報道発表資料

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2026年03月30日
  • 保健対策

ネイチャーポジティブ推進のための化学物質管理アクションプラン Ver.1.0の公表について

  1. 環境省は、化学物質管理を通じてネイチャーポジティブ(生物多様性の損失を止め、回復軌道に乗せること)の実現に貢献するため、「ネイチャーポジティブ推進のための化学物質管理アクションプラン Ver.1.0」を策定し、公表しました。
  2. 本プランは、調査・研究やモニタリング、関連主体による取組・連携強化等の6つの観点から、今後の取組の方向性を体系的に整理したものです。

経緯

 近年、生物多様性の損失、気候変動及び汚染は相互に関連しながら進行する地球規模の課題として認識されており、国際的にもこれらを統合的に捉えた政策対応の重要性が高まっています。特に、化学物質による汚染は、生物多様性損失の主要な要因の一つであり、化学物質管理は、生態系や生物多様性の保全・回復において重要な役割を担う分野です。
  一方で、我が国の化学物質管理は、これまで主として人の健康や環境汚染防止の観点から制度整備・運用が進められてきた経緯があり、生物多様性や生態系機能への影響を、ネイチャーポジティブの実現という目標の下で体系的に整理する取組は、必ずしも十分とは言えない面がありました。
 こうした状況を踏まえ、環境省では、国際的な動向や国内政策を踏まえつつ、令和7年9月に「化学物質管理によるネイチャーポジティブ推進検討会」を設置し、有識者の助言を得ながら、化学物質管理をネイチャーポジティブの実現に向けて発展させるための方向性について検討を行ってきました。

「ネイチャーポジティブ推進のための化学物質管理アクションプラン Ver.1.0」の概要

 本アクションプランは、化学物質管理を通じてネイチャーポジティブの実現に貢献することを目的として、我が国における現状と課題を整理するとともに、今後取り得る対応の方向性を体系的に示したものです。
 具体的には、

  1. 調査・研究、モニタリングの実施・拡充
  2. リスク評価手法の高度化
  3. 化学物質管理制度の点検・見直し
  4. 関連主体による取組・連携強化
  5. 生物多様性影響評価指標の開発・実装
  6. 国際枠組み・国内計画へのインプット

の6つの観点から、対応オプションと今後の取組の方向性を整理しています。
 本アクションプランは、化学物質管理を、自然への負の影響を抑制するための規制的取組にとどめるのではなく、化学物質のライフサイクル全体を通じてリスクを適切に管理しつつ、生物多様性の回復と社会経済活動の持続性の向上を同時に実現するための戦略的手段として再整理することを意図しています。このような方向性は、環境保全のみを目的としたものではなく、自然資本の回復を通じて、資材調達の安定性向上、事業活動に伴う環境・社会リスクの低減、地域社会や市場からの信頼性向上等を通じて、企業や経済活動にとってもポジティブな影響をもたらすことが期待されるものです。
 なお、本アクションプランは、現時点で得られている知見に基づき取りまとめた第1フェーズとしての位置付けであることから、「アクションプラン Ver.1.0」と命名しました。今後、国内外の動向や科学的知見の蓄積、関係主体の取組の進展等を踏まえ、必要に応じて内容の具体化・充実を図りながら、継続的に見直していきます。

参考URL

ネイチャーポジティブ推進のための化学物質管理の取組:
環境省ウェブサイト
https://www.env.go.jp/chemi/np/index.html

連絡先

環境省大臣官房環境保健部化学物質安全課
代表
03-3581-3351
直通
03-5521-8259
課長
塚田 源一郎
課長補佐
高木 恒輝
課長補佐
渋谷 洋明