報道発表資料

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2007年05月30日
  • 地球環境

「開発途上国の開発ニーズ志向のコベネフィッツ型温暖化対策・CDMの実現に向けて」の公表について

環境省は、海外環境協力センター(OECC)に調査事業を委託し、JBIC、JICA等の協力を得て、途上国の開発政策、公害対策と温暖化対策との一体的取組を推進するための方策等を検討し、「開発途上国の開発ニーズ志向のコベネフィッツ型温暖化対策・CDMの実現に向けて」と題する報告書を取りまとめましたので公表いたします。

1.背景

 コベネフィッツ(相乗効果)型温暖化対策・CDMとは、温暖化対策やCDMプロジェクトを実施し、同時に、途上国の開発のニーズを満たすことのできる取組を指します。経済社会開発が重大な関心事である途上国において、開発ニーズの充足を温暖化対策に取り入れることにより、より主体的な対策への取組を促進することができます。
 環境省は、海外環境協力センター(OECC)に調査事業を委託し、JBIC、JICA等の協力を得て、途上国の開発政策、公害対策と温暖化対策との一体的取組を推進するための方策等を検討し、「開発途上国の開発ニーズ志向のコベネフィッツ型温暖化対策・CDMの実現に向けて」と題する報告書を取りまとめました。

2.報告書の概要

 報告書では、コベネフィッツ型温暖化対策・CDMが今後の途上国に対する温暖化対策支援のアプローチとして有益であり、これに基づいた既存の取組の強化を図ることを提案し、このための具体的なアクションとして以下の6つのアクションを取ることが重要だとしています。

(1)開発ニーズの抽出
コベネフィッツ型温暖化対策・CDMの活動分野として、我が国の開発援助政策の枠組み(ODA大綱、中期政策、国別援助計画等)で抽出された途上国の開発目標を参考とする。
(2)温暖化対策での既存の支援スキームの充実化
 コベネフィッツ型温暖化対策・CDMを促進するために、キャパシティ・ビルディング、温暖化対策事業化支援等の既存スキームの充実化を行う。
(3)開発援助での既存の支援スキーム・政策ツールの充実化
 開発援助活動の中で広く使われている、環境対策を促進する政策・資金スキームや、環境社会配慮ガイドライン等、既存の政策ツールを地球温暖化対策推進の観点から充実化することが望ましい。
(4)開発援助と温暖化支援との連携
 開発援助活動においては、地球温暖化対策の視点も配慮に入れながら重点分野の課題克服が促進されるための取組が期待される。また、キャパシティ・ビルディング等の基盤整備や、ODAとCDMの連携も検討する。
(5)グッドプラクティス・ガイダンス等の作成
 コベネフィッツ型温暖化対策・CDMの普及を促進するため、過去の好事例をまとめたグッドプラクティス・ガイダンスの作成を行う。また、コベネフィッツに関心を持つ民間事業者が参考にしやすいコベネフィッツの基準や枠組みを作成する。CDMについては、ベースライン及びモニタリング方法論について抽出を行う。
(6)定量的・定性的評価手法の開発
 温暖化対策・CDMを通じて実現されるコベネフィッツの定量化評価・定性的評価を行うための手法の開発を行う。

3.報告書の全文

 別添を御参照下さい。

添付資料

連絡先
環境省地球環境局地球温暖化対策課国際対策室
直通:03-5521-8354
 代表:03-3581-3351
 室長 : 和田 篤也(6772)
 補佐 : 近藤 亮太(6769)
 担当 : 安田 將人(6796)

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