報道発表資料

この記事を印刷
2005年11月01日
  • 自然環境

遺伝子組換え生物の培養液漏出に関する厳重注意について

本年6月に発生した明治製菓株式会社微生物資源研究所における遺伝子組換え生物を含む培養液が漏出した事故について、文部科学省及び環境省から求めた報告徴収に対する報告等が提出されたのを受け、本日、文部科学省及び環境省より文書による厳重注意を行ったのでお知らせします。
  1. 本年6月20日に、明治製菓株式会社微生物資源研究所(神奈川県小田原市)において、遺伝子組換え微生物の培養実験施設から培養液が漏出した事故が発生したとの連絡が、10月4日付けで明治製菓より文部科学省になされた。明治製菓からの連絡は以下のとおり。

    抗ガン剤の生産を目的とした遺伝子組換えを行った細菌の培養実験中に、培養液約300リットルが実験室の床面に、約100リットルが研究所の敷地に漏出した。

    遺伝子組換え細菌に病原性はなく、漏出した培養液、土壌等は回収し、遺伝子組換え細菌の不活化等の必要な処理を行い、事故処理については全て完了した。

  2. 以上の連絡を受け、文部科学省及び環境省では、執られた応急措置が適切であったかどうかを現地において確認するとともに、事故に関する届出が遅れた経緯等について、「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」(平成15年法律第97号。以下「カルタヘナ法」という。)に基づく報告を求めた。
  3. 10月12日に提出された事故に関する届出、法に基づく報告徴収に関しての報告及び現地調査の結果から、遺伝子組換え細菌が環境中に残存している可能性は極めて低く、生物多様性に影響を生ずるおそれはないと判断され、また、再発防止策についても適正と考えられたが、培養液が付着した樹木について、遺伝子組換え細菌を不活化することなく感染性廃棄物と同等の扱いとすることとして廃棄物処理業者に引き渡していたことが判明した。環境省では、当該樹木の処理の状況及び処理を行った施設等の確認を行っており、その結果から処理の途中で漏出したおそれはないと判断されるが、本来、処理業者に引き渡す前に研究所内において不活化しなければならなかった。
  4. 以上のことから、文部科学省及び環境省から明治製菓に対し文書で、事故の報告が遅れたこと及び不活化せずに樹木の処理を依頼したことについて厳重に注意するとともに、事故等の再発防止措置の徹底を求めた。

添付資料

連絡先
環境省自然環境局野生生物課
課長: 名執 芳博(6460)
 課長補佐: 安田 直人(6496)
 担当: 渡邊 雄児(6496)