農薬原体出荷量等について

 

都道府県別・地域ブロック別の農薬原体出荷量等について


○ 水道原水中の農薬が検出される可能性がある地域では、その地域で使用されている可能性のある農薬を選択し、検出されやすい時期にモニタリングを実施する必要があります。農薬の使用状況は地域により異なるため、水道事業者等が水道水中のモニタリングを行う農薬を選択する際の参考となるよう、対象農薬リスト掲載農薬(※1)と要検討農薬(※2)について、都道府県別・地域ブロック別の農薬原体出荷量を計算して提供します。
 ※1 「水質基準に関する省令の制定及び水道法施行規則の一部改正等について」(平成15年10月10日付け厚生労働省健康局長通知)別添2
 ※2 「水道水質管理計画の策定に当たっての留意事項について」(平成4年12月21日付け厚生省生活衛生局水道環境部水道整備課長通知)別表第4

○ 農薬は出荷先の都道府県内のみならず都道府県境を超えて使用されること、流域内で移動することを考慮すると、水道水のモニタリングの対象とする農薬は地域的な広がりを捉えて検討することが必要との観点から、都道府県別に加えて、全国を10の地域ブロックに分けたブロック毎の出荷量も整理しました。他方、出荷量がなくても、公共用水域で検出される可能性があることにも留意が必要です。

○ また、個々の農薬の毒性は異なることから、出荷量と毒性の両方を加味した健康リスクの指標として、出荷量を個々の農薬の水道水の目標値で除した値(出荷量/目標値)も、参考までに整理しました。目標値は、出荷量情報が公表された時点における値を使用しています。

○ なお、農薬は用途により使用時期等が異なるため、水道の原水に検出される時期や期間が異なることから、使用された農薬を確実に検知することができるよう、採水の時期や回数を設定する必要があります。下に相模川水系のテフリルトリオンの検出事例を示します。季節、年度により変動があることが分かります。特に水田で使用される農薬が、田植えのあと、降雨後などに検出されやすい傾向があります。水田のある地域では、初夏にもモニタリングを行うようにご配慮下さい。

テフリルトリオンの検出濃度(相模川系原水)


出典:厚生労働科学研究「化学物質等の検出状況を踏まえた水道水質管理のための総合研究」報告書
(令和2年3月、研究代表者:松井佳彦北海道大学教授)


【参考】