報道発表資料
このため、環境省、厚生労働省及び経済産業省は、本日付けで化審法第3条第4項の規定に基づき当該確認を取り消すとともに、同社及び本件に関与したチッソ株式会社に対し法令遵守の徹底及び再発防止に向けた対応について指導を行いました。
1.事実関係
中村科学器械工業株式会社は、液晶の原料として用いられる新規化学物質に関し、同社が受けた化審法第3条第1項第5号の規定に基づく確認(以下「少量新規確認」という。)に係る輸入可能数量(平成18年度、600kg)を超えて、平成18年4月から5月にかけて計1140kgを輸入していました。これは、化審法第3条第1項の違反(製造等の届出に係る違反)に当たります。
なお、当該輸入は、化審法第4条の2第4項の規定に基づきチッソ株式会社が当該物質に関して受けた確認(低生産量確認)に係る通知書を、中村科学器械工業株式会社が借り受けることにより行われていました。しかしながら、化審法の確認に基づく新規化学物質の製造・輸入は当該確認を受けた者に対してのみ認められるものであり、確認の通知書を他者との間で貸与・借用することは認められません。
上記の輸入可能数量を超えての輸入は、一連の輸入の審査窓口となった門司税関の指示により、中村科学器械工業株式会社が経済産業省に対し当該行為の妥当性について照会を行ったことから発覚しました。また、中村科学器械工業株式会社は、化審法を所管する当省、厚生労働省及び経済産業省(以下「3省」という。)から「当該輸入には違法性がある」旨の指摘を受け、輸入の経緯等について3省の調査を受けていた最中であったにもかかわらず、同社の少量新規確認に係る輸入可能数量600kg分がなお利用可能であるとの誤った解釈により、平成18年6月、再度当該物質380kgを輸入しました(再度、化審法第3条第1項の違反に該当)。
なお、上記化審法違反に該当する当該物質の一連の輸入については、全体数量として見ればチッソ株式会社が受けた低生産量確認に係る輸入可能数量の範囲内であり、環境を経由した人及び動植物への影響が生ずるおそれは無いものと考えられます。
2.本件に係る3省の対応
3省は、両社に対して化審法第32条第1項の規定に基づく報告を求めること等により、上記の事実関係等について確認しました。
中村科学器械工業株式会社に対しては、平成18年7月19日、行政手続法に基づく聴聞を行い、その結果を踏まえ本日付けで、化審法第3条第4項の規定に基づき当該物質に係る少量新規確認を取り消しました。さらに、3省は両社に対し、法令遵守の徹底及び再発防止のための化学物質管理体制の整備等を行うよう指導しました。
(参考)今回の違反事案に係る化審法関係規定の概要
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- 連絡先
- 環境省総合環境政策局環境保健部環境保健企画管理課化学物質審査室
室長 森下 哲(内線6309)
補佐 大井 通博(内線6324)
担当 坂西 義史(内線6314)