報道発表資料

平成17年12月14日
自然環境
この記事を印刷

鳥島におけるアホウドリの新たな繁殖地の形成について

平成5年より東京都鳥島の初寝崎(はつねざき)側の斜面においてアホウドリの新たな繁殖地の形成事業を行ってきましたが、平成17年12月4日までに15つがいによる15個の産卵が確認されました。これにより、鳥島における新たな繁殖地の形成に成功し、鳥島におけるアホウドリの保護増殖事業に大きな進展が見られました。

1 アホウドリの保護増殖事業

  環境省は昭和56年より東京都鳥島においてアホウドリの保護増殖事業を実施してきました。アホウドリはわが国のみで繁殖し、主に鳥島の燕崎(つばめざき)で繁殖していますが、当該繁殖地は降雨によって火山灰が泥流となって流れ出し、堆積するおそれがあるため、平成5年より東京都への委託事業により堆積土砂の除去や土留め工及び植栽工を行い、繁殖成功率の向上に取り組んできました。
 同時に、平成5年よりアホウドリにとってより危険の少ない新たな繁殖地を形成するために、燕崎に対して島の裏側に位置し、火山灰の流出及び堆積が少ない初寝崎側の斜面に、海上保安庁第三管区海上保安本部の協力を得て、山階鳥類研究所への請負事業によりデコイ(アホウドリの模型)やアホウドリの鳴き声の再生装置を用いてアホウドリの繁殖個体の誘導に取り組んできました。

2 初寝崎側の斜面における新たな繁殖地の形成

 平成5年より初寝崎側の斜面に新たな繁殖地を求めてその形成事業に取り組んできましたが、山階鳥類研究所及び東邦大学 長谷川博教授が行った調査によれば、初寝崎側の斜面へのアホウドリの毎正時の平均着地個体数は昨年13.1羽だったのが、今年は28.4羽であり、また、昨年の4つがいによる4個の産卵(全て巣立つ)に対して、今年度は15つがいによる15個の産卵が確認されました。これにより、鳥島における新たな繁殖地の形成に成功し、鳥島におけるアホウドリの保護増殖事業に大きな進展が見られました。

初寝崎側の斜面における過去の繁殖実績

 平成7年に初めて1つがいが繁殖に成功し、ヒナが巣立ちました。以降、このつがいは毎年初寝崎側の斜面で営巣し、今までに8羽のヒナが巣立っています。また、去年はこの1つがいを含む4つがいが繁殖に成功し、4羽が巣立ちましたが、つがいを形成する4つがい8羽のうちの1羽は初寝崎側の斜面で生まれた個体であり、この繁殖地において初めて孫の世代が誕生したことになります。

3 今後の予定と展望

 鳥島におけるアホウドリの飛来数は平成5年の事業開始時の約500羽と比較して、現在3倍以上の約1700羽となっていますが、未だ、そのほとんどは燕崎の繁殖地で繁殖をしています。また、鳥島は過去約100年間で3度(1902、1939、2002年)火山が噴火しており、今後も噴火による繁殖への影響が懸念されます。
 このため、今後、鳥島では両繁殖地において繁殖状況等のモニタリングを行っていく予定です。また、アメリカ政府魚類野生生物局と協力して、鳥島以外の繁殖地としてより安全な島へ、アホウドリの繁殖地を分散させる計画の検討を進めていきます。具体的には、過去にアホウドリが繁殖していた小笠原諸島の聟島列島においてアホウドリの新たな繁殖地を形成することを検討していきます。

 今まで、アホウドリの保護増殖が一定の成果を収めるまでに至るに当たっては、野生生物保護対策検討会アホウドリ保護増殖分科会の検討委員を始め、多くの方々の協力がありました。

検討委員(敬称略)

  • 東邦大学教授 長谷川 博
  • 財団法人山階鳥類研究所 佐藤 文男
  • 東京大学教授 樋口 広芳
  • 北海道大学名誉教授 小城 春雄

添付資料

連絡先
環境省自然環境局野生生物課
課長:名執芳博(6460)
 補佐:松田 博(6469)
 担当:佐々木 真二郎(6469)
 直通:03−5521−8283

Adobe Readerのダウンロード

PDF形式のファイルをご覧いただくためには、Adobe Readerが必要です。Adobe Reader(無償)をダウンロードしてご利用ください。

ページ先頭へ