報道発表資料

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2024年03月22日
  • 地球環境

令和5年度「二国間クレジット制度資金支援事業のうち設備補助事業」の第四回採択案件の決定について

1.この度、令和5年度「二国間クレジット制度資金支援事業のうち設備補助事業(以下、「本事業」という)」の第四回採択案件として9件を採択しましたのでお知らせいたします。これまでに本事業で採択した案件による2030年までの累積温室効果ガス(GHG)削減量は、約2,000万トンCO2を見込んでいます。

2.今後も、「地球温暖化対策計画(令和3年10月閣議決定)」等に基づき、「二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism:JCM)」を通じた環境インフラの海外展開を一層強力に促進していきます。

【添付資料】
・環境省JCM資金支援事業案件一覧(2013~2023年度)

1.事業内容

 本事業は、優れた脱炭素技術等を活用し、途上国等における温室効果ガス(GHG)排出量を削減する事業を実施し、測定・報告・検証(MRV)を行っていただく事業に対して、初期投資費用の1/2を上限として補助を行います。
 途上国等における温室効果ガス(GHG)の排出を削減するとともに、JCMを通じて我が国の温室効果ガス排出削減目標の達成に活用することを目的とします。また、「地球温暖化対策計画(令和3年10月閣議決定)」、「環境省 COP26後の6条実施方針(令和3年11月環境省発表)」、「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画・フォローアップ(令和4年6月閣議決定)」等に沿って、相手国のニーズを深く理解した上で先進的な脱炭素技術等を普及・展開することにより、世界の脱炭素化に貢献することが期待されています。

2.採択した案件の概要

 「二国間クレジット制度資金支援事業のうち設備補助事業」の執行団体である(公財)地球環境センター(GEC)が令和5年4月6日(木)~同年11月30日(木)正午まで日本の民間企業等を対象に公募を行ってきました。
 この度、書面審査、ヒアリングによる二次審査及びその結果を踏まえた採否審査を実施した上で、日本と各JCMパートナー国との間で設置された合同委員会において、採択に異論が無いことを確認し、下記のとおり、9件を第四回採択分として選定しました。
 今後、交付決定の手続等を進め、JCMの実施に向けた手続きを進めていきます。

<第四回採択分の選定事業>
No. パートナー国 プロジェクト名 代表事業者 想定GHG削減量(tCO2/年)
14 ベトナム社会主義共和国 トゥエンクアン省における50MWバイオマス発電事業 イーレックス株式会社 83,118
15 ベトナム社会主義共和国 イエンバイ省における50MWバイオマス発電事業 イーレックス株式会社 81,802
16 ベトナム社会主義共和国 ドンナイ省ビエンホア市の食品工場へのバイオマスコージェネレーションシステムの導入 第一実業株式会社 24,967
17 ベトナム社会主義共和国 工場群への15MW屋根置き太陽光発電システムの導入による電力供給事業 関西電力株式会社 5,192
18 ベトナム社会主義共和国 医療機器工場、食品工場及び自動車部品工場への4.1MW屋根置き発電システムの導入 丸紅株式会社 1,463
19 ベトナム社会主義共和国 繊維製品製造及び化学製品製造工場への1.9MW屋根置き太陽光発電システムの導入 東京センチュリー株式会社 739
20 ベトナム社会主義共和国 プラスチック製品工場への1.25MW屋根置き太陽光発電システムの導入による電力供給事業 関西電力株式会社 393
21 チュニジア共和国 トズール地域における50MW太陽光発電プロジェクト 株式会社ユーラスエナジーホールディングス 48,157
22 チュニジア共和国 シディブジッド地域における50MW太陽光発電プロジェクト 株式会社ユーラスエナジーホールディングス 47,101

【参考1】令和5年度の本事業第一回採択案件(令和5年8月17日報道発表)

https://www.env.go.jp/press/press_02017.html
 
No. パートナー国 プロジェクト名 代表事業者 想定GHG削減量(tCO2/年)
1 メキシコ合衆国 自動車部品工場への0.5MW屋根置き太陽光発電システムの導入(JCMエコリース事業) 東銀リース株式会社 392
2 フィリピン共和国 セメント工場への6MW廃熱回収発電システムの導入 株式会社グローバルエンジニアリング 21,245
3 フィリピン共和国 ボホール島ダゴホイ地域における27MW太陽光発電プロジェクト 株式会社キューデン・インターナショナル 20,395
4 フィリピン共和国 電子機器組立工場への1.2MW屋根置き太陽光発電システムの導入(JCMエコリース事業) 東京センチュリー株式会社 697

【参考2】令和5年度の本事業第二回採択案件(令和5年10月5日報道発表)

https://www.env.go.jp/press/press_02196.html
 
No. パートナー国 プロジェクト名 代表事業者 想定GHG削減量(tCO2/年)
5 インドネシア共和国 スマトラ島アチェ州における12MWバイオマス発電プロジェクト AURA-Green Energy株式会社 33,573
6 インドネシア共和国 板ガラス製造溶融炉における燃焼方式及び炉形状の改善 AGC株式会社 5,747
7 インドネシア共和国 ジャワ島における製紙工場への3MW屋根置き太陽光発電システムの導入 アラムポート株式会社 2,182
8 チリ共和国 首都圏州及びオイギンズ州の農地を活用した26.3MW太陽光発電・48MWh蓄電池導入プロジェクト ファームランド株式会社 20,197

【参考3】令和5年度の本事業第三回採択案件(令和6年2月2日報道発表)

https://www.env.go.jp/press/press_02694.html
 
No. パートナー国 プロジェクト名 代表事業者 想定GHG削減量(tCO2/年)
9 チリ共和国 タラパカ州ウアタコンド太陽光発電所への196MWh蓄電池システムの導入 双日株式会社 17,975
10 フィリピン共和国 ツマウィニ地区における 11.3MW 小水力発電プロジェクト 兼松株式会社 29,342
11 フィリピン共和国 ルソン島サンホセ地域における10MW太陽光発電プロジェクト 株式会社キューデン・インターナショナル 6,846
12 フィリピン共和国 配電会社と連携した7MW太陽光発電プロジェクト 東京センチュリー株式会社 4,731
13 スリランカ民主社会主義共和国 北中部州ケビティゴレワ地区における13.5MW太陽光発電プロジェクト 柴田商事株式会社 6,511

【参考4】地球温暖化対策計画(令和3年10月閣議決定)におけるJCMの位置付け

 途上国等への優れた脱炭素技術、製品、システム、サービス、インフラの普及や対策実施を通じ、実現したGHG排出削減・吸収への我が国の貢献を定量的に評価するとともに、我が国のNDCの達成に活用するため、JCMを構築・実施していく。これにより、官民連携で2030年度までの累積で、1億t-CO2程度の国際的な排出削減・吸収量の確保を目標とする。
 
 令和6年2月現在のパートナー国は、モンゴル国、バングラデシュ人民共和国、エチオピア連邦民主共和国、ケニア共和国、モルディブ共和国、ベトナム社会主義共和国、ラオス人民民主共和国、インドネシア共和国、コスタリカ共和国、パラオ共和国、カンボジア王国、メキシコ合衆国、サウジアラビア王国、チリ共和国、ミャンマー連邦共和国、タイ王国、フィリピン共和国、セネガル共和国、チュニジア共和国、アゼルバイジャン共和国、モルドバ共和国、ジョージア、スリランカ民主社会主義共和国、ウズベキスタン共和国、パプアニューギニア独立国、アラブ首長国連邦、キルギス共和国、カザフスタン共和国及びウクライナの29か国。
 
●地球温暖化対策計画(令和3年10月閣議決定)

【参考5】環境省 COP26後の6条実施方針(令和3年11月発表)

 国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)において、パリ協定6条(市場メカニズム)ルールの大枠が合意された。市場メカニズムを活用した世界での排出削減が進展することが期待される。6条ルール交渉をリードし、世界に先駆けてJCMを実施してきた我が国として、以下3つのアクションを通じて、世界の脱炭素化に貢献する。
 
<3つのアクション>
1.  JCMのパートナー国の拡大と、国際機関と連携した案件形成・実施の強化
2.  民間資金を中心としたJCMの拡大
3.  市場メカニズムの世界的拡大への貢献
 
●参考サイト
 

【参考6】新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画・フォローアップ(令和4年6月閣議決定)(抄)

 JCMの拡大のため、2025年を目途にパートナー国を30か国程度とすることを目指し、関係国との協議を加速するとともに、2022年度に民間資金を中心とするJCMプロジェクトの組成ガイダンスを策定し普及を行う。
 
●フォローアップ(令和4年6月閣議決定)

連絡先

環境省地球環境局国際脱炭素移行推進・環境インフラ担当参事官室
代表
03-3581-3351
直通
03-5521-8246
参事官
水谷 好洋
JCM推進企画官
重松 賢行
参事官補佐
髙橋 健太郎
担当
柏栁 太郎