採餌に行く個体も見られました(図2・図3参照)。
[2]今年度(平成19年度)の実施計画
今年度も、鳥島(燕崎)の繁殖個体を対象に、発信機を8台(日本3台、米国5台)取り付け、人工衛星による行動追跡を実施する予定です。
可能であれば、繁殖ペアの雌雄両方に発信器を装着し、雛への給餌頻度についても調査を行う予定です。

図2:繁殖期の採餌行経路[1](2007年2月‐3月、日本3台)
図3:繁殖期の採餌行経路[2](2007年2月‐3月、米国5台)

3.小笠原群島聟島での新たな繁殖地形成事業(山階鳥類研究所・米国魚類野生生物局)

[1]聟島において実施されたクロアシアホウドリ飼育試験の結果
平成19年3月に、アホウドリの近縁種であるクロアシアホウドリのヒナ10羽を、小笠原群島の媒島なこうどしまから聟島まで移送し、ヒナが巣立つまでの約3か月間、人工飼育を実施しました
この結果、移送した10羽のうち、9羽が無事に巣立ちを迎えました(1羽は移送後3週間弱で死亡し、岐阜大学獣医学講座(獣医病理学分野)の解剖結果などにより、消化不良による代謝低下と気管内への嘔吐物混入が原因で窒息死したものと判断されました。)。
平成18年には、カウアイ島でコアホウドリの飼育試験を実施していますが、その成果が生かされ、9羽の巣立ちという大きな成果を得ることができました。
また、飼育を行った聟島には、アホウドリを誘引するために、デコイ(実物大の模型)とアホウドリの録音した音声を再生する装置を設置しています(6月に撤去済み。10月頃再設置の予定。)。
[2]今後の事業実施計画
今年実施したクロアシアホウドリ飼育試験の成果を踏まえて、来年の繁殖期に、アホウドリのヒナの移送と飼育を実行することとします
今年度は、ヘリコプターにより、40日齢程度のアホウドリのヒナ、10羽を鳥島から聟島まで移送します
移送の時期は2月中旬を見込んでいますが、調査員が2月初旬から鳥島に入島してモニタリングを続け、天候やヒナの状態等から適当な時期を見極めて実施することとします。

移送路図

添付資料

連絡先
環境省自然環境局野生生物課
課長:星野 一昭(6460)
 課長補佐:西山 理行(6475)
 係長:尼子 直輝(6468)
 係長:中島 治美(6469)
 直通 (03) 5521 - 8283

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