報道発表資料

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2025年04月04日
  • 地球環境

JCM推進・活用会議第3回の開催及びJCMに対するパリ協定第6条に基づく協力的アプローチとしての包括承認の実施について

1. 2025年3月31日(月)に、JCM推進・活用会議第3回を開催しました。

2. 今次会議においては、JCM 実施要綱の廃止やJCMに対するパリ協定第6条に基づく協力的アプローチとしての包括承認、JCM クレジットに係る承認の手続き等を決議しました。

3. 環境省では、具体的なプロジェクトのさらなる拡大・加速やパリ協定第6条に基づく取組の世界各国への展開に取り組んでいきます。

(1) 日時

2025年3月31日(月)

(2) 方法

電子メールによる電磁的開催

(3) 構成員

環境省地球環境局国際脱炭素移行推進・環境インフラ担当参事官
経済産業省GXグループ地球環境対策室地球環境問題交渉官
外務省国際協力局気候変動課長
農林水産省大臣官房環境バイオマス政策課地球環境対策室長
林野庁計画課海外林業協力室長
国土交通省総合政策局環境政策課環境政策企画官

(4) 決議事項

① 2025年3月31日をもって、「日本国二国間クレジット制度(JCM)実施要綱」を廃止すること

<決議の趣旨及び理由>
「日本国二国間クレジット制度(JCM)実施要綱」に規定する内容の大宗が2025年4月1日に施行される地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律(令和6年法律第 56 号)附則第1条の規定による改正後の地球温暖化対策の推進に関する法律(平成 10 年法律第 117 号)、地球温暖化対策の推進に関する法律施行令(平成11年政令第143号)、国際協力排出削減量口座簿の運営等に関する省令(令和7年経済産業省・環境省令第1号)及び地球温暖化対策の推進に関する法律に基づく指定実施機関に関する省令(令和7年農林水産省・経済産業省・環境省令第2号)に規定されることにともない、同実施要綱を、廃止することとするものです。

②「二国間クレジット制度(JCM)に係るパリ協定に基づく締約国による承認の手続き」を添付1のとおり改定すること。

<決議の趣旨及び理由>
「日本国二国間クレジット制度(JCM)実施要綱」の廃止並びに2025年4月1日に改正施行される地球温暖化対策の推進に関する法律(平成 10 年法律第 117 号)及びパリ協定第6条2項の協力的アプローチに関するガイダンスに関する CMA 決定に基づく承認を行う旨を反映するものです。

③「二国間クレジット制度(JCM)に係る相当調整の手続き」を添付2のとおり改定すること。

<決議の趣旨及び理由>
「日本国二国間クレジット制度(JCM)実施要綱」の廃止を反映するものです。

④JCMクレジットに係るパリ協定締約国としての承認を添付3のとおり実施すること。

<決議の趣旨及び理由>
パリ協定第6条2項の協力的アプローチに関するガイダンスに関する CMA 決定に基き、二国間の協力的アプローチ、国際的に移転される緩和成果(ITMOs)及び事業者という3つの要素の承認が求められるところ、本件承認は、JCMという枠組み自体をパリ協定第6条に基づく二国間の協力的アプローチとして包括的に承認するものです。
個々のプロジェクトに伴い発行されるJCMクレジットについてのパリ協定第6条に基づくITMOs(国際移転緩和量)及び事業者としての承認については、原則として、JCMプロジェクトの登録段階で承認を行ったうえで、ITMOs量の確定値はクレジット発行段階で、あわせて承認することを想定している。これは、より多くの事業者・資金の活用を促すため、できるだけ早期段階での予見可能性を確保する観点から、発行時に初めて承認するのではなく、プロジェクト登録段階で承認することが有効と判断するためです。

⑤「JCM 推進・活用会議の設置について」を添付4のとおり改定すること。

<決議の趣旨及び理由>
「日本国二国間クレジット制度(JCM)実施要綱」の廃止を反映し、環境省の構成員等を変更するものです。

【参考1】二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism:JCM)の概要

 日本国は、パリ協定第6条に沿ったJCM(Joint Crediting Mechanism)という取り組みを実施しています。JCMとは、グローバルサウス等のパートナー国で、日本企業や日本政府が技術や資金の面で協力して対策を実行し、追加的に得られた温室効果ガス(GHG)の削減や吸収の効果を、パリ協定第6条に沿ってクレジット化し、パートナー国側と日本側で分け合う仕組みです。
 日本とパートナー国双方のNDC(Nationally Determined Contribution:排出削減目標)に貢献し、かつ民間企業の参画により両国の経済が活性化することが期待されます。さらに、パートナー国側の社会・経済・環境面の各種課題の解決(持続可能な発展)にも寄与するものです。
 2013年にモンゴルとの間で初めて署名して以来、これまでに29か国とJCMを構築し、250件以上のプロジェクトを実施中です。
 
※ モンゴル国、バングラデシュ人民共和国、エチオピア連邦民主共和国、ケニア共和国、モルディブ共和国、ベトナム社会主義共和国、ラオス人民民主共和国、インドネシア共和国、コスタリカ共和国、パラオ共和国、カンボジア王国、メキシコ合衆国、サウジアラビア王国、チリ共和国、ミャンマー連邦共和国、タイ王国、フィリピン共和国、セネガル共和国、チュニジア共和国、アゼルバイジャン共和国、モルドバ共和国、ジョージア、スリランカ民主社会主義共和国、ウズベキスタン共和国、パプアニューギニア独立国、アラブ首長国連邦、キルギス共和国、カザフスタン共和国及びウクライナの29か国。

【参考2】JCM推進・活用会議の概要

 パリ協定等を踏まえた我が国における二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism, JCM)の実施のため、地球温暖化対策計画(令和3年10月22日閣議決定)に基づき、令和4年1月11日(火)に、JCM実施担当省である環境省、経済産業省、外務省、農林水産省及び国土交通省において設置したものです。
 本会議は、JCMクレジットに係るパリ協定締約国としての承認及び二重計上防止のための相当調整の適用方法の決定等に関する業務を遂行します。


【参考サイト】
・ 環境省ホームページ「二国間クレジット制度
 https://www.env.go.jp/earth/jcm/index.html
・ 日本国JCM登録簿サイト
 https://www.jcmregistry.go.jp/contents/JP/Summary/Summary.html

連絡先

環境省地球環境局国際脱炭素移行推進・環境インフラ担当参事官付JCM推進室
代表
03-3581-3351
直通
03-5521-8246
室長
飯野 暁
企画官
百瀬 嘉則
主査
岡島 裕香
担当
森 要

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