報道発表資料
今回のワークショップは、自治体が地球温暖化対策を自主的に実施することを目的として昨年10月の第3回気候変動に関する世界自治体サミット(埼玉サミット)で発足した「アジア・気候変動防止都市(CCP)キャンペーン」を推進するため開催されたものである。
ワークショップでは、各国の自治体の取組について熱心に意見や情報の交換が行われ、最終日の21日には、
1) | 「アジア・CCPキャンペーン」を「アジア太平洋・CCPキャンペーン」に発展させていくこと |
2) | ICLEI日本事務所は、「アジア太平洋版行動計画策定ガイドライン」を来年3月までに策定すること |
3) | 各自治体が地域行動計画を策定する上で必要な能力の向上を図るためのワークショップを今後開催していくこと |
環境庁では、今回のワークショップを通じて、地球温暖化対策を進める上で地方自治体による取組が非常に重要であることを改めて認識。今回のワークショップの結果は、今後、アジア太平洋地域を中心とした各国の自治体において温暖化対策を推進するための良い促進策となるものと評価。このため、引き続き内外の自治体の自主的取組への支援方策の充実を検討していく考え。
1.開催趣旨
アジア地域は、人口増と都市化、工業化が著しく、温室効果ガスの排出量が急増していることから、本格的な地球温暖化防止対策の実施が迫られている地域である。
昨年10月に埼玉県とICLEIの主催により開催された「第3回気候変動に関する世界自治体サミット」(埼玉サミット)において、アジア地域の自治体による地球温暖化対策を推進するために「アジア・CCPキャンペーン」が発足した。このキャンペーンに参加した自治体は、温室効果ガスの排出削減目標を含む「行動計画」を策定し、実施することが必要となる。
CCPアジアキャンペーンワークショップは、内外のアジア・CCPキャンペーンに参加した自治体、ICLEI会員自治体等を対象として、アジア・CCPキャンペーンの周知・普及を図るとともに、ワークショップの議論等を踏まえてアジア版自治体行動計画策定ガイドラインを作成すること等により、アジア地域の自治体における行動計画の策定及び実施の促進を図ることを目的として開催された。
2.開催日時及び開催場所
平成8年11月19日(火)~21日(木)
埼玉県大宮市 大宮ソニックシティ
3.実施主体
主催:埼玉県、国際環境自治体協議会(ICLEI)、環境庁
後援:外務省、彩の国さいたま環境推進協議会
4.参加者
アジア太平洋地域等の40の自治体(うち海外から9自治体)の地球温暖化防止に係る行動計画の策定責任者等約90名が出席した。
なお、加藤三郎ICLEIアジア太平洋事務局・日本事務所長が議長に選出された。
○ 国内の自治体 31
愛知県、千葉市、藤沢市、福島県、群馬県、本庄市、兵庫県、茨城県、鎌倉市、神奈川県、
春日部市、葛飾区、川口市、越谷市、熊谷市、熊本市、熊本県、京都市、京都府、武蔵野市、
名古屋市、桶川市、大宮市、相模原市、埼玉県、志木市、静岡県、庄和町、徳島県、浦和市、
与野市(ABC順)
○ 海外の自治体 9
安山(韓国)、バンコク(タイ)、ベルリン(ドイツ)、ハミルトン(ニュージーランド)、
ハノイ(ベトナム)、クアラルンプール(マレーシア)、ムンバイ(インド 旧名ボンベイ)、
瀋陽(中国)、スバ(フィジー)(ABC順)
○ その他
・ICLEI世界事務局、アジア太平洋事務所
・環境庁(田中健次企画調整局長他、環境研修センター)
・日本のNGO(埼玉県信用保証協会、アースデイ日本・東京連絡所、市民フォーラム2001)
・韓国地方自治団体国際化財団
5.ワークショップの概要(詳細 別紙参照)
(1)地球温暖化フォーラム-ストップ地球温暖化、地球市民の挑戦-(セッション1)
初日(19日)の午前、埼玉県民各層が地球温暖化の現状とその対策について考える機会を提供するため、公開講演会「地球温暖化フォーラム-ストップ地球温暖化、地球市民の挑戦-」が開催され、500名以上が参加した。
(2)CCPキャンペーンの現状とアジア太平洋版行動計画策定ガイドライン(案)についての討議
(セッション2、3)
CCPキャンペーンの現状やアジア太平洋版行動計画策定ガイドライン等についての説明に基づき、意見交換が行われた。CCPキャンペーンは自治体の地球温暖化対策を推進する上で重要であることが確認され、また、既存のCCPツールキットや今後作成されるアジア太平洋版行動計画策定ガイドラインは各国の自治体で地域行動計画を策定する上で有用であり、今後、より簡易なツールキットの開発が望まれること等が提言された。
(3)技術的事項についての討議(セッション4)
温室効果ガス排出量の把握、再生可能エネルギー、省エネルギー及び適応戦略等に関する技術的事項について、埼玉県、瀋陽市、クアラルンプール、熊本市、ハミルトン市、スバ市等から発表や発言があった。地域の行動計画の策定、石炭燃焼施設の管理、交通システムの改善、水力発電やごみ発電、率先実行計画、グリーン購入ガイドライン、メタン対策、住宅の環境診断、環境教育等の事例が紹介され、熱心な情報交換が行われた。
(4)今後の行動計画(セッション5)
今後の行動計画について、
・ | アジア・CCPキャンペーンへのアジア太平洋地域の自治体の参加を活発に呼びかける こと、そのためには中央政府の理解と協力が非常に重要であること |
・ | 米国環境保護庁や日本の環境庁が実施し始めた国内の自治体向けの各種の支援のような 施策 を最大限有効に活用すべきこと |
・ | トレーニングやワークショップ等による能力向上や技術移転、共同実施活動(AIJ) 等による民間セクターとの協力が重要であること |
・ | アジア太平洋地域における気候変動対策への地域行動計画のためのガイドラインの案に 対して更にコメントを求め、それに基づき必要な修正を行い最終版を来年3月までに作成 すること |
・ | 地域行動計画を策定する能力を向上させるためのワークショップを開催すべきこと |
・ | アジア・CCPキャンペーンをアジア太平洋・CCPキャンペーンに発展させること。 |
等が提言された。
*「CCPキャンペーン・ワークショップ アジェンダ」については添付ファイル参照。
*「CCPキャンペーン・ワークショップ」の結果概要・議長サマリー
(日本語、英語)は、5,2 データライブラリに登録しています。
添付資料
- 連絡先
- 環境庁企画調整局地球環境部環境保全対策課
課長:小林 光(内線6740)
温暖化国際対策推進室
室長:鈴木 克徳(内線6741)
係長:中尾 豊 (内線6738)
担当:岩佐 健史(内線6763)
山中 昌史(内線6738)