報道発表資料

この記事を印刷
2024年01月23日
  • 地球環境

第8回日本・ベトナム環境政策対話及び2050年カーボンニュートラルに向けた日ベトナム共同協力計画に基づく第3回合同作業部会の結果並びにバクニン省廃棄物発電竣工式について

1.八木環境副大臣は、令和6年1月10日~同年1月12日までベトナム社会主義共和国を訪問し、バクニン省の大型廃棄物発電施設の竣工式及び第8回日本・ベトナム環境政策対話に出席しました。
 
2.環境政策対話では、環境協力覚書が更新されるとともに、気候変動対策、プラスチック汚染、廃棄物管理、大気汚染等について今後の協力の方向性が確認されました。
 
3.このほか、「2050年カーボンニュートラルに向けた日ベトナム共同協力計画」に基づく第3回合同作業部会が開催されました。
 
【添付資料】
日本国環境省とベトナム社会主義共和国天然環境資源省との間の環境協力に関する協力覚書(英語)
日本国環境省とベトナム社会主義共和国天然環境資源省との間の環境協力に関する協力覚書(日本語仮訳)

■ 経緯

 日本国環境省とベトナム社会主義共和国天然資源環境省は、両国間で包括的な環境協力を進めていくため、2013年に「環境協力に関する協力覚書」に署名・締結するとともに、第1回環境政策対話を開催しました。以降、これまで7回の環境政策対話を開催し、環境課題について意見交換を行うとともに、2016年及び2020年に同覚書を更新してきました。
 今般、同覚書が更新されるとともに、第8回環境政策対話が開催されました。
 また、日本国環境省の二国間クレジット制度(JCM)の設備補助事業により支援を受けて建設されたバクニン省の大型廃棄物発電施設の竣工式が開催されました。
 さらに、環境政策対話にあわせて、両省が2021年11月に署名した「2050年までのカーボンニュートラルに向けた気候変動に関する共同協力計画」に基づいて設置された合同作業部会の第3回会合が開催されました。

■ 概要

1.第8回日・ベトナム環境政策対話
日時:2024年1月12日 10:00~11:30(第8回環境政策対話、環境協力覚書署名式)
場所:ベトナム社会主義共和国天然資源環境省(ハノイ)
形式:対面及びオンラインのハイブリッド形式
出席者:日本側:八木環境副大臣、小川特別国際交渉官 ほか
    ベトナム側:タイン天然資源環境副大臣 ほか
主な議論等 
 両国のこれまでの協力の振り返りを行うとともに、気候変動対策(緩和・適応)、プラスチック汚染、廃棄物管理及び汚染(水、大気、化学物資)の各協力分野における具体的な政策・協力活動について意見交換を行いました。各分野における議論の概要は以下のとおりです。
(1)気候変動対策・緩和
ベトナムにおいて40件以上の実績があるJCMや「パリ協定6条実施パートナーシップ」の活用を通じ、今後も両国で協力を継続していくことを確認しました。また、日本・ベトナム間JCMの合同委員会の早期開催を呼びかけました。
(2)気候変動対策・適応
官民連携による早期警戒システムの導入の促進に向け、引き続き政府機関で協力していくことを確認しました。
(3)プラスチック汚染
2023年8月に両国で締結した海洋ごみの管理等に関する協力に係る基本合意書に基づき、行われている専門家の相互訪問による共同パイロット調査や技術研修について、今後も協力を推進することを確認しました。
(4)廃棄物管理
ベトナム側から、廃棄物管理に係るガイドライン等の策定支援や、JCM等のスキームを活用した廃棄物発電の案件形成促進に強い関心が示されました。また、e-wasteに係る政策や回収・分別・処理に対する支援に対する期待が表明されました。
(5)汚染(水、大気、化学物資)
ベトナム側から、経済拡大に伴い深刻化する大気汚染対策に関し、モニタリング・評価技術に対する支援ついて、日本に対する期待が表明されました。
 
2.バクニン省廃棄物発電施設竣工式
日時:2024年1月11日 15:00~16:00
場所:ハノイ市郊外(ベトナム)
出席者:日本側:八木環境副大臣、渡邊在ベトナム日本国大使館次席公使、大下JFEエンジニアリング株式会社社長 ほか
    ベトナム側:カイン ベトナム天然資源環境大臣、カイ・バクニン省人民委員会副委員長、ティエン・トゥアンタイン・エンバイロメント社社長、等
概要
 八木環境副大臣は、日本国環境省のJCM補助事業により日本の高度な環境技術が導入された日越両国の官民連携による廃棄物発電施設の竣工式に日本政府代表としてスピーチを行うとともにテープカットに参列しました。
 八木環境副大臣は、本廃棄物発電事業は、日越環境協力のフラグシップと言える事業であり、日本国環境省としても、日越協力の一層の強化により、経済成長が著しいベトナムにおいて、廃棄物管理の向上等による公衆衛生の改善、温室効果ガスの削減、プラスチックを含む環境汚染の低減などに引き続き貢献していくと述べました。
バクニン省廃棄物発電施設概要
日量500tの廃棄物を焼却処理し、約11.6MWを発電するとともに、約4万tCO2/年の温室効果ガスの削減が見込まれる
 
3.2050年カーボンニュートラルに向けた日ベトナム共同協力計画に基づく第3回合同作業部会
日時:2024年1月11日 9:00~12:00
場所:ベトナム天然資源環境省
出席者:日本側:小川特別国際交渉官、須賀推進官 ほか
    ベトナム側:クオン天然資源環境省気候変動局長 ほか
概要
 ベトナムの2050年カーボンニュートラルの実現に向け、長期戦略策定に係る人材育成、様々なセクターにおける透明性に係るガイドラインの策定、日越各都市の環境協力、早期警戒システムに係るニーズ調査及び導入に向けた協力、フロンの回収・破壊事業及び企業間の技術協力の促進、ベトナム国内で既に導入されている「福岡方式」(準好気性埋立)の更なる展開等について、進捗や今後の協力の確認などを行いました。

連絡先

環境省地球環境局国際脱炭素移行推進・環境インフラ担当参事官室
代表
03-3581-3351
直通
03-5521-8248
参事官
水谷 好洋
推進官
須賀 義徳
参事官補佐
浪花 伸和
参事官補佐
松川 美奈子
担当
小池 瑛子