報道発表資料

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2025年07月25日
  • 地球環境

国連持続可能な開発のためのハイレベル政治フォーラム(HLPF2025) 開催結果について

1.     2025年7月14日から23日にかけて、アメリカ・ニューヨークの国連本部で「持続可能な開発のためのハイレベル政治フォーラム(The 2025 High-Level Political Forum on Sustainable Development :以下「HLPF2025」という)が開催されました。このフォーラムは、国連が主催する持続可能な開発目標(SDGs)の進捗状況をレビューするものです。

2.     2025年7月22日に行われたスペシャルイベント「気候変動とSDGsのシナジー強化による2030年に向けた加速的取り組み」に、土居環境省地球環境審議官が出席し、当該スペシャルイベントのハイレベル開会セッションで、昨年3月の第6回国連環境総会(UNEA6)で日本が提案し採択された「シナジー促進決議」に即して、様々な取組を進めながら世界をリードしていく決意をあらためて表明しました。

■ HLPF2025の結果概要について

(1)   日時 2025年7月14日 から 同年7月23日 
        閣僚級会合は2025年7月21日から23日
(2)    会場 国連本部(アメリカ合衆国・ニューヨーク)
(3)    テーマ
  「誰一人取り残さない持続可能な開発のための2030アジェンダとSDGsのための持続可能で包摂的かつ科学と証拠に
  基づいた解決策の推進 」
(4)    概要 
          HLPFは、2015年9月、国連サミットにおいて採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」文書におい
         て、同アジェンダの実施状況を世界的にレビューする場と位置づけられており、毎年、SDGsの17のゴールから複
         数の分野を選んで実施状況のフォローアップが行われています。 今回HLPF2025では、SDG3(保健)、SDG5(ジェ
         ンダー)、SDG8(成長・雇用)、SDG14(海洋資源)、SDG17(実施手段)についてレビューされました。
        また、日本は4年ぶり3回目となるVNR(自発的国家レビュー)を報告しました。
         会合最終日には閣僚宣言が採択されました。
 
なお、HLPF2025の詳細については、外務省のHPを併せて参照下さい。
  https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/effort/index.html#hlpf

■ HLPF2025 スペシャルイベント

-気候変動とSDGsのシナジー強化による2030年に向けた加速的取り組み -
(1) 日時 2025年7月22日 10:00~13:00 (現地時間)
 (2)     会場 国連本部 カンファレンスルーム11
 (3)     主催 国連経済社会局(UNDESA)、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)
 (4)     日本政府登壇者 環境省 土居地球環境審議官
 (5)    スペシャルイベント概要 
 2019年以降、国連経済社会局(UNDESA)と国連気候変動枠組条約(UNFCCC)は、「パリ協定とSDGsのシナジー強化に 関する国際会議」の開催等を通じて、世界の様々な課題に対処するため気候とSDGsのシナジーを推進する取組を主導してきました。この取組の一環として、専門家グループによる「気候とSDGのシナジーに関する第3次グローバル・レポート」が9月に発表される見込みです。これに先立ち、本年5月に開催された「第6回パリ協定とSDGsのシナジー強化に関する国際会議」*1の成果を反映した3つのテーマ別補足レポートが本イベントにて公表されました。
土居地球環境審議官からは、昨年3月の第6回国連環境総会(UNEA6)*2において日本から提案し採択された「シナジー促進決議」を紹介し、日本が先頭に立ってシナジーの強化の取組を引き続きリードしていく意思を明確にしました。
また、日本の環境技術である「福岡方式」*3の事例を紹介するとともに、シナジーに関する優良事例の収集・共有について多くの国や機関との連携を積極的に進め、本年12月の第7回国連環境総会(UNEA7)や、「アジア太平洋シナジーレポート」*4等を通じ、発信していく考えを表明しました。

■ 国、国際機関、研究機関との意見交換

土居地球環境審議官は、UNDESA、国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)、オマーン国、イスラエルの関係大臣等との会談を実施し、シナジー推進に向けた連携の強化を含め、各国・関係機関との協調を確認しました。また、環境省より環境研究推進費を拠出し協働している慶應義塾大学におけるKeio STARが主催する「Beyond SDGsに関する非公式ラウンドテーブル」にも参加、SDGs達成へ向けた社会変革のテコとツールとして、「クールビズ」の施策を紹介しました。

(参考*1)
「第6回パリ協定とSDGs のシナジー強化に関する国際会議」の結果について
(令和7年6月3日(火)環境省報道発表)
 https://www.env.go.jp/press/press_04940.html

(参考*2)
「第6回国連環境総会(UNEA6)」の結果について、の項目2.「シナジー・協力・連携の国際環境条約及び他の関連環境文書の国内実施における促進に関する決議(コスポンサー:フィジー共和国、カナダ、チリ共和国、スイス連邦、ノルウェー王国、ペルー共和国)」
(令和6年3月4日(火)環境省報道発表)
 https://www.env.go.jp/press/press_02819.html

(参考*3)福岡方式(準好気性埋立)
「福岡方式」として知られる埋立て技術「準好気性埋立構造」は、1970 年代に福岡市と福岡大学が共同で開発し、実用化された。埋立地の底部に浸出水集排水管を敷設して外気を取り込むことにより、悪臭や温暖化効果の高いメタンガスの発生を抑え、埋立地の早期安定化を可能とする環境負荷の低い廃棄物処分場の工法。

(参考*4)アジア太平洋シナジーレポート
2024年に開催された「国連気候変動枠組条約第29回締約国会議(COP29)」のサイドイベントにおいて浅尾環境大臣により同レポートの作成・公表に向けた構想を表明。2025年の「第12回持続可能な開発に関するアジア太平洋フォーラム(APFSD)」のサイドイベントで正式始動。国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)、アジア開発銀行(ADB)などと協力しながら準備を進めている。2026年のESCAP閣僚級会合で発表、さらには来年のHLPFなどの関連会合で発信予定。

連絡先

環境省地球環境局国際連携課
代表
03-3581-3351
直通
03-5521-8243
課長
内藤 冬美
課長補佐
浜 一朗
調査員
伊喜 憲明
調査員
中根 宏
担当
阿部 優季奈