報道発表資料

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2006年05月29日
  • 保健対策

局地的大気汚染の健康影響に関する疫学調査幼児症例対照調査研究計画書の公表について

 環境省では、幹線道路沿道における局地的大気汚染と呼吸器疾患との関係について解明するため、関東・中京・関西の3大都市圏の幼児約10万人を対象として、平成18年夏から幼児症例対照調査を開始します。この度、本調査計画書を取りまとめましたので公表いたします。
 この調査は、平成17年度から実施している幹線道路住民を対象とした大規模な疫学調査「局地的大気汚染の健康影響に関する疫学調査-そら(SORA)プロジェクト-」の一環として行うもので、平成22年度まで実施する予定です。

そら(SORA)プロジェクトの「そら(SORA)」はStudy On Respiratory disease and Automobile exhaust(自動車排出ガスと呼吸器疾患との関連についての研究調査)の頭文字をとったものです。

1.幼児症例対照調査の調査研究計画の概要

 そら(SORA)プロジェクトでは、学童(小学生)、幼児及び成人を対象として複数の疫学調査を実施する予定であり、既に平成17年度から学童を対象とした追跡調査(学童コホート調査)(https://www.env.go.jp/chemi/sora/)を実施しています。平成18年夏からは幼児を対象とした症例対照調査を開始する予定としており、その調査研究計画が別添1の委員会における検討を経て、取りまとめられました。
 調査研究計画の概要は以下のとおりであり、調査研究計画書は別添2のとおりです。

(1) 調査の基本デザイン

 関東、中京、関西の3大都市圏の約10万人の幼児について1歳6か月児健診及び3歳児健診にあわせて健康状態等を自記式質問票により調査する。1歳6か月から3歳の間に新たにぜん息症状が認められた幼児を症例、認められなかった幼児を対照として症例対照調査を行い、自動車排ガスのばく露実態とぜん息の発症との関係を評価する。
 自動車排出ガスによる大気汚染物質のばく露評価については、大気汚染物質の測定結果を活用し、モデルを用いて調査対象者ごとに個人ばく露量を算出する。

 ※症例対照調査:

症例群(ケース群)と適切な対照群(コントロール群)を設定し、それぞれの群でばく露状況等を比較し、ばく露と疾病発生の関連を明らかにする疫学調査。ケースコントロールスタディとも呼ばれる。

(2) 調査地域

 自動車排出ガスのばく露が多いと考えられる集団を効率的にとらえられる地域として、「学童コホート調査」の実施地域及びその周辺地域から以下の地域を選定した。

調査対象地域 備考(主な幹線道路)
 関東  千葉市(一部) 一般国道14号・16号(一般国道357号)
世田谷区 一般国道246号、高速3号渋谷線、都道318号線(環状7号)、都道311号(環状8号)
杉並区 一般国道20号、新宿国立線、都道318号線(環状7号)、都道311号(環状8号)
板橋区 一般国道17号、高速5号池袋線、都道317号(環状6号)
横浜市(一部) 一般国道15号、一般国道16号、東名高速道路、東京大師横浜線、高速神奈川3号狩場線
川崎市(一部) 東名高速道路、東京大師横浜線、高速神奈川1号横羽線
中京 名古屋市(一部) 一般国道23号、一般国道302号、東名高速道路
関西 大阪市(一部) 一般国道43号、高速大阪東大阪線、高速大阪池田線、高速大阪守口線
神戸市(一部) 一般国道43号線、一般国道2号線、高速神戸西宮線

(3) 調査対象者

 調査地域に居住し、平成18年7月から平成20年3月(予定)に1歳6か月健診を受診する幼児(約10万人)の保護者に調査を依頼し、同意を得られた幼児を対象とする。
 同じ幼児が平成20年2月から平成22年3月(予定)に3歳児健診を受診する際にも、あらためて同意を得て調査を行う。

(4) 調査内容及びスケジュール

 調査の内容及びスケジュールは下図のとおりである。

調査内容及びスケジュール

添付資料

連絡先
環境省総合環境政策局環境保健部環境保健企画管理課保健業務室
室長 俵木 登美子(6320)
 室長補佐 近藤 恵美子(6322)
 主査 池上  良一 (6327)

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