報道発表資料

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1997年06月20日

沖縄県豊見城村地先公有水面埋立てについて

沖縄県島尻郡豊見城村字与根地先における臨空港型産業用地、住宅・学校等用地、都市開発関連用地、道路用地等の整備のために行われる公有水面の埋立てについて、公有水面埋立法第47条第2項の規定に基づき、建設大臣より環境保全上の観点よりの意見照会があったことから、平成9年6月20日付けで、航空機騒音対策、水質保全対策及び生物の生息環境の保全に関する環境庁長官意見を提出する。

【環境庁長官の意見】

1.本埋立計画地は那覇空港の航路直下に位置し、航空機騒音による影響が予測される地域であることにかんがみ、今後の那覇空港の運用については、当該計画地及びその周辺地域の騒音の悪化をきたさないよう関係機関に対して要請するとともに、当該計画地の利用に当たっては生活環境の保全に万全を期するため、関係機関と調整の上、次の措置を講じる必要がある。

(1)本埋立地の都市計画の決定に際しては、航空機騒音の状況から75WECPNLを超える区域には住居系以外の用途を指定し、それ以外で70WECPNLを超える区域には、住居の用に供される用途(第1種低層住居専用地域、第2種低層住居専用地域、第1種中高層住居専用地域及び第2種中高層住居専用地域)の指定は行わないものとすること。

(2)今後、本埋立地の住宅用地の分譲募集、公共住宅等の入居募集等を行うに際し、当該地域の航空機騒音の状況について十分な説明を行うとともに、公共住宅等の建設予定者には、防音上有効な構造・設備の採用につき指導等を行うこと。
   また、本埋立地に建設される学校等については、必要に応じて十分な防音工事を施すなど、生活環境保全上、最大限の措置を講じること。

2.報得川河口部前面の一部海域では水質環境基準が超過していること、本埋立事業の実施に伴う干潟の一部消失によって周辺海域の自浄能力が低下するおそれがあること、及び本埋立事業により形成される水路部は、背後地域から流入する水質汚濁負荷の影響を特に受けやすいことから、当該海域の水質保全に最善を尽くす必要がある。
  このため、水質予測の前提とした「報得川流域における環境改善事業計画」や「豊見城村農業集落排水施設整備事業計画」に基づく下水道等の着実な整備の促進及び適正な維
持管理の徹底を図ることにより、背後地域から流入する水質汚濁負荷を極力削減する必要がある。
  さらに、工事中から埋立地の利用時を通じて、計画的かつ定期的な水質監視を行い、その結果を踏まえて、所要の措置を速やかに講じる必要がある。

3.本埋立計画地及びその周辺海域は、渡り鳥を始めとする多様な生物の良好な生息環境を形成しているが、本事業により干潟が部分的に消失すること等から、これらの生物の生息環境の保全に万全を期すため次の措置を講じる必要がある。

(1)本埋立事業が生物の生息環境に及ぼす影響について、埋立工事中及び埋立後において、干潟等の継続的な調査・監視を十分行うとともに、必要に応じ専門家の指導、助言を得て適切な措置を講じること。
   特に鳥類の調査については、漫湖等の渡り鳥の渡来地を含めた広域的観点から種類、個体数、餌の状況等について把握すること。

(2)海浜緑地、地区公園等の整備に当たっては、専門家の指導、助言を十分に踏まえ、  樹種・植栽密度、施設の配置等に配慮して、本地域に生息する生物の生息環境の確保に努めるとともに、適切な維持管理を行うこと。

*事業概要については、添付ファイル参照。

添付資料

連絡先
環境庁企画調整局環境影響評価課環境影響審査室
室  長:寺田 達志(内線6231)
 審査官:辻   祐司(内線6236)