よくある質問

Q8 PFASはどれだけ取り込めば人体に有害なのか

 現時点で得ることのできた科学的知見から、生殖・発生毒性(胎児への影響)の情報(→3.4参照)をもとに、食品安全委員会においてPFOS・PFOAの「耐容一日摂取量(Tolerable Daily Intake:TDI)」(この値未満であれば、ヒトが一生涯にわたって毎日摂取し続けても健康への悪影響がないと推定される量)を算出したところ、いずれも体重1kg当たり1日当たりの量が20 ng(20 ng/kg 体重/日)とされました。 なお、このTDIは、出生児への影響等についての動物試験の結果から、不確実係数を考慮して、健康に悪影響がないと推定される値が設定されています。
 PFHxSは、評価のための知見が不十分なため、現時点では指標値の算出は困難と判断されました。
 複数のPFASによる複合ばく露の影響については知見がほとんど得られていないことから、現時点では個別の分子種ごとに指標値を設定することが適切と判断されました。今後、科学的知見が集積された場合には、TDIが見直される可能性があります。

 PFOSについては、ラットのこどもの体重増加抑制を、PFOAについては、マウスの胎児の足の骨の形成への影響等を、それぞれ指標値算出の根拠となる毒性として採用した上で、実験動物とヒトの間の差、ヒトの個人差等を考慮した不確実係数で除しています。一般的に、不確実係数とは、動物とヒトの種の違いや、成人と子ども等個体間の感受性の違いの可能性を見込んで安全性を確保するための係数で、この値で除する過程は動物実験のデータを用いて指標値を算出する過程において行われます。