[参考1]各国の発言の概要とそれに対する主な反応(発表順)

国 名 発 言 の 概 要
米国
既存の締約国会合組織、事務局組織の活用、議定書の改定規定、締約国会合、履行確認措置が必要
拘束的な国際協調した政策措置についての附属書の必要性に反対
目標を拘束力のあるものとする以上、履行確保措置を厳しくすべきであるが、厳しすぎると加盟国が減ったり、目標が曖昧なものとなってしまう恐れもある
まず第1に、目標自体が客観的に測定可能であることが重要
排出量の把握手法の統一や把握の仕組みの整備、国別通報や排出目録の詳細審査等によるチェック、二国間でなく多国間での紛争処理の仕組みなどが必要
議定書等の非加盟国の扱いも考えるべき
中国
議定書に含まれる事項は枠組み条約やベルリンマンデートから外れるべきではない
様々な提案のどれがベルリンマンデートと合致するかといった視点が重要(暗にEU提案の附属書Xの考え方を批判)
各国からの提案を比較する文書の作成を議長に要請(条文案を用意することには否定的)
サモア(AOSISの代表)
AOSIS提案には、議定書の重要な要素が含まれており、参照して欲しい
手続規則を含めた全ての面で交渉を前進させることが必要
早期に枠組み文書を事務局が用意することを要請
スイス
(条約の修正ではなく、)議定書の形式が望ましい
科学的知見を取り入れていくためにもレビューメカニズムが重要
AG13と連携して作業を進めていくことが必要
ラリア
新たな約束の強度は受け入れが可能なものであることが必要
公平性の観点が重要
科学的知見や技術の進歩に伴う定期的なレビューが必要
チリ
政策措置の分類が有益で、今後採用する政策措置についてのより詳細な検討が必要
差異化に対して関心を提示




国 名 発 言 の 概 要
ナイジェリア(アフリカグループの代表)
分析報告が有益
通報等のレビューは議定書においても条約と手続を統一すべき
非附属書I国に対する新たなコミットメントを課すべきではない
アフリカは気候変動に対して脆弱であり、能力開発、通報作成等様々な分野での一層の支援が必要
ニュージーランド
条約の修正より議定書の作成の方が柔軟性が比較的高い点で優れている
事務局等については既存の条約のスキームを用いるべき
サウジアラビア
新たな議定書は既存の条約から独立したものとすべきではなく、新たな機関の設置や条約とは別のレビューメカニズムを設けるべきでない
第4条1項については、COP3以降に議論すべき
ガンビア
議定書と条約とは離婚すべきではない
各国が提案した議定書案を束ねることが議論を促進する上で重要(注)
セネガル
途上国に新たな約束を課すことは望ましくない
モントリオール議定書に関する経験等も踏まえ、議定書は条約から独立すべきではない
マーシャル諸島
AOSISは提案提出から2年間国際的決断を待っており、3月のAGBM第6回会合が今回の会合と同じ様では困る
モロッコ
財政的な仕組みについての規定を議定書に盛り込むべき
ベルリンマンデートを越える新しいアイデアについてはCOP3以降に検討すべき
カナダ
新しい約束に照らして必要となる定期的通報、新しい約束の履行状況のチェック措置が必要だが、これらは、既存の条約執行措置と連携のとれたものであるべき。
附属書は具体的なものとし、さらにその改正手続などもきちんと決めるべき
既存の事務局を最大限活用すべき
クウェート
現在AG13で検討している不履行問題の取り扱いと議定書の執行とをうまく関係づけることが有効
ブルキナ・ファソ
議定書の案文の明確化が先進国の義務の早急な履行に不可欠
フィリピン
議定書づくりを加速化し、そのために具体的に行動すべき

(注)ガーナ、イラン、ベネズエラもこれと同様の意見を表明



(参考2)
議長による結論
(環境庁仮訳)

 
 議長からの提案に基づき、ベルリンマンデート・アドホックグループは、その12月の第5回会合で、
 
(a) COP3で採択される議定書又はその他の法的文書がベルリンマンデートの条件を十分に実施すべきことを再確認するとともに、また、ベルリンマンデート・プロセスが非附属書[1]国に対する新たなコミットメントを課すものではなく、条約第4条1項の既存の約束を再確認し、第4条3項、第4条5項及び第4条7項を考慮しつつ持続可能な開発を達成するためにこれらの約束の実施を引き続き進めることを強調した。
 
(b) 締約国からの議定書案文の提案や議定書又はその他の法的文書の要素に関する締約国からのその他の提案を提案者がわかるような形で収めた、議定書の枠組みとなる文書を、事務局の支援を受けて議長が準備することを要請した。この文書は、1997年6月1日までに全ての国際連合の公用語で条文案を配布する必要があることを念頭に置きつつ、次回の第6回会合及びその後の会合において、詳細に検討されるとともに、締約国からの更なる提案のための基礎として役立つことととなる。
 
(c) 締約国が更なる提案、特に(法的)文書の条文案を収めた提案を提出することを求めるとともに、通常の例にならって、これらの提案を配布することを事務局に求めた。1997年1月15日までに受理された提案は、上記(b)で求められている議定書の枠組みとなる文書の作成において、考慮されることとなる。
 
(d) さらに、差異化の概念及び附属書[1]国に適用可能な差異化に関する基準について、多くの指標を分析、適用し、第6回の会合に際して開催されるこのテーマに関する非公式なラウンドテーブルにその結果を提出するため、議長が、関心を有する諸国とともに検討を進めるよう求めた。



(参考3)
フランス提案のポイントについて
 
 今回の各国の提案の中で、特にフランスの提案が注目されるところ、そのポイントは以下のとおり。
 
(1) 2000年以降は、先進国合計排出量の相当の削減が必要とのEUポジションに立つこと。 
 
(2) 先進国の全温室効果ガスの一人当たり排出量を2100年に1.61炭素換算トン(必ずしも決まっていない。1.6〜2.2トンの範囲か、それより低い数字となることもある。)にするべく、各国の2000年時点の一人当たり排出量を1.6トンに向け毎年同じ率で削減していくこと。
 
(3) EUバブルの中でフランスは削減分担を果たしていくが、上記のQELROSは、EUがあたかも一つの国のように行動することにより、EUとして達成すべきものとしたいこと。
 
(4) EUが全体として、このQELROSを達成するために、EU内部の各国にこのQELROSを直接当てはめるのではなく、EU各国が行わなければならない先進国共通の拘束的な政策措置を各国が実施することにより、結果的にQELROSの達成が図られると期待されるものであることから、このQELROSは、拘束的な政策措置と一体のもの、パッケージと考えるべきものであること。



(参考4)SBSTAについて
 
  日程
  16日(月) 17日(火) 18日(水)

・開会
・組織的事項
(アジェンダ採択等)
・IPCCとの協力
・IPCCとの協力
・方法論的問題
・附属書[1]国からの通報
・共同実施活動
・技術開発、技術移転
・方法論的問題

・IPCCとの協力
・方法論的問題
・IPCCとの協力
・方法論的問題
・IPCCとの協力
・方法論的問題
・本会合の報告