報道発表資料

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1996年12月13日

気候変動枠組条約ベルリンマンデート・アドホックグループ(AGBM)第5回会合の最終日の概要等について

  1. 現地12月12日昼、昨日、時間不足で中断となった議題(5)「議定書その他の法的な文書の可能な形式」について討議した。また、夕方、議題(6)「会合報告」を行い、結論文書の中核部分について合意するとともに、結論文書の作成を副議長に委ねることとすることについて了承され、予定より一日早く、全日程を終了した。
  2. 一方、科学上及び技術上の助言に関する補助機関(SBSTA)第4回会合が16日~18日に開催され、附属書[1]国の通報の準備に係るガイドラインの改正などについて討議される。
1.議題(5)「議定書その他の法的な文書の可能な形式」について

 エストラーダ議長より、「議定書等の内容の検討と形式面の検討とは「にわとりと卵」のような関係であるが、内容が固まるまで形式面の検討を行わないのは不都合であり、それぞれの検討が互いに支え合うべき」との発言があった後、各国が参考1のとおり発言を行った。
 我が国は、日本提案には、数量的な排出抑制・削減目的(QELROS)や政策措置以外の規定もある旨指摘しつつ、COP3へ向けた時間が限られていることから、事務局に対し、AGBM第6回会合以前に全ての提案や条文案を収めた統合文書を作成するよう求めた。

 討議終了後、エストラーダ議長より、現在より一層具体的な形で意見を集約するようにとの各国からの議長に対する要請に応えるため、自分としては、次のような結論文書をまとめたいと、その骨子を口頭で紹介した。
 1 ベルリンマンデートを十分に実行する形の新しい国際約束をCOP3で結ぶべきこと、これは、非附属書[1]国に対し新しいコミットメントを導入するものではないこと。
 2 各国は、各種の提案を収めた「枠組み的集約文書」の作成を議長に求めた。この文書は各国の更なる検討の基礎となるもの。
 3 具体的な意見や条文案を1月15日までに提出すること。


2.議題(6)「会合報告」について

 議題(5)に関する討議の終了後行われた非公式の協議の結果、引き続き開かれた公式会合では、異論なく、結論文書の中核部分(参考2参照)について合意するとともに、結論文書の作成を副議長に委ねることとすることについて了承された。

 なお、閉会にあたり、エストラーダ議長より、「次回のAGBM第6回会合には、交渉に役立つことを意識した文書を必ず提出する。COP3で予定どおり国際合意がなされるとの自信を感じており、大変楽観的に考えている。」旨の締めくくりの強い発言があった。

3.邦人記者会見

 会議終了後、約40分にわたり、日本政府代表団による邦人記者会見が、国連欧州本部内で行われた。日本のNGO数名も立ち会った。

4.実施に関する補助機関(SBI)会合の結果

 12月10日及び11日に開催されたSBI第4回会合では、第2回締約国会議でSBIにおいて継続審議することとなったGEFと気候変動枠組条約とのMOU(Memorandum of Understanding)に関し、G77及び中国から締約国会議に提出された「条約の実施のために必要かつ利用可能な資金の決定」に関する附属書の修正提案につき検討した結果、既にGEFの理事会で承認されている附属書案を一部修正するよう、GEFの理事会に対し検討を求めることとなった。

5.科学上及び技術上の助言に関する補助機関(SBSTA)会合の開催

 既にお知らせしているように、SBSTA第4回会合が12月16日から18日まで開催される。(参考4参照)本会合での主たる討議事項は次のとおりである。
・IPCCとの協力について
・方法論的問題
 1長期的な作業計画
 2附属書I締約国の通報の準備に係るガイドラインの改正
・附属書I締約国の通報
・共同実施活動
・技術開発と技術移転

*参考資料については、添付資料参照。

添付資料

連絡先
環境庁企画調整局地球環境部環境保全対策課
課  長:小林  光 (6740)
 調査官:小林 正明(6760)
 補  佐:清瀬 和彦(6758)
 温暖化国際対策推進室
 室  長:鈴木 克徳(6741)
 担  当:奥山 祐矢(6739)