水・土壌・地盤・海洋環境の保全

令和2年度海洋プラスチックごみ学術シンポジウム

1.開催趣旨

近年、海洋プラスチックごみによる環境汚染により、生態系、生活環境、漁業、観光等への悪影響が懸念されています。そのため、重要かつ喫緊の課題として、国連をはじめとする様々な国際会議においてその対応について議論されています。効果的な対策・施策を立案するためには、海洋プラスチックごみの量・分布の実態把握、発生源の特定、生物への影響評価などの科学的知見が必要ですが、十分に整理・蓄積されているとは言えません。

現在、世界中の多くの研究者がこの問題の解決に向けて様々な調査や研究に取り組み始めていますが、海洋プラスチックごみに関する科学的な研究分野は多分野に横断的であることから、その広がりは十分とは言えません。今後、これまで以上にスピード感を持って研究の進展を進めるためには、新たな研究者の参入を含めた研究体制の一層の強化が必要です。そのため、海洋プラスチックごみに関する科学的知見の現状を、国内の学術界を中心に広く発信・共有することによって、我が国の学術界における海洋プラスチックごみに関する研究の裾野を広げるとともに、更なる研究の推進を図ることを目的として、シンポジウムを開催します。

2.概要

日時:2021年3月3日(水) 9:30~17:40

場所:オンライン開催 

プログラム

①9:30-9:40 オープニングセッション

・環境省挨拶

・趣旨説明:海洋プラスチックごみの科学的知見について [398KB]

②9:40-11:10 セッションA:分布把握と予測

・セッションモデレーター:東海 正(東京海洋大学 理事)

・A-1:ドローンとディープラーニングを用いた海岸漂着プラスチックごみ定量化手法の構築 [3,256KB]   

加古 真一郎(鹿児島大学 助教)              

・A-2:外航船を利用した全球における海洋中20μm以上のマイクロプラスチックの汚染特性把握及び海のデジタル化プロジェクト [791KB] 

亀田 豊(千葉工業大学 准教授)              

・A-3:ハイパースペクトル画像診断技術を用いたマイクロプラスチックの高速な分析手法の開発 [1,324KB]

朱 春茂(海洋研究開発機構 研究員)            

・A-4:FTIRによるマイクロプラスチックの定性精度向上 [2,029KB]

藤 里砂(株式会社島津製作所)               

・フリーディスカッション・セッションA総括

③11:20-11:45 インターセッション:研究推進事業の紹介

・インターセッション冒頭説明:事務局

環境再生保全機構の取組(研究推進事業の紹介)[2,839KB]

日本化学工業協会の取組~LRI(Long-Range Research Initiative)の紹介~ [951KB]                     

④13:00-14:30 セッションB:発生源・流出経路・微細化

・セッションモデレーター:二瓶 泰雄(東京理科大学 教授)

・B-1:農耕地におけるマイクロプラスチックの実態解明と海域への移行挙動 [4,346KB]

勝見 尚也(石川県立大学 講師)             

・B-2:プラスチックの廃棄循環過程におけるプラスチック微小粒子等の排出実態把握とリスク管理 [4,846KB] 

鈴木 剛(国立環境研究所 主任研究員)           

・B-3:海域と陸域におけるプラスチック微細化機構の違い [4,998KB]

中谷 久之(長崎大学 教授)                

・B-4:大気中マイクロプラスチック研究の現状と健康および地球環境影響 [2,380KB]

大河内 博(早稲田大学 教授)              

・フリーディスカッション・セッションB総括

⑤14:40-16:30 セッションC:生態影響 

・セッションモデレーター:高田 秀重(東京農工大学 教授)

・C-1:生態研究から見えてきたウミガメ類の海洋ゴミ誤飲様式 [2,190KB]

福岡 拓也(東京大学 特任研究員)             

・C-2:衝撃粉砕を利用したマイクロプラスチックおよびナノプラスチックの促進生成法 [2,108KB]

黒田 真一(群馬大学 教授)、大川 功(株式会社 Isaac 代表)

・C-3:中深層性魚類マイクロネクトンによるマイクロプラスチック摂取と音響手法による定量モニタリング [2,616KB]

安間 洋樹(北海道大学 准教授)、石野 光弘(水産研究・教育機構 研究員)          

・C-4:メダカにおけるマイクロプラスチックの体内動態と生物濃縮および化学物質に対するベクター効果 [3,491KB]

大嶋 雄治(九州大学 教授)                

・C-5:綿のセルロースナノファイバーを利用した石鹸用スクラブ剤開発 [1,218KB]

森川 豊(あいち産業科学技術総合センター 主任研究員)   

・フリーディスカッション・セッションC総括

⑥16:40-17:40 クロージングセッション

パネルディスカッション冒頭説明 [3,294KB]:白山 義久(海洋研究開発機構 特任参事)

セッションA関連発表 [4,363KB]:東海 正(東京海洋大学 理事)     

セッションB関連発表 [1,290KB]:二瓶 泰雄(東京理科大学 教授)    

セッションC関連発表 [3,829KB]:高田 秀重(東京農工大学 教授)    

・パネルディスカッション

・環境省挨拶

3.報道発表資料

令和2年度海洋プラスチックごみ学術シンポジウムの開催及び講演者の公募について