報道発表資料

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2022年12月02日
  • 自然環境

生物多様性条約第15回締約国会議第二部、カルタヘナ議定書第10回締約国会合第二部及び名古屋議定書第4回締約国会合第二部並びに「ポスト2020生物多様性枠組」第5回公開作業部会の開催について

2022年12月7日から同年12月19日まで、カナダ・モントリオールにおいて、生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)、カルタヘナ議定書第10回締約国会合(CP-MOP10)及び名古屋議定書第4回締約国会合(NP-MOP4)第二部が開催されます。また同年12月3日から12月5日まで、生物多様性に関する新たな世界目標である「ポスト2020生物多様性枠組」に関する第5回公開作業部会(OEWG5)が開催されます。COP15第二部では、ポスト2020生物多様性枠組の採択に向けた最終的な交渉が実施されます。2022年12月15日から同年12月17日には閣僚級会合(ハイレベルセグメント)が開催される予定です。

■ 経緯

● 生物多様性条約(正式名称=生物の多様性に関する条約)は、生物多様性の保全、その構成要素の持続可能な利用及び遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分を実現することを目的として、1992年に採択されました。2010年10月に愛知県名古屋市で開催された第10回締約国会議(COP10)では、日本が議長国を務め、生物多様性に関する世界目標である愛知目標の採択や、遺伝資源へのアクセスと利益配分に関する名古屋議定書の採択など、歴史的な成果が得られました。
COP15は、当初2020年10月に中国・昆明で開催される予定でした。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響により延期され、2021年10月にCOP15第一部が中国・昆明とオンラインの併用で開催されました。そして、2022年12月にCOP15第二部がカナダ・モントリオールで開催されることとなりました。なお、COP15議長国は中国が引き続き務めます。
 
● カルタヘナ議定書(正式名称=生物の多様性に関する条約のバイオセーフティに関するカルタヘナ議定書)は、遺伝子組換え生物等による生物多様性への悪影響を防ぐための枠組であり、平成15年9月11日に発効しました。日本は同年11月に本議定書を締結し、翌年2月に日本について発効しました。 

● 名古屋議定書(正式名称=生物の多様性に関する条約の遺伝資源の取得の機会及びその利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分に関する名古屋議定書)は、遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分を実施するための枠組みであり、平成26年10月12日に発効しました。日本は平成29年5月に本議定書を締結し、同年8月に日本について発効しました。 
【参考】最近の締約国会議の開催状況
 COP10 2010年10月 愛知県名古屋市
 COP11 2012年10月 ハイデラバード(インド)
 COP12 2014年10月 ピョンチャン(韓国)
 COP13 2016年12月 カンクン(メキシコ)
 COP14 2018年11月 シャルム・エル・シェイク(エジプト)

■ 会議の概要

 COP15第二部では、ポスト2020生物多様性枠組に盛り込むべき目標の最終的な交渉が行われ、同枠組を採択することを目指しています。また、COP15第二部の直前には、OEWG5が開催されます。また、COP15第二部と同期間に議定書の締約国会合であるCP-MOP10第二部とNP-MOP4第二部も開催されます。
 
● ポスト2020生物多様性枠組に関する第5回公開作業部会(OEWG5)
(1) 開催期間
2022年12月3日~同年12月5日
 
(2) 主な議題
○ ポスト2020生物多様性枠組に関するCOP15直前の調整
ポスト2020生物多様性枠組の草案については依然として多くの論点が残っており、OEWG5では、COP15第二部での最終交渉が円滑に進むよう、この草案を可能な限り合意に向けた内容とすることが期待されています。
 
     
● 生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)第二部
(1) 開催期間
2022年12月7日~同年12月19日
 
(2) 主な議題
○ ポスト2020生物多様性枠組
ポスト枠組の最終草案に基づき、具体的な目標案の書きぶりが検討されます。この中には2030年までに陸と海のそれぞれ30%以上を保護・保全する目標案(30by30)やビジネスにおける生物多様性の主流化、生物多様性に資する気候変動の取組等の目標が含まれます。
 
○ ポスト枠組に基づく取組の進捗を把握する仕組み
ポスト枠組の進捗を把握するために全ての国が報告に使用することとなる指標や、世界全体での進捗をレビューする仕組み等(PDCAサイクル)について検討する予定です。
 
○ 遺伝資源に係る塩基配列情報(DSI)
「ポスト2020生物多様性枠組」におけるDSIの取扱いに関するCOP15決定案が検討されます。
 
  • 会議の公式ウェブサイトは以下のとおりです。
https://www.cbd.int/conferences/2021-2022
 
● カルタヘナ議定書第10回締約国会合(CP-MOP10)第二部
(1) 開催期間
2022年12月7日~同年12月19日
 
(2) 主な議題
○ 議定書のモニタリング・報告(議定書第33条)
カルタヘナ議定書の国別報告書の提出状況や報告書の様式について検討されます。
   
○ 名古屋クアラルンプール補足議定書の責任と補償
遺伝子組換え生物等の使用によって生じる生物多様性への影響を回復するための措置を定めた補足議定書の実施状況について検討されます。
 
● 名古屋議定書第4回締約国会合(NP-MOP4)第二部
(1) 開催期間
2022年12月7日~同年12月19日
 
(2) 主な議題
〇 名古屋議定書の実施状況に関する監視と報告(議定書第29条)
名古屋議定書の国別報告書に関する改訂ガイドラインや報告書の様式について検討されます。
 
〇 地球的規模の多数国間利益配分メカニズム(議定書第10条)
遺伝資源及び遺伝資源に関連する伝統的な知識に関して、国境を越えた状況で存在するものや、名古屋議定書が基本とする各国における情報に基づく事前の同意による対応ができないものが存在することを踏まえ、これらの利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分への対処を念頭に置き、地球的規模での多数国間における利益配分の仕組みの必要性について検討されます。
 
● COP15第二部閣僚級会合(ハイレベルセグメント)
(1) 開催期間
2022年12月15日~同年12月17日
 
(2) 主な議題
○ 各国閣僚等による声明
閣僚級会合では各国の閣僚級や国際機関のトップ等による声明が多数出される見込みです。また、ポスト2020生物多様性枠組の合意に向けた政治的なメッセージの発出が見込まれています。

■ サイドイベント等について

COP15期間中に日本国政府が主催・共催する主なサイドイベントは以下のとおりです。
 
● 「GBFの戦略的コミュニケーションと推進組織の重要性 日本の過去10年の経験から」
(1) 日時:2022年12月9日11:00~13:00
 
(2) 会場:CEPAフェア会場
 
(3) 主催:J-GBF(2030生物多様性枠組実現日本会議)、日本国環境省
 
(4) 概要: J-GBF(会長:一般社団法人日本経済団体連合会会長)が主催し、J-GBFの前身となる会議(UNDB-J)による過去10年の取組と経験を共有しつつ、多様なステークホルダーと共に、2030年までの戦略的なコミュニケーションをどう構築するか、何が課題か、どのような支援が求められるかについて、登壇者と議論します。
 
● 「生物多様性日本基金第2期のローンチ及びポスト2020生物多様性枠組の実施への日本の貢献」
(1) 日時:2022年12月15日18:15~19:45
 
(2) 会場:Side-event 2 512F
 
(3) 主催: 日本国政府、生物多様性条約事務局、国連開発計画、Global Youth Biodiversity Network
 
(4) 概要: 日本政府は、COP10議長国であった2010年に生物多様性日本基金(JBF)を設立し、途上国支援を進めてきました。さらに、2021年のCOP15第一部では、生物多様性日本基金第2期(JBF2)の開始を表明しました。本イベントでは、JBF2が目指す成果や事業内容等について発信します。
 
● 「COMDEKS(コムデックス)第4期:ポスト2020生物多様性枠組へのSATOYAMAイニシアティブの貢献」(1)日時:2022年12月16日13:15~14:45
(2) 会場:Business and Industry Organizations Meeting Room 514A
(3) 主催: 日本国政府、国連開発計画、経団連自然保護基金、生物多様性条約事務局、地球環境ファシリティー、国連大学サステイナビリティ高等研究所
(4) 概要: SATOYAMAイニシアティブ推進プログラム(COMDEKS)は、地域コミュニティによる社会生態学的生産ランドスケープ(二次的自然環境)の維持・再構築のための現地活動を支援するとともにその現地活動の成果に関する知見の集約・発信を目的とし2011年6月に設立されました。本イベントでは、これまでの活動の成果の発信と、COMDEKSの第4フェーズの開始を表明します。

● 展示ブース   COP15期間中、以下の展示を行う予定です。
 ・ 日本国環境省及び農林水産省が共同で、日本の生物多様性に関する取組を紹介。

■ COP15第二部結果報告会(2022年12月26日)の開催について

 COP15第二部終了後、ポスト2020生物多様性枠組に関する議論の結果や生物多様性に関する情報発信を目的に、以下の日程で日本国環境省主催のオンライン報告会を予定しております。報告会では、COP15第二部を機に生物多様性を意識し始めた方にも関心を深めていただけるよう、生物多様性を身近な問題として捉えた講演テーマも予定しておりますので是非御参加ください。

(1) 開催日 2022年12月26日10:00-12:00
(2) 開催方式:オンライン(ZOOMを予定)
(3) 登録方法:以下URLの登録フォームから御登録願います。
   https://jp.surveymonkey.com/r/RPWX9F5
 

■ 参考

【参考1】 「ポスト2020生物多様性枠組」に関する公開作業部会(Open-ended Working Group on the post-2020 global biodiversity framework: OEWG)
・ CBD-COP決定14/34により、「ポスト2020生物多様性枠組」の策定を支援するために設立。
・ 2019年8月及び2020年2月に、それぞれ第1回及び第2回会合を対面で開催。
・ 2021年8月~9月に第3回会合第一部をオンラインで開催。
・ 2022年3月及び2022年6月に、それぞれ第3回会合第二部及び第4回会合を対面で開催。

【参考2】 環境省による「ポスト2020生物多様性枠組」に係るウェブサイト 
  https://www.biodic.go.jp/biodiversity/about/treaty/post2020gbf.html

 

連絡先

環境省自然環境局自然環境計画課 生物多様性戦略推進室
代表
03-3581-3351
直通
03-5521-8275
室長
山本 麻衣
室長補佐
浜  一朗
担当
石井 颯杜 
環境省自然環境局自然環境計画課 生物多様性主流化室
直通
03-5521-9108
室長
浜島 直子
室長補佐
三宅 里奈
環境省自然環境局野生生物課 外来生物対策室
直通
03-5521-8344
室長
大林 圭司
担当
宗像 直樹