報道発表資料

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2005年09月28日
  • 総合政策

成田新高速鉄道線建設事業に係る環境影響評価書に対する環境大臣意見の提出について

環境省は、成田新高速鉄道線建設事業に係る環境影響評価書について、本日付けで国土交通大臣に対し、環境影響評価法に基づき、サンカノゴイ、オオタカ等の希少鳥類の生息や、供用時の騒音等について配慮すべき旨を内容とする環境大臣意見を提出した。
  1. 環境省は、成田新高速鉄道線建設事業(事業者:成田高速鉄道アクセス株式会社)に係る環境影響評価書について、環境影響評価法に基づき環境の保全の見地からの意見を求められたことから、平成17年9月28日付けで国土交通大臣に対し環境大臣意見を提出した。
  2. 本事業は、併設される道路の事業(*)とともに、県立自然公園の区域及び希少鳥類の生息地を一部横断する計画であることから、事業者が作成した環境影響評価書においては、環境影響評価準備書に対する知事意見を踏まえ、路線のうち印旛沼を横断する部分のトンネル化について検討したが実施が困難であること、景観への配慮のため橋梁の構造形式や高さを変更したことなどが加筆され、追加的な予測・評価が行われている。
    (*)北千葉道路建設事業、環境影響評価手続き中
  3. しかしながら、サンカノゴイ等の湿地性鳥類やオオタカ、サシバに対する環境保全措置、供用時の道路との複合騒音に対する措置等について、適切な実施を求めるため、環境大臣意見で以下に示す内容を指摘した。
  4. なお、事業者に対しては、国土交通大臣から、環境大臣意見を勘案した意見が述べられることとなる。また、環境省より千葉県に対し、事業者への指導と周辺環境の保全を求めている。

大臣意見の概要

代償措置としてのヨシ原等の造成について

 サンカノゴイ等の湿地性希少鳥類の生息地に係る代償措置としてのヨシ原等の造成については、サンカノゴイ等の生息地にかかる工事を実施する前に、代償となるヨシ原等の造成に着手し、鳥類が生息できる環境を早期に確保するとともに、適切に管理すること

オオタカ及びサシバに対するコンディショニング(*)について

 計画路線周辺にオオタカ及びサシバの営巣地が多数確認されていることから、コンディショニングに際して、工事着手前から繁殖状況等を調査し、必要に応じて営巣期の工事中断を含め適切な措置を講じること。
(*)工事の規模を徐々に大きくしたり、距離を徐々に近づけたりして騒音などに慣らしていく手法

供用時の騒音について

 供用時における鉄道と道路の複合的な騒音予測値の高い地域があることから、道路事業と連携し、必要に応じてさらなる措置を講じること。

事後調査について

 鉄道供用後も道路事業の工事が行われることから、関係機関と連携して事後調査を実施し、必要に応じて調査結果を踏まえた対応を図ること。

参考

事業概要
・ 事業者 成田高速鉄道アクセス株式会社
・ 事業区域 千葉県印旛郡印旛村若萩~成田市三里塚
・ 事業延長 延長約19.1km(うち既存施設使用区間:約8.4km)
・ 最高速度 160km/h
・ 構造形式 盛土、切取、橋梁、高架橋、開削トンネル
・ 駅施設 成田ニュータウン北駅(仮称)
・ 運転計画 スカイライナー、特急ともに上下各3本/h
環境影響評価の手続
・ 方法書縦覧 平成14年 8月2日 ~ 9月2日
(住民意見32件(17通))
・ 知事意見提出 平成14年11月29日
・ 準備書縦覧 平成16年12月1日 ~ 平成17年1月4日
(住民意見23件(8通))
・ 知事意見提出 平成17年 6月24日
・ 評価書接受 平成17年 8月15日
・ 環境大臣意見提出 平成17年 9月28日

添付資料

連絡先
環境省総合環境政策局環境影響評価課環境影響審査室
室長: 早水 輝好(内6231)
 審査官: 西澤賢太郎(内6232)
 TEL 03-5521-8237 (直通)

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