報道発表資料

この記事を印刷
2024年03月22日
  • 自然環境

本州以南におけるニホンジカの密度分布図(令和4年度当初)の作成について

  環境省では、ニホンジカの全国的な生息状況を把握し、科学的・計画的な鳥獣の管理を推進するため、定期的に生息密度分布図を公表しています。この度、令和4年度版を作成しましたのでお知らせします。(前回は平成26年度)
  この結果、全国的に生息域は拡大している一方で、生息密度にはむらがあることがわかりました。本生息密度分布図を活用して、より高密度な場所で捕獲することで、効果的な対策が可能となることが考えられます。
 

1.趣旨

 ニホンジカについては、生息数の増加や生息域の拡大により、生態系、農林水産業及び生活環境に深刻な被害を及ぼしています。
 このため、捕獲による個体群管理を進めることが必要ですが、広域的な観点から科学的・計画的に管理を推進するためには、ニホンジカの生息状況を把握する必要があることから、環境省では、各都府県からデータ提供の協力いただき、本州以南におけるニホンジカの密度分布図を作成しました。

2.作成方法

 環境省及び各都府県による以下の調査結果を使用し、作成しました。詳細については、資料1を御覧ください。
令和3年度末のニホンジカの個体数推定結果及び予測結果(都府県別) 
ニホンジカの生息分布調査結果及び糞塊密度調査結果
各都府県が収集しているニホンジカの密度指標

3.シカの生息密度の概況

 今回作成した密度分布図は、令和4年度当初(令和3年度末の個体数推定値及び予測値を使用)の推定密度を表したものになります。
 シカの生息密度は、北上高地、房総半島、八ヶ岳から南アルプスにかけての地域、近畿北部、紀伊山地、四国東部、九州北部や西部などで高い状態にあると推定されました。一方で、東北地方の日本海側や北陸地方の福井県を除く地域、島根県の一部地域など、近年分布が拡大した地域では密度が比較的低い状態にあると推定されました。なお、同一地方、同一都府県内でも生息密度が高い場所と低い場所があり、地域的な密度の濃淡があります。
 さらに、平成26年度と比較した密度変化率図によると、東北地方や九州地方では多くの地域で密度が増加傾向にあることが分かりました。また、分布の先端部など平成26年度に密度が低い地域や、県境付近で増加傾向がみられました。
 詳細については、資料2を御覧ください。

連絡先

環境省自然環境局野生生物課鳥獣保護管理室
代表
03-3581-3351
直通
03-5521-8285
室長
宇賀神 知則
室長補佐
村上 靖典
室長補佐
大川 瑛子
係長
鈴木 麗
担当
奥 優子