皇居外苑の一年間(7月)

7月(濠水(お濠)の浄化)

写真:濠水(お濠)の浄化

皇居周辺の濠は、江戸城の内濠として作られたもので、1614年(慶長19年)にほぼ現在の形ができあがったといわれています。現在、環境省が皇居外苑の区域として管理するのは、桜田濠、凱旋濠など12の濠で、総面積約37万m2、苑地の約3分の1を占め、皇居外苑の景観を形づくる重要な要素となっています。

皇居外苑の濠には、昭和40年まで、淀橋浄水場の余剰水が供給されていました。その後、濠水の供給のほとんどを雨水、湧水に頼らざるを得なくなり、アオコや悪臭の発生など水質の悪化が問題になるようになりました。

このような状況を踏まえ、平成元年より濠水浄化対策について検討を進め、平成7年5月から循環濾過方式の濠水浄化施設が本格稼働を始めました。

水質が悪化しやすい春から秋にかけて運転しており、昭和35年から継続して実施している水質調査の結果から見ると、全体的には、浄化施設の運用前に比べかなりの水質の改善が見られるようになっています。