報道発表資料

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2008年06月05日
  • 自然環境

知床世界自然遺産地域の保全状況に関する調査報告書の送付について(お知らせ)

 平成20年2月に行われた、世界自然遺産「知床」の保全状況に関する調査の報告書がユネスコ世界遺産センターより日本政府に送付されました。
 本報告書では、多様な主体の参画と科学的知見に基づいて行われている知床の保全管理を賞賛するとともに、今後の助言として、包括的な遺産管理計画の策定、河川工作物改良の継続、エコツーリズムの推進、気候変動に関する戦略の策定など17項目の勧告が盛り込まれています。
 知床の保全状況報告については、本報告書を基に7月にカナダのケベック市で開催される第32回世界遺産委員会において取り扱われる予定です。

1.経過

 世界自然遺産「知床」については、平成17年7月に世界遺産一覧表に記載された際、世界遺産委員会より海域の保全状況等について評価するための調査団を招くこと等が求められていました。
 このため、平成20年2月19日(火)~22日(金)にユネスコ世界遺産センター及びIUCN(国際自然保護連合)による保全状況に関する現地調査が行われましたが、今般、調査の結果をとりまとめた報告書がユネスコ世界遺産センターより日本政府に送付されました。

2.報告書の概要

 本報告書では、知床の保全について、平成17年の世界遺産委員会とIUCN(国際自然保護連合)の技術評価書における勧告に対して、日本は良好な進捗を遂げているとしています。また、地域社会や関係者の参画によるボトムアップアプローチによる管理と、科学委員会及び各ワーキンググループの設置を通した科学的知見に基づく遺産の管理を賞賛するとともに、他の世界自然遺産地域の管理にとってのモデルとなると評価しています。
 海域の管理とサケ科魚類の管理など今後も引き続き対応をしていくべき課題についても、建設的かつ効果的な方法で取組を進めており、これらの努力を継続し、推進させることが大切であるとしています。また、包括的な遺産管理計画の策定、河川工作物改良の継続、エコツーリズムの推進などに関して、今後の知床の保全管理に対する助言として17の勧告が記載されています。なかでも、気候変動の影響に関して注意深く観察していくこと、将来の気候変動による影響を最小限にするための戦略を作ることが重要であるとされています。
 報告書と仮訳は別添のとおりです。

3.今後の予定

 本報告書の送付を受け、政府としては、高い評価を得た管理の枠組みでの取組を継続・推進し、世界遺産一覧表記載時の勧告と今回の勧告を踏まえ、知床世界自然遺産地域の適切な保全に努めていく旨のコメントを出す予定です。なお、コメントについては、発出後に釧路自然環境事務所のホームページに掲載させていただきます。
 知床の保全状況の最終的な評価は、平成20年7月2日(水)~10日(木)にカナダのケベック市で開催される第32回世界遺産委員会において、本報告書を基に決定される予定です。委員会では、「既記載遺産の保全状況報告」という議題において、127ある物件のうちの1つとして取り扱われます。

添付資料

連絡先
環境省自然環境局自然環境計画課
直通:03-5521-8274
課長:渡邉綱男(内線6430)
課長補佐:吉中厚裕(内線6435)
担当:岡野隆宏(内線6477)

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