報道発表資料

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1997年06月13日

APEC持続可能な開発に関する環境大臣会合の結果について

平成9年6月9日~11日、カナダのトロントにおいて、カナダ政府の主催により、APEC持続可能な開発に関する環境大臣会合が開催された。
会合では、APECにおける持続可能な開発の実現に向け、一層の取組を推進することを内容とした閣僚共同声明が採択された。
我が国からは、鈴木恒夫環境政務次官、石原伸晃通商産業政務次官、田邊敏明地球環境担当大使らが出席した。

1. 開催概要
{1} 開催日:平成9年6月9~11日
{2} 開催地:トロント(カナダ)
{3} 出席者:APEC全18メンバー(国、地域)から環境担当大臣、副大臣等が参加した。また、イスマイール・ラザリ国連総会議長も参加した。

2. 会合の概要・結果

(1) 大臣スピーチ各メンバーの代表によるスピーチが行われた。鈴木環境政務次官は、我が国がアジア・太平洋地域の持続可能な開発に向けての取組を一層強化していくことを紹介し、本会合が国連環境開発特別総会及び地球温暖化防止京都会議の成功に向けた強いメッセージを出すこと及び、APEC首脳会合においても京都会議を支援するメッセージを出すよう各メンバーのリーダーに働きかけることを提案した。また、真に地球温暖化防止上効果があり、かつ公平で実行可能な内容の法的文書が採択されるよう、京都会議の開催国として最大限の努力を行うことについて発言した。石原通産政務次官からは、環境関連産業を21世紀に向けた我が国経済の原動力となるリーディング・インダストリーの一つとして位置付け、その発展のための施策の検討を開始したことが紹介された。また、本地域の多様性に配慮して、様々な側面からのバランスのとれたアプローチが地球環境問題の議論にも大きく貢献するものであると発言がなされた。

(2) テーマについての議論
 海洋環境の持続可能性、クリーナープロダクション及び持続可能な都市の各テーマにつき、これまでの進捗状況の報告と今後の進め方に係る討議が行われた。海洋環境の持続可能性戦略及びクリーナープロダクション戦略が承認された。また、持続可能な都市にかかる行動計画が策定され、本計画に基づいて各メンバーが行動していくことが支持された。

(3) 青年との対話、産業界・地方自治体との対話
サイドイベントとして行われた、持続可能な都市をテーマとする青年会議及びビジネスリーダー・地方自治体フォーラムから提出された提言に関し、説明・質疑が行われ、今後ともこうしたインプットを促進していくことが合意された。

(4) FEEEP
FEEEP(食糧、エネルギー、環境、経済成長、人口の相互に関係する長期的課題)へ環境面からのインプットをどのように行っていくかについて議論された。今後ともこうした取組の重要性を認識し、積極的に関与していくことが合意された。

(5) 環境的に持続可能な成長の促進
 昨年のスービックでの首脳会合の宣言で示されている、APECの環境的に持続可能な成長の促進をいかに実行に移していくか、特にそのメカニズムについて議論が行われた。
当面は、現状の機構の下、関係フォーラムの連携を強めていくことにより対応することが合意された。

3.閣僚共同声明

議論の成果等を踏まえ、共同声明が発出された。(抄訳別紙)

主な内容は以下のとおり。
・ 2003年までにローカルアジェンダ21の実施都市を現在の2倍にするよう取り組むこと。
・ クリーナープロダクション実施の重要分野として農業分野を定め、クリーナープロダクション戦略を適用するために関連フォーラムを招待する。
・ FEEEPプロセスに積極的に参加していく。
・ 国連環境開発特別総会の成功を強力に支援すること。
・ APECメンバーの首脳が、地球温暖化防止京都会議の成功と気候変動枠組条約の目標の達成を支持する強力なメッセージを出すよう提案。

添付資料

連絡先
環境庁企画調整局地球環境部企画課
課長:岡澤和好(6731)
 補佐:徳田博保(6721)
 担当:新田  晃(6755)