皇居外苑の一年間(3月)

3月(クロマツの剪定)

写真:クロマツの剪定

皇居前広場では、例年、1月から3月にクロマツの剪定が行われ、落とされた松葉が冬枯れの芝生に緑の模様を作り出す光景は冬の風物詩となっています。

江戸時代、日比谷入江を埋め立てて老中、若年寄などの屋敷とし、明治維新後には官衙(かんが)、兵舎などが立ち並んでいたこの地は、伊藤博文の指示により多くの樹木が植栽された大広場として整備され、以来戦前戦後の変遷も経て、現在のようなクロマツの点在する芝生広場となっています。

クロマツの数は約二千本、園路に区切られた芝生地を「島」と呼び、風雨に耐え成長した海辺の松になぞらえ、1本、1本を自然風に仕立てています。

同じように冬の風物詩であったこも巻きは、マツカレハの発生がほとんど見られなくなり、現在は行われていません。