報道発表資料

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2025年03月07日
  • 再生循環

令和5年度における浄化槽の設置状況等について

浄化槽の設置状況等を把握し、今後の浄化槽関連行政の基礎的な資料とするために、令和5年度における浄化槽の設置状況、維持管理実施状況等について調査を行い、その結果を取りまとめましたので公表します。

1.浄化槽の設置状況

(1)浄化槽の設置基数

浄化槽は個別分散型の汚水処理施設であり、し尿と雑排水を処理する合併処理浄化槽と、し尿のみを処理する単独処理浄化槽とに大別される。平成12年の浄化槽法改正により単独処理浄化槽は新設が原則禁止されたものの、依然としてその多くが残存している。
環境省では、令和元年の浄化槽法改正により、単独処理浄化槽から合併処理浄化槽への転換を推進するための取組をより一層進めている。
令和5年度末時点における浄化槽の設置基数は、以下のとおりである(参考1から参考5まで参照)。

  令和5年度末の設置基数 令和4年度末の設置基数 令和4年度末時点からの増減
全設置基数 7,455,648基 7,516,864基 61,216基減
うち合併処理浄化槽 4,098,165基 4,023,212基 74,953基増
うち単独処理浄化槽 3,357,483基 3,493,652基 136,169基減

また、特に閉鎖性水域における富栄養化を防ぐことを目的として、近年普及している窒素や燐等を除去する大臣認定型の高度処理型浄化槽(窒素又は燐除去型、窒素及び燐除去型及びBOD除去型)の設置基数は1,472,451基(令和4年度は1,433,924基)であり、合併処理浄化槽の総数の35.9%(令和4年度は35.6%)を占めている(参考1及び参考3参照)。

(2) 合併処理浄化槽の新規設置基数

令和5年度に新たに設置された合併処理浄化槽の設置基数は90,455基(令和4年度は100,268基)である。また、そのうち高度処理型浄化槽の新規設置基数は74,779基(令和4年度は81,474基)であり、合併処理浄化槽の新規設置基数の82.7%(令和4年度は81.3%)を占めている(参考1及び参考3参照)。

2.浄化槽の維持管理の状況

(1) 浄化槽法第7条に基づく浄化槽の設置後等の水質検査

浄化槽の設置後等の水質検査(以下「7条検査」という。)は主に浄化槽の設置工事の適否及び浄化槽の機能状況を早い時期に確認するために行うものであり、浄化槽管理者は浄化槽の使用開始後3か月を経過した日から5か月以内に受検することになっている。
令和5年度における7条検査受検率は97.4%であり、令和4年度に比べて2.7ポイント増加している。近年は95%程度の水準をほぼ横ばいで推移しており、更なる受検率向上に向けた取組が必要である(参考6及び参考7参照)。

(2) 浄化槽法第10条に基づく保守点検及び清掃

浄化槽の保守点検及び清掃は浄化槽の機能を正常に維持し、その放流水の適正な水質を確保するために行うものであり、浄化槽管理者は毎年1回(環境省令が定める場合にあっては、環境省令で定める回数)以上実施することになっている。
令和5年度における保守点検の実施率は73.9%(令和4年度は70.2%)、清掃の実施率は64.1%(令和4年度は63.6%)であり、今後も維持管理の徹底に向けた取組が必要である。

(3) 浄化槽法第11条に基づく定期検査

定期検査(以下「11条検査」という。)は主に保守点検及び清掃が適正に実施され、浄化槽の機能が正常に維持されているか否かを判断するために行うものであり、浄化槽管理者は毎年1回受検することになっている。
令和5年度における11条検査受検率は49.8%(合併処理浄化槽のみでは66.4%)であり、令和4年度に比べて1.6ポイント増加(合併処理浄化槽のみでは0.8ポイント増加)している。11条検査の受検率は近年微増にとどまっており、依然として低い水準にあることから、引き続き受検率向上に向けた取組の強化が必要である(参考6及び参考7参照)。
また、令和5年度末時点での11条検査の結果では、漏水が確認された件数の66%が単独処理浄化槽であり、年々増加傾向にある(参考8参照)。

3.単独処理浄化槽の設置状況

単独処理浄化槽の令和5年度末時点での設置基数は3,357,483基である。
これらのうち、設置からの経過年数が30年を超過したものについては、破損や漏水等が懸念されることから、生活環境及び公衆衛生に重大な支障を及ぼす場合にあっては、特定既存単独処理浄化槽として迅速な措置を求めるとともに、より一層、合併処理浄化槽への転換を推進する必要がある(参考4参照)。

※詳細なデータは、以下の浄化槽サイト「浄化槽データ > 浄化槽の指導普及に関する調査」に掲載している「令和6年度 浄化槽の指導普及に関する調査結果」を参照ください。

 

添付資料

  • 参考1 令和5年度における都道府県別浄化槽の設置状況等
  • 参考2 浄化槽の設置基数の推移
  • 参考3 合併処理浄化槽の設置基数の推移
  • 参考4 構造基準・人槽別浄化槽設置基数(令和5年度末)
  • 参考5 建築用途別の浄化槽設置割合
  • 参考6 法定検査の受検率の推移
  • 参考7 設置基数・設置割合・新設基数・法定検査受検率の状況
  • 参考8 11条検査不適正事項のうち、漏水の検出事例の経年推移

連絡先

環境省環境再生・資源循環局 廃棄物適正処理推進課浄化槽推進室
代表
03-3581-3351
直通
03-5501-3155
室長
沼田 正樹
室長補佐
志太 健一
係長
佐藤 亮真
担当
杉浦 翔