報道発表資料
2025年12月19日
- 地球環境
バングラデシュにおける二国間クレジット制度(JCM)プロジェクト参画・マッチングとパリ協定6条実施推進に関するビジネスフォーラムを開催しました
1. 環境省はバングラデシュ環境・森林・気候変動省環境局との共催により、2025年12月7日、バングラデシュ・ダッカにてJCMへのビジネス参画及びパリ協定6条実施促進に関するフォーラム及びビジネスマッチングを開催しました。
2. フォーラムは、バングラデシュの炭素市場へのJCMプロジェクトによるビジネス参画、JCMプロジェクトに係るマッチメイキングの促進を目的としました。また、A6IPセンターによるバングラデシュの能力構築支援パッケージの一環として作成された「民間企業向けパリ協定6条実施ガイドブック」及び「6条実施における推奨プロジェクト分野リスト」のイニシャル版のお披露目も行われ、民間企業関係者にとって6条の下での炭素市場活動への理解と参画を促進するための実践的な参考資料となることが期待されます。
3. ビジネスピッチセッションでは、両国の企業4社が、営農型太陽光発電(アグリボルタイクス)、マングローブ植林によるブルーカーボン創出、廃棄物発電による都市環境改善、間断灌漑技術(AWD)とデジタル技術を活用した農業変革などのプロジェクトやソリューションを発表しました。その後のビジネスマッチングセッションでは、両国の企業、政府及び地域開発銀行関係者が個別協議を行い、JCMプロジェクト開発の可能性を探りました。
4. 翌日には、バングラデシュ環境・森林・気候変動省と政府間協議及び、両国政府及びJCM事業を実施・検討中の両国企業による個別の意見交換を実施し、JCM事業の課題・解決策について議論しました。
5. 環境省は、今後もJCMの利用拡大・加速を図り、バングラデシュの脱炭素化に貢献していきます。
2. フォーラムは、バングラデシュの炭素市場へのJCMプロジェクトによるビジネス参画、JCMプロジェクトに係るマッチメイキングの促進を目的としました。また、A6IPセンターによるバングラデシュの能力構築支援パッケージの一環として作成された「民間企業向けパリ協定6条実施ガイドブック」及び「6条実施における推奨プロジェクト分野リスト」のイニシャル版のお披露目も行われ、民間企業関係者にとって6条の下での炭素市場活動への理解と参画を促進するための実践的な参考資料となることが期待されます。
3. ビジネスピッチセッションでは、両国の企業4社が、営農型太陽光発電(アグリボルタイクス)、マングローブ植林によるブルーカーボン創出、廃棄物発電による都市環境改善、間断灌漑技術(AWD)とデジタル技術を活用した農業変革などのプロジェクトやソリューションを発表しました。その後のビジネスマッチングセッションでは、両国の企業、政府及び地域開発銀行関係者が個別協議を行い、JCMプロジェクト開発の可能性を探りました。
4. 翌日には、バングラデシュ環境・森林・気候変動省と政府間協議及び、両国政府及びJCM事業を実施・検討中の両国企業による個別の意見交換を実施し、JCM事業の課題・解決策について議論しました。
5. 環境省は、今後もJCMの利用拡大・加速を図り、バングラデシュの脱炭素化に貢献していきます。
■ バングラデシュにおける二国間クレジット制度(JCM)へのビジネス参画及びパリ協定6条実施促進に関するビジネスフォーラムの開催概要
開催日時:2025年12月7日(日):10:00~18:00
会 場:バングラデシュ環境局(バングラデシュ、ダッカ)
開催形式:対面・オンライン
主 催:日本国環境省(MoEJ)、バングラデシュ人民共和国環境・森林・気候変動省環境局(DoE)
協力・後援:(公財)地球環境戦略研究機関(IGES)/ パリ協定6条実施パートナーシップセンター、(一社)海外環境協力センター(OECC)、日本政府指定JCM実施機構(JCMA)、JICAバングラデシュ事務所、JETROダッカ事務所、バングラデシュ日本商工会議所(JBCCI)
参加者:日バングラデシュ政府関係者及び民間企業等計約170名(うち対面約130名)
使用言語:英語
発表資料:https://a6partnership.org/training-events/forum-on-advancing-article-6-implementation-through-business-engagement-and-jcm-project-matchmaking-in-bangladesh
会 場:バングラデシュ環境局(バングラデシュ、ダッカ)
開催形式:対面・オンライン
主 催:日本国環境省(MoEJ)、バングラデシュ人民共和国環境・森林・気候変動省環境局(DoE)
協力・後援:(公財)地球環境戦略研究機関(IGES)/ パリ協定6条実施パートナーシップセンター、(一社)海外環境協力センター(OECC)、日本政府指定JCM実施機構(JCMA)、JICAバングラデシュ事務所、JETROダッカ事務所、バングラデシュ日本商工会議所(JBCCI)
参加者:日バングラデシュ政府関係者及び民間企業等計約170名(うち対面約130名)
使用言語:英語
発表資料:https://a6partnership.org/training-events/forum-on-advancing-article-6-implementation-through-business-engagement-and-jcm-project-matchmaking-in-bangladesh
アジェンダ
| Time | Program | Speakers and Presenters |
| 9:30- | Participant registration | |
| Session1 | Opening of the Forum | |
| 10:00-10:05 | Welcome Remarks from DoE | Dr. Md. Kamruzzaman (ndc), Director General, DoE |
| 10:05-10:10 | Welcome Remarks from IGES | Mr. Kazuhisa Koakutsu, Director A6IP/IGES |
| 10:10-10:15 | Remarks from JBCCI | Ms. Maria Howlader, the Secretary General, JBCCI |
| 10:15-10:20 | A6 and JCM in Bangladesh | Mr. Mirza Shawkat Ali, Director (Climate Change and International Convention) DoE |
| 10:20-10:30 | Remarks from MoEJ | Mr. Keitaro Tsuji, Director JCM Office, MoEJ |
| 10:30-10:40 | Chief Guest Remarks from MoEFCC | Ms. Syeda Rizwana Hasan, Honorable Advisor, MoEFCC |
| 10:40-10:50 | Pre-launching of the Article 6 Guidebook for Private Sector, Positive project areas for implementation of Article 6 | MoEFCC-MoEJ-DoE-A6IP |
| 10:50-11:00 | Remarks of the chair | Mr. Mohammad Navid Safiullah, Additional Secretary, MoEFCC |
| 11:00-11:15 | Tea Break and Refreshment | |
| Session2 | JCM and Article 6 of the Paris Agreement | |
| 11:15-11:30 | Carbon Market Framework in Bangladesh | Md. Harun Or Rashid, Deputy Director (International Convention) Department of Environment (DoE) |
| 11:30-11:45 | Japan’s Approach to Article 6: The Role of the Joint Crediting Mechanism and Its Latest Progress | Keitaro Tsuji, Director of JCM Office, MoEJ |
| 11:45-11:55 | Rule of Implementation under JCM and Global Match | Mr. Satoru Mimura, JCM Implementation Agency (JCMA) |
| 11:55-12:05 | Article 6 of the Paris Agreement: Enabling International Carbon Markets and Cooperation | Mr. Kazuhisa Koakutsu, Director, A6IP/IGES |
| 12:05-12:15 | Introduction to ADB support for Carbon market fund for JCM | Mr. Shohei Okano, Environment and Carbon Market Specialist JFJCM Fund Manager Climate Change and Sustainable Development Department Asian Development Bank (ADB) |
| 12:15-12:25 | Carbon market instrument for advancing the Article 6 implementation | Mr. Keisuke Iyadomi, Senior Carbon Finance Specialist, World Bank |
| 12:25-12:50 | Interactive discussion (Q&A) | All Participants |
| 12:50-14:00 | Payer and Lunch Break | |
| Session3 | Key Sectors and Technologies for Implementation under Article 6.2 and the Joint Crediting Mechanism (JCM) | |
| 14:00-14:05 | Agrivoltaics: Developing a Sustainable Business Model for Agrivoltaics in Bangladesh: Progress and Insights | Dipal C. Barua Founder & Chirman, Bright Green Energy Foundation (BGEF) |
| 14:05-14:10 | Nature based solution: Bengal Blue Carbon Initiatives using NbS -Mangrove Afforestation for Protecting Coastal areas and Sequestration of GHG- | M. Samiun Nabi, Certified Climate Finance Expert, Head of SPB, Instiutte for Water Modeling (IWM) |
| 14:10-14:15 | Waste to Energy: Chattogram Waste-to-Energy Project: Leveraging JCM for Climate Action | Gen Takahashi, Deputy General Manager, Sales & Marketing Dept., Global Business Div., Environmental Solutions Sector, JFE Engineering Corporation |
| 14:15-14:20 | Alternate Wetting and Drying (AWD): Driving Agricultural Transformation with AWD and Digital Platforms -DX/GX Strategies through the JCM Pilot Program- | Shunsuke Miyake, Global Business Promotion Div. Manager, Ryobi Systems., Itd. |
| 14:20-14:30 | Summary and Closing | Dr. Bijon Kumer Mitra, Research Director (ISC), IGES Mr. Kazuhisa Koakutsu, Director, A6IP Mr. Dharitri Kumar Sarkar, Joint Secretary, MoEFCC |
| 14:30-14:50 | Coffee Break | |
| Session4 | Business Matchmaking | |
| 14:50-17:00 | Consultation: 15-minute slots × 8 slots x about 7 tables, where Bangladeshi Companies can directly interact with relevant agencies and Japanese companies. Note: Advance pre-registration is required for Bangladeshi companies | |
■ 各社ビジネスピッチの概要:
1.Bright Green Energy Foundation (BGEF) – 営農型太陽光発電:バングラデシュ向けの営農型太陽光発電(アグリボルタイクス)を活用したJCMプロジェクト構想を紹介。この構想は、2030年までに再生可能エネルギー比率20%、2040年までに30%を目指す「再生可能エネルギー政策2025」に沿ったもの。太陽光発電と農業活動を組み合わせることで土地不足の課題に対応し、食料とエネルギーの二重利用を可能にしている。日本で成功しているソーラーシェアリングモデルを参考に、マニクゴンジで進行中のパイロット事業を基盤とした1MW規模のプロジェクト構想が提示された。
2.Institute for Water Modeling (IWM) – 自然を活用した解決策:マングローブ植林に焦点を当てた自然を活用したブルーカーボンの取り組みを紹介。バングラデシュの沿岸地域を保護し、気候変動への強靱性を高め、温室効果ガスを吸収することを目的としている。プロジェクトは3万ヘクタールのマングローブ林を再生し、20年間で1,700万トンのCO₂を吸収する可能性があると見込まれており、バングラデシュのNDC3やSDGsに沿ったものとなっている。国際的および地域的な協力を通じて実施され、炭素クレジット収益を安全な水、医療、教育などの基本サービスに再投資することで、地域開発を統合している。
3.JFEエンジニアリング株式会社 – 廃棄物発電:チッタゴン市向けのJCMを活用した廃棄物発電プロジェクト計画が紹介された。市内で日量約3,000トン発生する廃棄物と、それに伴う環境・公衆衛生上の課題に対応する緊急性を強調している。プロジェクトは廃棄物をクリーンな電力に転換し、温室効果ガス排出を削減しながら廃棄物管理を改善することを目指している。ベトナムで実施された成功事例を参考にしており、同事例では11.6MWの発電と年間42,000トンのCO₂削減を達成している。既存のJCM廃棄物発電プロジェクトで培った実績を活用し、埋立地からの排出削減、化石燃料由来の電力代替、JCM資金による経済性向上を図っている。プロジェクトは、バングラデシュの公的・民間の関係者との協力を促し、気候変動と環境課題への解決策を実現することを目指している。
4.株式会社両備システムズ – 間断灌漑技術(AWD):水田における間断灌漑(AWD)技術が、効率的な水管理とデジタル技術を組み合わせ、稲作の生産性向上と排出削減を実現する持続可能な農業手法として紹介された。提案されたJCMプロジェクト構想では、5,600ヘクタールにAWDを導入し、収量を20%向上させ、メタン排出を40%削減することを目指している。AWDを基盤とした炭素クレジットモデルは、気候変動に対応した経済的に持続可能な農業の普及に向けて高い可能性を示している。
2.Institute for Water Modeling (IWM) – 自然を活用した解決策:マングローブ植林に焦点を当てた自然を活用したブルーカーボンの取り組みを紹介。バングラデシュの沿岸地域を保護し、気候変動への強靱性を高め、温室効果ガスを吸収することを目的としている。プロジェクトは3万ヘクタールのマングローブ林を再生し、20年間で1,700万トンのCO₂を吸収する可能性があると見込まれており、バングラデシュのNDC3やSDGsに沿ったものとなっている。国際的および地域的な協力を通じて実施され、炭素クレジット収益を安全な水、医療、教育などの基本サービスに再投資することで、地域開発を統合している。
3.JFEエンジニアリング株式会社 – 廃棄物発電:チッタゴン市向けのJCMを活用した廃棄物発電プロジェクト計画が紹介された。市内で日量約3,000トン発生する廃棄物と、それに伴う環境・公衆衛生上の課題に対応する緊急性を強調している。プロジェクトは廃棄物をクリーンな電力に転換し、温室効果ガス排出を削減しながら廃棄物管理を改善することを目指している。ベトナムで実施された成功事例を参考にしており、同事例では11.6MWの発電と年間42,000トンのCO₂削減を達成している。既存のJCM廃棄物発電プロジェクトで培った実績を活用し、埋立地からの排出削減、化石燃料由来の電力代替、JCM資金による経済性向上を図っている。プロジェクトは、バングラデシュの公的・民間の関係者との協力を促し、気候変動と環境課題への解決策を実現することを目指している。
4.株式会社両備システムズ – 間断灌漑技術(AWD):水田における間断灌漑(AWD)技術が、効率的な水管理とデジタル技術を組み合わせ、稲作の生産性向上と排出削減を実現する持続可能な農業手法として紹介された。提案されたJCMプロジェクト構想では、5,600ヘクタールにAWDを導入し、収量を20%向上させ、メタン排出を40%削減することを目指している。AWDを基盤とした炭素クレジットモデルは、気候変動に対応した経済的に持続可能な農業の普及に向けて高い可能性を示している。
■ 政府間協議及び両国企業を含むJCM事業に関する意見交換:
12月8日、バングラデシュ環境・森林・気候変動省環境局において、同省との政府間協議及び、両国政府及びJCM事業を実施・検討中の両国企業による個別の意見交換を実施し、JCM事業の課題・解決策について議論しました。
連絡先
環境省地球環境局国際脱炭素移行推進・環境インフラ担当参事官付JCM推進室
- 代表
- 03-3581-3351
- 直通
- 03-5521-8246
- 室長
- 辻 景太郎
- 企画官
- 岡野 泰士
- 担当
- 川田 隼
- 担当
- 竹下 剛司