報道発表資料
2024年06月07日
- 自然環境
生物多様性条約第26回科学技術助言補助機関会合(SBSTTA26)及び第4回実施補助機関会合(SBI4)の結果について
・ 2024年5月13日から18日まで、ケニア共和国・ナイロビにおいて、生物多様性条約第26回科学技術助言補助機関 会合(SBSTTA26)が開催されました。この会合では、2022年12月に採択された昆明・モントリオール生物多様性 枠組(GBF)の実施に向けGBFの各ゴールやターゲットに関する取組の進捗を測るためのモニタリング枠組の指標及び科学的なニーズ、海洋における生物多様性等について議論等が行われました。
・ また、2024年5月21日から29日まで、生物多様性条約第4回実施補助機関会合(SBI4)が開催され、GBFの報告、評価及びレビューの仕組みや、資金の動員及び資金メカニズム等について議論等が行われました。これらの会合においてまとめられた締約国会議(COP)決定案については、本年10月にコロンビア・カリで開催される生物多様性条約第16回締約国会議(COP16)において更なる議論がなされる予定です。
・ なお、環境省では、当該会期間中に生物多様性国家戦略の改定や、ランドスケープ・アプローチ等に関するサイドイベントを国際機関等との共催で開催しました。
・ また、2024年5月21日から29日まで、生物多様性条約第4回実施補助機関会合(SBI4)が開催され、GBFの報告、評価及びレビューの仕組みや、資金の動員及び資金メカニズム等について議論等が行われました。これらの会合においてまとめられた締約国会議(COP)決定案については、本年10月にコロンビア・カリで開催される生物多様性条約第16回締約国会議(COP16)において更なる議論がなされる予定です。
・ なお、環境省では、当該会期間中に生物多様性国家戦略の改定や、ランドスケープ・アプローチ等に関するサイドイベントを国際機関等との共催で開催しました。
総論
2022年12月にカナダ・モントリオールで開催された生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)第二部において、2030年に向けた新たな世界目標「昆明・モントリオール生物多様性枠組(GBF)」が採択されました。GBFの実施に向けた詳細を、生物多様性条約第16回締約国会議(COP16)において決定するため、科学技術的な見地から検討を行う第26回科学技術助言補助機関会合(SBSTTA26)並びに条約の実施及びプロセス等を効率化するための検討を行う第4回実施補助機関会合(SBI4)が、それぞれ2024年5月13日から18日及び同年5月21日から29日の日程で、ケニア共和国・ナイロビにおいて開催されました。
GBFの採択以降、生物多様性条約への関心は高まりを見せており、補助機関会合への参加者数も増加しています。また、枠組の実施をモニタリングする指標などの詳細の検討が進む一方で、途上国を中心に、GBFの実施と報告のための支援を求める声が強くなっています。
なお、我が国が生物多様性日本基金を通じて行っている途上国代表団への旅費支援、昆明・モントリオール生物多様性枠組基金(GBF基金)への日本からの拠出、南・東アジア地域生物多様性国家戦略及び行動計画(NBSAP)ダイアローグの日本開催(本年1月、東京)等の取組に対し、会議文書、開会挨拶、各国代表団による発言等において言及、感謝の意が表明されました。
GBFの採択以降、生物多様性条約への関心は高まりを見せており、補助機関会合への参加者数も増加しています。また、枠組の実施をモニタリングする指標などの詳細の検討が進む一方で、途上国を中心に、GBFの実施と報告のための支援を求める声が強くなっています。
なお、我が国が生物多様性日本基金を通じて行っている途上国代表団への旅費支援、昆明・モントリオール生物多様性枠組基金(GBF基金)への日本からの拠出、南・東アジア地域生物多様性国家戦略及び行動計画(NBSAP)ダイアローグの日本開催(本年1月、東京)等の取組に対し、会議文書、開会挨拶、各国代表団による発言等において言及、感謝の意が表明されました。
会議の結果
第26回科学技術助言補助機関会合(SBSTTA26)
(1) 開催期間
2024年5月13日~18日
(2) 開催地
ケニア共和国・ナイロビ 国際連合ナイロビ本部
(3) 結果概要
第26回科学技術助言補助機関会合(SBSTTA26)においては、COP15及びSBSTTA25の決定及び勧告等も踏まえ、1000ページを超える会議文書が用意されました。こうした情報に基づき、各国代表団、オブザーバー、専門家等がGBFの実施を促進する各議題について、科学・技術的な観点から議論を行いました。日本政府からは、環境省のほか、外務省、農林水産省及び水産庁が出席しました。
当該会合においては、GBFの進捗を測る指標、科学・技術的なニーズ、合成生物学、海洋の生物多様性、健康と生物多様性などについて議論が行われ、9件の勧告が採択されましたが、一部の議題については各国の意見の隔たりが大きく、採択された勧告には、複数の選択肢を括弧書きで併記した記述が残る結果となりました。
これらの勧告については、本年10月にコロンビア・カリにおいて開催予定のCOP16において、採択に向けた議論が行われます。
なお、主な議題の概要は次のとおりです。
-議題3:昆明・モントリオール生物多様性枠組のモニタリング枠組
GBFの進捗を測るための指標について、各指標の算出方法や国別報告書において報告することとされているバイナリー(選択回答式)指標(binary indicator questions)の内容、今後の更新作業の計画等についての検討が行われました。COP16までの期限付きで設置されている、指標に関するアドホック技術専門家会合(Ad Hoc Technical Expert Group)による議論を踏まえ、各目標の進捗を適切に測ることが可能か等の観点で議論がなされ、COP16に向けて理解の促進と議論の進捗がありました。
-議題5:合成生物学
COP15の決定に基づき実施された合成生物学に関するホライズンスキャニングの結果を踏まえて、今後の展開について議論が行われました。科学技術が発展する中で、定期的なホライズンスキャニングを行う必要性が強調される一方、合成生物学の定義や対象とする範囲に立ち戻り検討を行うことが提案されるなど、議論は平行線に終わりました。その他、技術専門家会合の役割、能力開発や知識共有の方向性なども議論されましたが、いずれも意見の一致に至らずCOP16にて引き続き議論が行われる予定です。
-議題8:海洋及び沿岸の生物多様性
COP16において採択が目指されている、生態学的又は生物学的に重要な海域(EBSA)の新規記載及び修正要領について議論が行われました。また、海洋及び沿岸の生物多様性の保全と持続可能な利用に関する作業計画について議論が行われるとともに、他の関連する組織やイニシアティブ並びに国家管轄権外区域の海洋生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する協定(BBNJ協定)との連携、持続可能な海洋イニシアティブ(SOI)等を通じた能力開発等に関して議論が行われました。COP16においても引き続き議論が行われる予定です。
-議題9:生物多様性と健康
ワンヘルス・アプローチの考え方に基づき、国際連合食糧農業機関(FAO)、世界保健機関(WHO)、国際獣疫事務局(WOAH)、国連環境計画(UNEP)と協力して起草された「生物多様性と健康に関する世界行動計画」案の更新案に関する議論が行われました。計画は自主的なものという位置付けではあるものの、意見の一致に至らずCOP16にて引き続き議論が行われる予定です。
(その他の議題)
-議題4:GBF実施を支援するための科学・技術的ニーズ
-議題6:リスク評価とリスク管理
-議題7:遺伝子組換え生物の検出と同定
(4) 会議の公式ウェブサイト
https://www.cbd.int/meetings/SBSTTA-26
2024年5月13日~18日
(2) 開催地
ケニア共和国・ナイロビ 国際連合ナイロビ本部
(3) 結果概要
第26回科学技術助言補助機関会合(SBSTTA26)においては、COP15及びSBSTTA25の決定及び勧告等も踏まえ、1000ページを超える会議文書が用意されました。こうした情報に基づき、各国代表団、オブザーバー、専門家等がGBFの実施を促進する各議題について、科学・技術的な観点から議論を行いました。日本政府からは、環境省のほか、外務省、農林水産省及び水産庁が出席しました。
当該会合においては、GBFの進捗を測る指標、科学・技術的なニーズ、合成生物学、海洋の生物多様性、健康と生物多様性などについて議論が行われ、9件の勧告が採択されましたが、一部の議題については各国の意見の隔たりが大きく、採択された勧告には、複数の選択肢を括弧書きで併記した記述が残る結果となりました。
これらの勧告については、本年10月にコロンビア・カリにおいて開催予定のCOP16において、採択に向けた議論が行われます。
なお、主な議題の概要は次のとおりです。
-議題3:昆明・モントリオール生物多様性枠組のモニタリング枠組
GBFの進捗を測るための指標について、各指標の算出方法や国別報告書において報告することとされているバイナリー(選択回答式)指標(binary indicator questions)の内容、今後の更新作業の計画等についての検討が行われました。COP16までの期限付きで設置されている、指標に関するアドホック技術専門家会合(Ad Hoc Technical Expert Group)による議論を踏まえ、各目標の進捗を適切に測ることが可能か等の観点で議論がなされ、COP16に向けて理解の促進と議論の進捗がありました。
-議題5:合成生物学
COP15の決定に基づき実施された合成生物学に関するホライズンスキャニングの結果を踏まえて、今後の展開について議論が行われました。科学技術が発展する中で、定期的なホライズンスキャニングを行う必要性が強調される一方、合成生物学の定義や対象とする範囲に立ち戻り検討を行うことが提案されるなど、議論は平行線に終わりました。その他、技術専門家会合の役割、能力開発や知識共有の方向性なども議論されましたが、いずれも意見の一致に至らずCOP16にて引き続き議論が行われる予定です。
-議題8:海洋及び沿岸の生物多様性
COP16において採択が目指されている、生態学的又は生物学的に重要な海域(EBSA)の新規記載及び修正要領について議論が行われました。また、海洋及び沿岸の生物多様性の保全と持続可能な利用に関する作業計画について議論が行われるとともに、他の関連する組織やイニシアティブ並びに国家管轄権外区域の海洋生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する協定(BBNJ協定)との連携、持続可能な海洋イニシアティブ(SOI)等を通じた能力開発等に関して議論が行われました。COP16においても引き続き議論が行われる予定です。
-議題9:生物多様性と健康
ワンヘルス・アプローチの考え方に基づき、国際連合食糧農業機関(FAO)、世界保健機関(WHO)、国際獣疫事務局(WOAH)、国連環境計画(UNEP)と協力して起草された「生物多様性と健康に関する世界行動計画」案の更新案に関する議論が行われました。計画は自主的なものという位置付けではあるものの、意見の一致に至らずCOP16にて引き続き議論が行われる予定です。
(その他の議題)
-議題4:GBF実施を支援するための科学・技術的ニーズ
-議題6:リスク評価とリスク管理
-議題7:遺伝子組換え生物の検出と同定
(4) 会議の公式ウェブサイト
https://www.cbd.int/meetings/SBSTTA-26
第4回実施補助機関会合(SBI4)
(1) 開催期間
2024年5月21日~29日
(2) 開催地
ケニア共和国・ナイロビ 国際連合ナイロビ本部
(3) 結果概要
COP15決定を踏まえて会期間に行われてきた、非公式諮問グループによる検討や地球環境ファシリティ(GEF)評議会、総会等における決定などを踏まえ、GBFのレビューのあり方、資金に関する事項(資源動員)、能力構築、生物多様性の主流化等に関する議論が行われ、14件の勧告が採択されました。議題2「GBFの実施レビュー」においては、NBSAPの改定等を実施した8か国のリストが会議文書に盛り込まれており、我が国もその一か国として紹介されています。また、我が国からは、議題6「コミュニケーション」においてあらゆるレベルでの生物多様性の主流化の重要性について発言するとともに、生物多様性に配慮した社会づくりを推進するキャラクター「だいだらポジー」について紹介しました。また、議題10「主流化長期アプローチ」においては、「ネイチャーポジティブ経済移行戦略」、「2030生物多様性枠組実現日本会議(J-GBF)」などの生物多様性の主流化に関する取組を紹介しました。
なお、日本政府からは、環境省のほか、外務省が出席しました。なお、主な議題の概要は次のとおりです。
-議題3:計画、モニタリング、報告及びレビューのためのメカニズム
COP決定15/6で採択された計画・モニタリング・報告・レビューの多次元的アプローチについて、SBSTTA25における議論も踏まえ、国別報告書の様式、グローバルレビューの進め方、国同士の公開レビューに関する実施方法が議論され、グローバルレビューに含める要素などが明確化されました。
-議題4:能力構築
GBFの実施における能力構築について、地域レベルでの能力構築を支援する地域支援センター及び全体の調整役となるグローバル調整機関に求められる役割が議論されました。地域支援センターについては、科学技術協力に関する非公式諮問グループ(TSC-IAG)が作成したリストを元に、18の機関が選定されました。グローバル調整機関の役割等については、引き続きCOP16において議論が続けられる予定です。
また、遺伝資源の取得の機会及びその利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分(ABS)に関する名古屋議定書の能力構築及び開発の行動計画の案文や同計画の実効性について議論が行われました。
-議題5資源動員及び資金メカニズム
COP15でのGBFの採択とGBF基金の設立を踏まえ、2025年から2030年までの中長期的な資源動員戦略の見直しを行うべく議論されたものの、途上国と先進国との見解の隔たりが大きく、COP16に向けて議論を継続することとなりました。
(その他の議題)
-議題2:GBFの実施レビュー;国内ターゲット設定とNBSAP改訂
-議題6:コミュニケーション
-議題7:他条約、国際機関及びイニシアティブとの協力
-議題8:条約及び議定書のプロセスの有効性レビュー
-議題9:名古屋議定書の有効性レビュー
-議題10:主流化のための長期戦略
-議題11:作業計画の評価
-議題12:締約国会議の複数年度作業計画
-議題13:管理及び予算事項
(4) 会議の公式ウェブサイト
https://www.cbd.int/meetings/SBI-04
2024年5月21日~29日
(2) 開催地
ケニア共和国・ナイロビ 国際連合ナイロビ本部
(3) 結果概要
COP15決定を踏まえて会期間に行われてきた、非公式諮問グループによる検討や地球環境ファシリティ(GEF)評議会、総会等における決定などを踏まえ、GBFのレビューのあり方、資金に関する事項(資源動員)、能力構築、生物多様性の主流化等に関する議論が行われ、14件の勧告が採択されました。議題2「GBFの実施レビュー」においては、NBSAPの改定等を実施した8か国のリストが会議文書に盛り込まれており、我が国もその一か国として紹介されています。また、我が国からは、議題6「コミュニケーション」においてあらゆるレベルでの生物多様性の主流化の重要性について発言するとともに、生物多様性に配慮した社会づくりを推進するキャラクター「だいだらポジー」について紹介しました。また、議題10「主流化長期アプローチ」においては、「ネイチャーポジティブ経済移行戦略」、「2030生物多様性枠組実現日本会議(J-GBF)」などの生物多様性の主流化に関する取組を紹介しました。
なお、日本政府からは、環境省のほか、外務省が出席しました。なお、主な議題の概要は次のとおりです。
-議題3:計画、モニタリング、報告及びレビューのためのメカニズム
COP決定15/6で採択された計画・モニタリング・報告・レビューの多次元的アプローチについて、SBSTTA25における議論も踏まえ、国別報告書の様式、グローバルレビューの進め方、国同士の公開レビューに関する実施方法が議論され、グローバルレビューに含める要素などが明確化されました。
-議題4:能力構築
GBFの実施における能力構築について、地域レベルでの能力構築を支援する地域支援センター及び全体の調整役となるグローバル調整機関に求められる役割が議論されました。地域支援センターについては、科学技術協力に関する非公式諮問グループ(TSC-IAG)が作成したリストを元に、18の機関が選定されました。グローバル調整機関の役割等については、引き続きCOP16において議論が続けられる予定です。
また、遺伝資源の取得の機会及びその利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分(ABS)に関する名古屋議定書の能力構築及び開発の行動計画の案文や同計画の実効性について議論が行われました。
-議題5資源動員及び資金メカニズム
COP15でのGBFの採択とGBF基金の設立を踏まえ、2025年から2030年までの中長期的な資源動員戦略の見直しを行うべく議論されたものの、途上国と先進国との見解の隔たりが大きく、COP16に向けて議論を継続することとなりました。
(その他の議題)
-議題2:GBFの実施レビュー;国内ターゲット設定とNBSAP改訂
-議題6:コミュニケーション
-議題7:他条約、国際機関及びイニシアティブとの協力
-議題8:条約及び議定書のプロセスの有効性レビュー
-議題9:名古屋議定書の有効性レビュー
-議題10:主流化のための長期戦略
-議題11:作業計画の評価
-議題12:締約国会議の複数年度作業計画
-議題13:管理及び予算事項
(4) 会議の公式ウェブサイト
https://www.cbd.int/meetings/SBI-04
■ サイドイベントについて
当該会期間中に、日本国政府は次のサイドイベントを主催・共催しました。また、その他4つのサイドイベントに登壇し、GBFの実施に関連する日本の取組等を発信しました。
昆明-モントリオール生物多様性枠組の実施を支えるランドスケープ・アプローチにおける多様なステークホルダーの貢献
(1) 日時: 2024年5月18日 13:15~(現地時間)
(2) 会場:国際連合ナイロビ本部内会議室
(3) 主催:国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)、SATOYAMA イニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI)、日本国環境省、生物多様性グローバルユースネットワーク(GYBN)、Forest Peoples Programme(FPP)
(4) 概要:ランドスケープ・アプローチの実践例をもとに、ランドスケープレベルでの取組の進捗について評価し、政策立案と実施に関与するための方法論の模索を目的にサイドイベントを開催しました。イベントでは、政府、国際機関、ユース、女性、IPLCs等、様々な立場からのケーススタディの共有とともに、参加者も交え議論を行いました。UNU-IASからは、近々発表予定の「SATOYAMAイニシアティブテーマ別レビューシリーズ/ビジネスと生物多様性の相互関係の側面におけるSEPLSの関連性」についても紹介されました。日本からは、我が国のNBSAPにおけるランドスケープ・アプローチの位置づけ、様々なステークホルダーを巻き込むことの重要性やその実例、ランドスケープにおけるステークホルダーを特定する上での日本国内における課題等について紹介しました。
(2) 会場:国際連合ナイロビ本部内会議室
(3) 主催:国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)、SATOYAMA イニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI)、日本国環境省、生物多様性グローバルユースネットワーク(GYBN)、Forest Peoples Programme(FPP)
(4) 概要:ランドスケープ・アプローチの実践例をもとに、ランドスケープレベルでの取組の進捗について評価し、政策立案と実施に関与するための方法論の模索を目的にサイドイベントを開催しました。イベントでは、政府、国際機関、ユース、女性、IPLCs等、様々な立場からのケーススタディの共有とともに、参加者も交え議論を行いました。UNU-IASからは、近々発表予定の「SATOYAMAイニシアティブテーマ別レビューシリーズ/ビジネスと生物多様性の相互関係の側面におけるSEPLSの関連性」についても紹介されました。日本からは、我が国のNBSAPにおけるランドスケープ・アプローチの位置づけ、様々なステークホルダーを巻き込むことの重要性やその実例、ランドスケープにおけるステークホルダーを特定する上での日本国内における課題等について紹介しました。
生物多様性国家戦略及び行動計画(NBSAP)の改定から得られた教訓
(1) 日時:2024年5月22日18:15~(現地時間)
(2) 会場:国際連合ナイロビ本部内会議室
(3) 主催:日本国環境省、生物多様性条約事務局
(4) 概要:COP15において採択されたレビューメカニズムに関する決議(CBD/COP/15/6)においては、各締約国が、COP16までに国家戦略及び行動計画(NBSAP)の改定もしくは国レベルの目標を設定することを求めています。その一方、SBI議題2の文書によると、NBSAPの改定を完了している国は8か国に限られます。NBSAP改定に向けた取組を促進するため、NBSAP地域ダイアローグが生物多様性条約事務局により開催されています。そのうち、南・東アジア地域については、環境省及びUNU-IASの共催により、本年1月に日本で開催されました。これらの取組を踏まえて、NBSAPの改定に向けた機運を高めるため、NBSAP地域ダイアローグやNBSAPの改定から得られた教訓を共有することを目的に本サイドイベントを開催しました。
NBSAP地域ダイアローグへの出席から得られた教訓については、ブータン、クック諸島、タイ、ヨルダン、ガボンのパネリストを招き、各国の状況を共有いただきました。また、NBSAPの改定から得られた教訓については、フランス、中国、日本から、国別ターゲットをGBFのターゲットと整合させることや、行動及び進捗の状況を明確にする説明責任の重要性など、各国における事例が共有されました。
(2) 会場:国際連合ナイロビ本部内会議室
(3) 主催:日本国環境省、生物多様性条約事務局
(4) 概要:COP15において採択されたレビューメカニズムに関する決議(CBD/COP/15/6)においては、各締約国が、COP16までに国家戦略及び行動計画(NBSAP)の改定もしくは国レベルの目標を設定することを求めています。その一方、SBI議題2の文書によると、NBSAPの改定を完了している国は8か国に限られます。NBSAP改定に向けた取組を促進するため、NBSAP地域ダイアローグが生物多様性条約事務局により開催されています。そのうち、南・東アジア地域については、環境省及びUNU-IASの共催により、本年1月に日本で開催されました。これらの取組を踏まえて、NBSAPの改定に向けた機運を高めるため、NBSAP地域ダイアローグやNBSAPの改定から得られた教訓を共有することを目的に本サイドイベントを開催しました。
NBSAP地域ダイアローグへの出席から得られた教訓については、ブータン、クック諸島、タイ、ヨルダン、ガボンのパネリストを招き、各国の状況を共有いただきました。また、NBSAPの改定から得られた教訓については、フランス、中国、日本から、国別ターゲットをGBFのターゲットと整合させることや、行動及び進捗の状況を明確にする説明責任の重要性など、各国における事例が共有されました。
■ 今後の予定
生物多様性条約の補助機関会合及び締約国会議として、今後、次の会合が開催されます。いずれも会場は、コロンビア・カリのパシフィックバレーイベントセンター(Centro de Eventos Valle del Pacífico)での開催が予定されています。
・生物多様性条約第5回実施補助機関会合(SBI5):本年(2024年)10月16日から18日まで
・生物多様性条約第16回締約国会議(COP16)・カルタヘナ議定書第11回締約国会議・名古屋議定書第5回締約国会議:本年10月21日から11月1日
・生物多様性条約第5回実施補助機関会合(SBI5):本年(2024年)10月16日から18日まで
・生物多様性条約第16回締約国会議(COP16)・カルタヘナ議定書第11回締約国会議・名古屋議定書第5回締約国会議:本年10月21日から11月1日
【参考1】
科学技術助言補助機関(Subsidiary Body on Scientific, Technical and Technological Advice: SBSTTA)
生物多様性条約第25条に基づいて設立された条約の補助機関のひとつ。条約の実施状況について科学技術的な見地から締約国会議(COP)及び他の補助機関に対して助言を行うことを任務とする。
実施補助機関(the Subsidiary Body on Implementation: SBI)
第12回生物多様性条約締約国会議の決定に基づき設立された条約の補助機関の一つ。条約の実施や運営に関して、締約国会議(COP)及び他の補助機関に対して助言を行うことを任務とする。
【参考2】
SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ(International Partnership for the SATOYAMA Initiative:IPSI)
2007年に日本国環境省と国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)が共に提唱したSATOYAMAイニシアティブのコンセプトを多様なステークホルダーとともに実践していくため、生物多様性条約第10回締約国会議(2010年愛知開催)において発足したパートナーシップ。
【参考3】
生物多様性グローバルユースネットワーク(Global Youth Biodiversity Network:GYBN)
日本で2010 年に開催された「生物多様性国際ユース会議in あいち2010」を契機として設立され、自然と共生する社会への公正で公平な移行を主導、支援、加速するための、ユース及びユース団体のグローバルな連合。ユース間で生物多様性の価値に対する認識を高め、行動を起こす力を与えることを目指している。現在700を超える加盟団体と60の各国支部、3つの地域支部から構成されている。また、生物多様性条約の下での交渉にユースが参加するための主要な調整プラットフォームとなっている。
【参考4】
環境省による「昆明・モントリオール生物多様性枠組」に関するウェブサイト
https://www.biodic.go.jp/biodiversity/about/treaty/gbf/kmgbf.html
科学技術助言補助機関(Subsidiary Body on Scientific, Technical and Technological Advice: SBSTTA)
生物多様性条約第25条に基づいて設立された条約の補助機関のひとつ。条約の実施状況について科学技術的な見地から締約国会議(COP)及び他の補助機関に対して助言を行うことを任務とする。
実施補助機関(the Subsidiary Body on Implementation: SBI)
第12回生物多様性条約締約国会議の決定に基づき設立された条約の補助機関の一つ。条約の実施や運営に関して、締約国会議(COP)及び他の補助機関に対して助言を行うことを任務とする。
【参考2】
SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ(International Partnership for the SATOYAMA Initiative:IPSI)
2007年に日本国環境省と国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)が共に提唱したSATOYAMAイニシアティブのコンセプトを多様なステークホルダーとともに実践していくため、生物多様性条約第10回締約国会議(2010年愛知開催)において発足したパートナーシップ。
【参考3】
生物多様性グローバルユースネットワーク(Global Youth Biodiversity Network:GYBN)
日本で2010 年に開催された「生物多様性国際ユース会議in あいち2010」を契機として設立され、自然と共生する社会への公正で公平な移行を主導、支援、加速するための、ユース及びユース団体のグローバルな連合。ユース間で生物多様性の価値に対する認識を高め、行動を起こす力を与えることを目指している。現在700を超える加盟団体と60の各国支部、3つの地域支部から構成されている。また、生物多様性条約の下での交渉にユースが参加するための主要な調整プラットフォームとなっている。
【参考4】
環境省による「昆明・モントリオール生物多様性枠組」に関するウェブサイト
https://www.biodic.go.jp/biodiversity/about/treaty/gbf/kmgbf.html
連絡先
環境省 自然環境局 自然環境局計画課 生物多様性戦略推進室
- 代表
- 03-3581-3351
- 直通
- 03-5521-8275
- 室長
- 鈴木 渉 (内線 22184)
- 室長補佐
- 河合 秀樹 (内線 22041)
- 係長
- 石井 颯杜 (内線 21682)