目次に戻る平成16年度(2004年度)版 「化学物質と環境」
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● 調査結果とその評価

  
 
   平成15年度の調査結果の概要は次のとおりである。
 

 今回の調査では新たな調査対象物質として、ヘプタクロル類2物質(cis-ヘプタクロルエポキシド、trans-ヘプタクロルエポキシド)、トキサフェン3物質(Parlar-26、Parlar-50、Parlar-62)、マイレックス、HCH類2物質(γ-HCH、δ-HCH)、有機スズ化合物3物質(モノフェニルスズ化合物、ジブチルスズ化合物、ジフェニルスズ化合物)及びテトラブロモビスフェノールAを追加した。
 平成14年度調査に引き続き高感度の分析が行われ、特にPOPsについては水質および底質のトキサフェンを除き調査を実施した全物質・媒体から検出された。

 
 

 平成15年度大気調査について

 

 大気は、温暖期と寒冷期では温暖期の方が気温が上がり検出濃度が高くなることが予想され、このことを検証する目的で第1回調査を温暖期(8月末~10月)に、第2回調査を寒冷期(11月~12月)に実施した。平成14年度と平成15年度の調査月日および気温分布は図2-1及び図2-2のとおりである。

 
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温暖期と寒冷期の測定結果について
 

 Wilcoxsonの符号化順位検定の結果、コプラナーPCBの一部を除く全ての物質について、温暖期の測定結果の方が寒冷期の測定結果より高濃度で検出された(片側0.5%水準で有意)。

 
 ・ 経年比較評価について

 図2-1に示すとおり、平成14年度の採取時期は、平成15年度温暖期と寒冷期の間の時期である。また図2-2に示すとおり、平成14年度の気温分布は平成15年度の寒冷期の気温分布に比較的近い。従って、平成14年度測定結果と15年度測定結果を比較する際には平成15年度寒冷期の測定結果を用いることとした。

 
 

 調査結果に対する評価を物質(群)別に以下に示す。

  ◎[1]
PCB類{水;底;生;大}
◎[7]
トキサフェン{水;底;生;大}
  ◎[2]
HCB{水;底;生;大}
◎[8]
マイレックス{水;底;生;大}
  ◎[3]
ドリン類{水;底;生;大}
◎[9]
HCH類{水;底;生;大}
  ◎[4]
DDT類{水;底;生;大}
◎[10]
有機スズ化合物{底;生}
  ◎[5]
クロルデン類{水;底;生;大}
◎[11]
テトラブロモブスフェノールA{水;底;生;大}
  ◎[6]
ヘプタクロル{水;底;生;大}
  
       { }内は平成15年度調査実施媒体の略称。水:水質、底:底質、生:水生生物、大:大気
       ◎印は検出された物質
 
  [1] PCB類 へ

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