報道発表資料

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2025年03月21日
  • 再生循環

令和6年度有害廃棄物の不法輸出入防止に関するアジアネットワークワークショップの結果について

1.環境省は、2024年10月23日~同年10月25日にラオス人民民主共和国・ビエンチャンにおいて、バーゼル条約東南アジア地域センター及びラオス人民民主共和国天然資源環境省天然資源環境検査局との共催で、有害廃棄物の越境移動に関するバーゼル条約のアジア地域の担当官が一堂に会する、有害廃棄物の不法輸出入防止に関するアジアネットワークのワークショップを開催しました。
 
2.バーゼル条約における電気及び電子機器廃棄物(e-waste)に係る附属書改正への各国の対応についての議論、バーゼル条約における輸出相手国への事前通告・輸入国における同意回答手続(PIC手続)の適正実施に関する課題と優良事例の共有・意見交換、また環境上適正な管理(ESM)の確立・推進に向けた政策及び技術の共有を行いました。
 
3.本ワークショップにおいては、各国の有害廃棄物の輸出入に関する規制等の最新の状況について共有するとともに、こうした不法取引の防止のための対応策等についての議論が行われ、アジア地域の国々が継続して不法取引の防止に向けて連携して取り組むことが重要であるとの認識が共有されました。

■ 概要

 環境省では、有害廃棄物の不法輸出入防止のため、各国のバーゼル条約実施能力の向上及び関係国間の情報交換体制(ネットワーク)を整備することを目的として、「有害廃棄物の不法輸出入防止に関するアジアネットワーク」の設立を2003年に提唱し、2004年を第1回としてほぼ毎年ワークショップを開催しています。第21回目となる今回は、2024年10月23日~同年10月25日にラオス人民民主共和国・ビエンチャンにて開催しました。

■ 令和6年度のワークショップについて

(1) 日程

  2024年10月23日~同年10月25日 
  ・ 10月23日及び24日:アジアネットワークワークショップ
  ・ 10月25日:関係施設訪問及び意見交換

(2) 場所

  ラオス人民民主共和国・ビエンチャン

(3) 主催

  日本国環境省、バーゼル条約東南アジア地域センター、ラオス人民民主共和国天然資源環境省天然資源環境検査局

(4) 参加者

・アジア太平洋地域12の国と地域(インドネシア共和国、カンボジア王国、シンガポール共和国、タイ王国、フィリピン共和国、ブルネイ・ダルサラーム国、ベトナム社会主義共和国、香港、マレーシア、ミャンマー連邦共和国、ラオス人民民主共和国及び日本国)のバーゼル条約担当官が出席しました。日本からは環境省環境再生・資源循環局及び経済産業省GXグループからバーゼル条約担当官が出席しました。

・バーゼル条約事務局、バーゼル条約東南アジア地域センターや、バーゼル条約におけるPIC手続の機能改善に係る会期間小作業部会のリード国であるフランスのほか、バーゼル条約アジア太平洋地域センター、IMPEL(EUにおける環境法規制の遵守と施行のためのネットワーク)、ラオス国立大学等がリソースパーソンとして参加しました。

(5) 議題

1.開会
 主催者のうち、環境省、バーゼル条約東南アジア地域センター、ラオス人民民主共和国天然資源環境省天然資源環境局から開会の挨拶を行いました。

2.バーゼル条約におけるe-wasteに係る附属書改正に焦点を当てたバーゼル条約の規制及び施行に関する国別報告について
 e-wasteの越境移動の傾向の分析及び事前に各国が回答したアンケート結果を基に議論を行いました。また、参加国より条約の国内実施に向けた法制度に関する最新の状況、バーゼル条約におけるe-wasteに係る附属書改正への対応やその国内実施における課題について情報共有が行われました。

3.環境上適正な管理(ESM)の確立・推進に向けた政策及び技術について
 環境上適正な管理(ESM)の確立・推進に向けて、まずバーゼル条約東南アジア地域センターからアジア地域におけるESMの発展や近年見られる廃棄物の発生経路について発表がありました。その後、参加国より各国におけるe-wasteのESMの開発及び促進に係る政策及び技術について情報共有が行われ、議論を行いました。

4.バーゼル条約におけるPIC手続の適正実施に関する課題と優良事例について
 バーゼル条約におけるPIC手続の適正実施及び促進に向けて、まずバーゼル条約事務局から実施遵守委員会(ICC)におけるPIC手続に関する議論について、次にバーゼル条約におけるPIC手続の機能改善に係る会期間小作業部会のリード国であるフランスから部会での議論について共有がありました。その後、参加国より、PIC手続の電子化を含む迅速化に関する国内における優良事例や課題について情報共有が行われ、議論を行いました。

5.関係施設訪問及び意見交換について
 タイ王国とラオス人民民主共和国の国境付近に位置するタナレーン内陸港(Thanaleng Dry Port)及び税関施設等を訪問し、ラオス人民民主共和国のバーゼル条約の国内実施の取り組みについて説明を受けるとともに、参加者で意見交換を行いました。

連絡先

環境省環境再生・資源循環局 廃棄物規制課
代表
03-3581-3351
直通
03-5501-3157
課長
松田 尚之
課長補佐
迫口 貞充
担当
榮井 彩海