報道発表資料
循環型社会の形成に向けたエコ・コミュニティ事業(平成18年度循環型社会形成実証事業)については、全国から81件の応募があり、審査の結果7件の事業を採択した。
1.事業の経緯及び目的
大量生産、大量消費、大量廃棄型の社会の在り方や国民のライフスタイルを見直し、社会における物質循環を確保することにより、天然資源の消費が抑制され、環境への負荷の低減が図られた「循環型社会」を形成するため、平成12年6月に循環型社会形成推進基本法が公布され、平成15年3月には同法に基づく循環型社会形成推進基本計画が閣議決定されました。同計画は、循環型社会の形成に関する施策を総合的かつ計画的に推進するものであり、循環型社会のイメージや具体的な目標を定めるとともに、その達成に向けて、国民、NGO・NPO、事業者、地方公共団体、国等の各主体が相互に連携を図りつつ、積極的な取組を推進していくことを求めています。
このため環境省では、NGO・NPOや事業者が地方公共団体と連携して行うリデュース、リユース、リサイクルやグリーン購入などの循環型社会の形成に向けた取組で、他の地域のモデルとなるような創意工夫に優れた事業を公募し、実証事業として実施することにより、循環型社会の形成に向けた地域からの取組を促進することとし、平成15年度より本事業を開始しました。
平成18年度は、1月27日(金)から3月17日(金)にかけて事業を募集し、全国から81件の応募があり、外部学識経験者による審査の結果7件の事業を採択しました。
2.審査の概要
- 応募件数:
- 81件
- 採択件数:
- 7件
- 公募期間:
- 平成18年1月27日(金)~3月17日(金)
3.採択事業の概要
今年度の採択事業の概要については以下のとおり。
事業名 | 業主体 | 事業概要 |
---|---|---|
産学官民連携による「いわきファイバーリサイクルモデル」構築事業 | 特定非営利活動法人 ザ・ピープル (福島県いわき市) |
古着のリユース・リサイクルを支える企業、行政、市民団体などが参画する「ファイバーリサイクルサポーター」の制度を通して、市民団体が中心となった地域一体でのファイバーリサイクルの高度化を実現させ「いわきモデル」を構築する。 |
食品トレーリサイクル新庄方式地域拡大・鶴岡実証事業 | 株式会社 ヨコタ東北 (山形県新庄市) |
スーパーマーケット等を拠点として、使用済み食品トレーを回収し、不適切混入の有無を確認・色分け等を行った上で、新庄市にある再資源化施設でトレー製造原料であるペレットに加工し、ペレットからトレーを製造する。また、漁箱等の発砲スチロールについて、減容化処理を行い、トレーと同様にペレットに加工を行う。 事業の周知啓蒙等を行うとともに、調査、分析等を行い、本格実施への課題等を明確にする。 |
地場産バイオガスプラントによる住民参加型生ごみ資源化事業 | 特定非営利活動法人 小川町風土活用センター (埼玉県小川町) |
家庭生ごみのバイオガス資源化実験の成果を踏まえ、町内500世帯規模の「地場産バイオガスプラント」を運用し、施設の規格化と事業ノウハウの確立を図るとともに、その知見を広く普及する。 |
東京都内における720ml等ガラスびんの統一リユースシステム構築モデル事業 | 社団法人環境生活文化機構 (東京都港区) |
東京都内において、販売店、自治体、びん商等と協力し、720ml等ガラスびんのモデル事業(充詰、流通、回収、洗浄、再使用)を実施 また、ポスター・パンフレットを作成して広報活動やリターナブルびんに対する意識調査を行い、今後の課題と展開についてとりまとめる。 |
ひょうごスプリングマットレスのリサイクルシステム実証事業 | ひょうごエコタウン推進会議 (兵庫県神戸市) |
協力する自治体、事業組合、販売店より、スプリングマットレスを回収し、減容作業(減容手段2方式の比較検討)を実施し、転炉に投入して、鉄と高カロリーガスを回収するモデル事業を実施。 事業の課題を検証するとともに、スプリングマットレスのリサイクルの必要性について普及啓発を行う。 |
地域におけるリユース拠点「くるくるショップ」づくりとそれに伴うごみ分別回収体系整備事業 | 特定非営利活動法人ゼロ・ウェイストアカデミー (徳島県上勝町) |
上勝町における「ごみの34分別」の収集拠点である日比ヶ谷ごみステーションに「くるくるショップ」を設置し、リユース商品を販売するとともに、商品開発及びそれに係る情報発信を行う。 また、くるくるショップが有効に機能するよう、現在のリサイクルを前提としたごみの分別収集体制についてリユース促進に資するような見直しを提案する。 |
道後いで湯資源再活用事業 | 特定非営利活動法人 アジア・フィルム・ネットワーク (愛媛県松山市) |
道後地域の地域性を踏まえて、循環型社会を形成していく上での課題と利点を整理し、「いで湯の町」の特徴を活かすため、「いで湯資源再活用ワークショップ」の開催や「風呂敷デザイン博」を開催する。 |
4.今後の予定
今回採択した事業については、年度末時点での事業の状況を評価した上で、その活動状況を循環型社会白書等を通じて広く一般に周知していく予定です。
- 連絡先
- 環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部企画課循環型社会推進室
直通03-5521-8336
課長 紀村 英俊(6811)
補佐 小澤 孝行(6820)
担当 中島 靖史(6819)