報道発表資料
2022年08月05日
- 再生循環
令和4年度脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業(委託・補助)の1次公募結果について
環境省は、脱炭素社会構築に資する資源循環システム構築の加速化を図るため、従来型のプラスチック利用を段階的に改めることとしています。
本事業は、化石資源由来プラスチックの代替素材開発や、プラスチックのリサイクル技術・システム高度化など、技術的課題を解決し事業化に向けて必要な実証を行うものです。
令和4年度事業について、委託事業の公募を令和4年2月7日(月)~同年3月18日(金)の期間で、補助事業の公募を令和4年4月15日(金)~同年5月23日(月)の期間で実施しました。
同事業に応募のあった案件について、申請書類による事前審査及び有識者で構成される評価審査委員会における審査を行い、採択すべき事業を選定したのでお知らせします。
本事業は、化石資源由来プラスチックの代替素材開発や、プラスチックのリサイクル技術・システム高度化など、技術的課題を解決し事業化に向けて必要な実証を行うものです。
令和4年度事業について、委託事業の公募を令和4年2月7日(月)~同年3月18日(金)の期間で、補助事業の公募を令和4年4月15日(金)~同年5月23日(月)の期間で実施しました。
同事業に応募のあった案件について、申請書類による事前審査及び有識者で構成される評価審査委員会における審査を行い、採択すべき事業を選定したのでお知らせします。
■ 「令和4年度脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業」の公募概要
環境省では、低炭素社会及び循環型社会構築に資するプラスチック資源循環システム構築の加速化を図るため、従来型のプラスチック利用を段階的に改めることとし、化石資源由来のプラスチックを代替する再生可能資源由来のバイオプラスチック等への転換を推進しています。
また、従来リサイクルが困難であったプラスチック等素材に対するリサイクル技術・システムの高度化を図り、プラスチック資源循環システム全体でのエネルギー起源CO2排出の抑制を目的とした以下の事業を行います。
① 化石由来プラスチックを代替する省CO2型バイオプラスチック等(再生可能資源)への転換及び社会実装化実証事業
② プラスチック等のリサイクルプロセス構築及び省 CO2化実証事業
■ 選定結果
本事業の公募に対し委託事業に11件、補助事業に19件の応募があり、申請書類による事前審査及び有識者で構成される評価審査委員会による審査を行った結果、委託事業で5件(代替事業4件、リサイクル事業1件)、補助事業で12件(代替事業6件、リサイクル事業6件)の事業について選定しました。
委託事業5件
補助事業12件
委託事業5件
事業者名(五十音順) | 事業名 | 事業の概要 |
---|---|---|
① 化石由来プラスチックを代替する省CO2型バイオプラスチック等(再生可能資源)への転換及び社会実装化実証事業 | ||
公益財団法人京都高度技術研究所 | PHA系バイオプラスチックのライフサイクル実証と用途展開システム解析事業 | これまで廃食用油を原料としたPHBH製造技術を確立するとともに、PHBH製生ごみ袋で生ごみを回収してバイオガス化する一連のシステムをモデル地域において試行的に運用し、その有効性を確認している。本事業では、その成果のスケールアップと社会実装化を推進するべく、PHBHの更なる用途展開・製品開発を行うとともに、開発した製品に対応するリサイクルシステムを検討する。さらに、国産原料開発については、国内での栽培技術の確立に一定の目途をつけることを目標とする。これらを通じ、PHA系バイオプラスチックのライフサイクルでの有効性の実証と用途展開により構築される社会システムの解析を行う。 |
株式会社ダイセル | バイオマスからのブタジエン等製造に関する実証事業 | バイオマスのひとつであるエリスリトールについて、水素化触媒によってC4化合物であるブタジエン類を製造する次世代バイオマスツリーの実現化が期待されている。本事業では、実際の生産を想定してバイオマスからC4化合物の製造・精製、さらに最終製品である高分子(ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ABS樹脂)までの一貫したプロセスを実証し、この新たなバイオマスツリー実現の妥当性を化石原料由来樹脂とのLCA比較(CO2削減量)によって検証する。 |
トヨタ車体株式会社 | 自動車機能部品、内装部品のバイオマス、バイオプラスチック材料への転換 | 本実証事業では、自動車部品としてバイオマス、バイオプラスチック材料の普及促進を行うとともにリサイクル手法を確立することで資源循環社会に貢献することを目的とし、セルロース繊維強化材料の性能評価、パルプモウルドを活用した部品検討、植物繊維配合バイオプラスチック材料の性能評価の実証を行う。また、リサイクル性やLCA評価も実施し、リサイクル可能な材料の開発を行う。 |
パナソニック ホールディングス株式会社 | セルロースファイバー複合再生樹脂の適用範囲拡大実証 | これまで家電由来リサイクル樹脂とセルロースファイバー(CeF)を複合したCeF複合再生樹脂の開発を実施している。本事業では、更なるCeF複合再生樹脂の活用拡大を図るために、「耐候性」や「難燃性」などを有する高機能樹脂の開発実証を行う。 |
② プラスチック等のリサイクルプロセス構築及び省CO2化実証事業 | ||
株式会社鈴木商会 | 既設処理システムの改良によるシュレッダーダストの効率的な資源化技術の実証事業 | 現在はサーマルリカバリーや単純焼却、埋立処分されているシュレッダーダスト(混合プラスチック)を「マテリアルリサイクル原料」、「ケミカルリサイクル原料」等へ資源化することを目的に、既存選別工程の改良の仕方や回収した製品の資源性評価並びに事業性評価に関する実証を行う。 |
補助事業12件
事業者名(五十音順) | 事業名 | 事業の概要 |
---|---|---|
① 化石由来プラスチックを代替する省CO2型バイオプラスチック等(再生可能資源)への転換及び社会実装化実証事業 | ||
株式会社ウッドワン | 植物原料を活用した木質材料用接着剤の開発とその実用化に向けた実証事業 | 脱炭素社会構築に向けて「都市の木造化」「内装の木質化」が推進されており、今後、さらに木質材料の活用が進む。この木質材料に使用されている化石由来の合成樹脂接着剤の一部を木材樹皮に代替するために低コストで品質安定性のある樹皮粉砕製造プロセスと接着条件について実証を行う。 |
王子ホールディングス株式会社 | 非可食バイオマスを原料とした国産バイオマスプラスチックのフィルム等開発実証事業 | 非可食バイオマスである木質由来のポリ乳酸で、石油由来プラスチックを代替する。本事業では、木質由来ポリ乳酸の収率向上、製造スケールアップに伴う課題解決、ユーザーワークを踏まえての品質改良に関わる検討を行い、国産バイオマスプラスチックのフィルム等開発実証を行う。 |
草野作工株式会社 | 微生物セルロースナノファイバー複合化植物樹脂の社会実装実証事業 | 甜菜由来糖蜜から自社製造される微生物セルロースナノファイバー(BCNF)を独自技術により植物樹脂と複合化し化石由来樹脂代替となりうる植物由来強化樹脂の製造実証を目指す。本事業では各工程の技術的課題解決と量産体制確立に向けた実証を行う。 |
株式会社三義漆器店 | ポリ乳酸&ヘミセルロースポリマーアロイの薄肉射出成形技術開発とリサイクル技術実証事業 | PLAにヘミセルロースを混合し、超臨界CO2を溶解させ、多数個取り金型で薄肉容器を射出成形する技術を開発する。またこれまで真空成形や繊維等に用途限定されていたPLAを、射出成形による高付加価値製品として市場コストにマッチさせる量産技術を実証、併せて廃棄成形品の粉砕、リペレット化の実証を行う。 |
株式会社事業革新パートナーズ | 植物由来バイオマスプラスチック繊維による化石由来プラスチック繊維代替実証事業 |
本事業では、化学合成繊維用の化石由来プラスチックペレットを植物由来の糖材料を活用した繊維グレードバイオマスプラスチックペレットに代替することを目指し、実用化に向けた課題解決(物性改良)を行うと共に繊維生地加工の実証を行う。 |
日清紡テキスタイル株式会社 | 生分解性を有する不織布を使用した農業用マルチシート及び育苗ポットの実証事業 | 綿及び再生セルロース等の植物由来材料、及びそのリサイクル材料を原料とする不織布を使い農業用マルチシート及び育苗ポットを製造し、素材の種類による利便性(価格、機能、使い勝手等)の確認とその改善方法についての技術実証を行う。 |
② プラスチック等のリサイクルプロセス構築及び省CO2化実証事業 | ||
株式会社神鋼環境ソリューション | 廃プラスチックのガス化及びメタノール化実証事業 | 廃プラスチックには金属やがれきなどが多く含まれるため、依然その多くは単純焼却あるいはサーマルリサイクルされている。これら雑多な廃プラスチックのケミカルリサイクル技術の構築を目指し、流動床式ガス化炉によってこれらを処理・ガス化したのち洗浄・改質し、基幹化学品であるメタノールの合成に適したガスを生成する実証を行う。 |
東武化学株式会社 | 壁紙製造設備の清掃残渣(廃ペーストゾル)リサイクルプロセス実証事業 | 壁紙製造設備の清掃時に発生する廃棄ペーストゾルは現状焼却処理されている。本事業では塩化ビニル樹脂と希釈剤が混合された廃ペーストゾルを蒸留操作によって固液分別を行い、蒸留残渣は建材の塩ビ系床材原料として、蒸留液は再び壁紙原料希釈剤としてマテリアルリサイクルする実証を行う。 |
日揮ホールディングス株式会社 | 廃プラスチック高度リサイクル実現に向けた油化ケミカルリサイクル実証事業 | 商用機を模擬したロータリーキルン型のプラスチック油化装置を導入して、様々なプラスチック原料を用いて油化を行う。従来の容器包装リサイクル法にて分別回収された廃プラスチックから、原料の受入れ範囲を拡大した際の運転安定性及び熱分解油性状への影響を把握し、廃プラスチック原料多様化の実証を行う。 |
宏幸株式会社 | FRP(繊維強化樹脂)を原料とする風車ブレードリサイクル実証事業 | 風力発電所解体で発生する風車ブレード(羽部分)は現状焼却処理されている。本事業では、ブレード切断後の工場運搬、パウダー化及び塩化ビニル樹脂との混錬成形プロセスによって、敷板・トタン屋根代替品等の合成樹脂建材へのリサイクルプロセスを実証する。 |
三菱鉛筆株式会社 | 筆記具に由来するプラスチック等の回収・再資源化による省CO2化実証事業 | 実証事業者が自ら販売したペン(ボールペン、マーカー等)を回収して再びペンの原材料として用いる「水平リサイクル」の実証を行う。回収・輸送・再資源化それぞれの工程において設定した技術的課題に対する目標を達成するとともに、CO2排出量の削減効果を検証するための実証を行う。 |
三菱ケミカル株式会社 | ポリカーボネートの高度ケミカルリサイクルプロセス実証事業 | ポリカーボネート樹脂(PC)のリサイクル比率向上の為に、マテリアルリサイクルに適用できない不純物や劣化部を含む低品質の廃PCを原料とし、分解によって得られたリサイクルモノマーを高品質のPC樹脂に再生する高度ケミカルリサイクルプロセスの実証を行う。 |
連絡先
環境省 環境再生・資源循環局 総務課リサイクル推進室
- 代表
- 03-3581-3351
- 直通
- 03-5501-3153
- 室長
- 水谷 勉 (内線 5225)
- 室長補佐
- 山崎 寿之 (内線 5229)
- 室長補佐
- 持田 雅宏 (内線 5227)
- 担当
- 倉石 真純 (内線 5234)
- 担当
- 土金 直樹 (内線 5243)