報道発表資料
2026年03月27日
- 自然環境
国際自然保護連合(IUCN)・経団連自然保護協議会(KNCC)と連携した「OECMを通じた生物多様性保全への民間セクターの参画促進プロジェクト」の開始及びオンラインミーティング開催について
〈経団連自然保護協議会(KNCC)同時発表〉
1.国際自然保護連合(IUCN)・経団連自然保護協議会(KNCC)と連携して、OECMを通じた生物多様性保全への民間セクターの参画促進を目的としたプロジェクトを立ち上げました。また、その一環として、2026年2月25日(水)にIUCNの主催による政府機関、企業、NGO等によるオンラインミーティングを開催しました。
2.今後、本プロジェクトを通して、民間セクターのOECM参画に関する世界各国の優良事例を収集し、その成果を2026年10月に開催される予定の第17回生物多様性条約締約国会議(CBD-COP17)において発表する予定です。
※ IUCN summary report
Expanding Conservation Impact: A Discussion on Non‑State Actor Engagement in OECMs - Story | IUCN
【添付資料】
・ 別添1 国際自然保護連合(IUCN)・経団連自然保護協議会(KNCC)と連携した「OECMを通じた生物多様性保全への民間セクターの参画促進プロジェクト」レポート
■ 国際自然保護連合(IUCN)・経団連自然保護協議会(KNCC)と連携した「OECMを通じた生物多様性保全への民間セクターの参画促進プロジェクト」
● 背景
2022年12月の生物多様性条約第15回締約国会議(CBD-COP15)において、2030年までの新たな世界目標である「昆明・モントリオール生物多様性枠組」が採択されました。この世界目標を踏まえ、我が国では世界に先駆けて2023年3月に「生物多様性国家戦略」を改定し、2030年ミッションとして、生物多様性の損失を止め、反転させる「ネイチャーポジティブ」の実現を掲げています。この実現に向けて、2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全しようとする目標(30by30目標)を位置付けています。目標の達成には、国立公園等の従来の保護地域の拡張と質の管理の向上に加え、地方公共団体や企業、住民団体等の多様な主体が地域に根ざした保全の取組を進めることが必要不可欠であり、具体的な取組として、民間セクターのOECM(保護地域以外で生物多様性の保全に資する地域)への参画に対し、世界的な期待が高まっています。
● プロジェクトの目的と実施体制
本プロジェクトは、国際自然保護連合(IUCN)、経団連自然保護協議会(KNCC)及び環境省による連携体制の下、各組織の専門性とネットワークを相互に活用し、日本国内に加え、アジア地域を中心とした世界各国の優良なOECMを通じた生物多様性保全への貢献事例を世界へと発信し、民間セクターのOECMへの参画を促進し、生物多様性保全に関する世界目標達成に貢献することを目指します。

図. 共同プロジェクトの目的と実施体制

図. 共同プロジェクトの目的と実施体制
● プロジェクトの実施事項
1. オンライン会議の開催(知見の共有)
民間セクターのOECM参画における課題を整理するために、政府、企業、NGO等の多様なセクターが参加するオンライン会議を2026年2月25日に開催しました。
2. 国内外の優良事例の収集(調査・分析)
民間セクターのOECM参画に関する優良事例を収集し、民間セクターのOECM参画における課題やメリット等を整理します。
3. ガイドブックの作成・公表
日本の「自然共生サイト」を始めとした世界各地における優良事例を掲載した民間セクターのOECM参画の具体的な参考となるガイドブックを作成します。本ガイドブックは、2026年10月のCBD-COP17(生物多様性条約第17回締約国会議)において発表し、当会議でのフィードバックを元に2026年12月に最終版を公表する予定です。
民間セクターのOECM参画における課題を整理するために、政府、企業、NGO等の多様なセクターが参加するオンライン会議を2026年2月25日に開催しました。
2. 国内外の優良事例の収集(調査・分析)
民間セクターのOECM参画に関する優良事例を収集し、民間セクターのOECM参画における課題やメリット等を整理します。
3. ガイドブックの作成・公表
日本の「自然共生サイト」を始めとした世界各地における優良事例を掲載した民間セクターのOECM参画の具体的な参考となるガイドブックを作成します。本ガイドブックは、2026年10月のCBD-COP17(生物多様性条約第17回締約国会議)において発表し、当会議でのフィードバックを元に2026年12月に最終版を公表する予定です。
■ IUCN主催の政府機関、企業、NGO等によるOECM推進に係るオンラインミーティング
開催日時:2026年2月25日
開催方法:オンライン
参加者:別添1参照
開催方法:オンライン
参加者:別添1参照
● OECMへの多様な民間セクターの関与に関する議論概要
【政府機関:政策設計と国家枠組みの進展】
各国では、OECM認定の仕組みや民間参画を促す法整備、既存の保護地域にとどまらない新たな保全区域の選定等が検討されています。また、カンボジアやタイを含む多くのアジアの国がOECMを国家戦略に組み込み、30by30目標に整合する枠組みへと移行しています。
【企業:民間参画の促進と実効性の向上】
日本では、OECM認定サイトと支援を希望する企業等とのつながりを促進する政府によるマッチング支援を通して、企業が培ってきた独自の技術やノウハウを生物多様性保全に活用する事例が見られます。また、各国の企業においても、自社やグループ企業が所有・管理する複数の事業拠点でOECMの認定を受けるなど、事業活動と一体となった多国間での取組も展開されています。
【NGO、民間保護区:草の根の保全と社会統合】
NGOや民間主導の活動では、草の根のリーダーシップが効果的な保全成果をもたらしています。バングラデシュでは地域住民の生計向上と生態系回復を組み合わせた事例が初の政府によるOECM承認を受け、ナミビアでは民間資金由来の私設保護区が、試行OECMとして生態学的に重要な保護地域の連結性の確保に寄与しています。南アフリカでは、政府や市民社会、民間土地所有者を巻き込みながら、OECMを国家的な保全システムに統合していく取組が紹介されました。
【国際ネットワーク:実施支援と基準の整合】
自然と人々のための高い野心連合(HAC)や森林管理協議会(FSC)は、それぞれの既存の枠組みを通じて30by30目標の実施支援を行っています。HACは政策支援や小規模の補助金を通じて各国の国家戦略にOECMを統合する支援を提供しています。FSCは、カナダにおいて森林認証制度をOECM候補地の特定に活用する方法を模索し始めました。
各国では、OECM認定の仕組みや民間参画を促す法整備、既存の保護地域にとどまらない新たな保全区域の選定等が検討されています。また、カンボジアやタイを含む多くのアジアの国がOECMを国家戦略に組み込み、30by30目標に整合する枠組みへと移行しています。
【企業:民間参画の促進と実効性の向上】
日本では、OECM認定サイトと支援を希望する企業等とのつながりを促進する政府によるマッチング支援を通して、企業が培ってきた独自の技術やノウハウを生物多様性保全に活用する事例が見られます。また、各国の企業においても、自社やグループ企業が所有・管理する複数の事業拠点でOECMの認定を受けるなど、事業活動と一体となった多国間での取組も展開されています。
【NGO、民間保護区:草の根の保全と社会統合】
NGOや民間主導の活動では、草の根のリーダーシップが効果的な保全成果をもたらしています。バングラデシュでは地域住民の生計向上と生態系回復を組み合わせた事例が初の政府によるOECM承認を受け、ナミビアでは民間資金由来の私設保護区が、試行OECMとして生態学的に重要な保護地域の連結性の確保に寄与しています。南アフリカでは、政府や市民社会、民間土地所有者を巻き込みながら、OECMを国家的な保全システムに統合していく取組が紹介されました。
【国際ネットワーク:実施支援と基準の整合】
自然と人々のための高い野心連合(HAC)や森林管理協議会(FSC)は、それぞれの既存の枠組みを通じて30by30目標の実施支援を行っています。HACは政策支援や小規模の補助金を通じて各国の国家戦略にOECMを統合する支援を提供しています。FSCは、カナダにおいて森林認証制度をOECM候補地の特定に活用する方法を模索し始めました。
● 各国の政策動向、民間・NGOによる取組事例及び普及に向けた課題
国ごとの政策背景等の違いにより、世界的にOECMを普及・推進する上で、様々な課題が明らかになりました。
国家レベルでは、政策整備の遅れや、社会全体におけるOECMへの認知の不足が課題として挙げられました。実務面では、経済活動に伴う土地利用と生物多様性保全とのバランス調整に加え、取組を長期的に支えるための安定的な資金リソースの確保が難しい状況にあります。
さらに、保全活動の効果を客観的に評価するための、広く共有された「ネイチャーポジティブの指標」がないことが、民間セクターの参画を促進する上での課題として挙げられました。
国家レベルでは、政策整備の遅れや、社会全体におけるOECMへの認知の不足が課題として挙げられました。実務面では、経済活動に伴う土地利用と生物多様性保全とのバランス調整に加え、取組を長期的に支えるための安定的な資金リソースの確保が難しい状況にあります。
さらに、保全活動の効果を客観的に評価するための、広く共有された「ネイチャーポジティブの指標」がないことが、民間セクターの参画を促進する上での課題として挙げられました。
連絡先
環境省自然環境局自然環境計画課 地域ネイチャーポジティブ推進室
- 代表
- 03-3581-3351
- 直通
- 03-5521-8343
- 室長
- 奥田 青州
- 専門官
- 木滑 黄平
- 専門官
- 石神 唯
