報道発表資料本文


(別添)

成田新高速鉄道線建設事業に係る環境影響評価書に対する大臣意見

 本事業の環境影響評価書について、以下の意見を述べるものである。

 本事業については、併設される道路の事業とともに県立印旛手賀自然公園の区域及びサンカノゴイ、オオタカ等の希少鳥類の重要な生息地を横断する計画であることから、事業の実施にあたっては、道路が併設されるという事業特性も踏まえ、周辺環境への影響について慎重かつ十分な検討の上、以下の措置を適切に講じる必要がある。

1 代償措置としてのヨシ原等の造成について

 サンカノゴイ等の湿地性鳥類の生息地に係る代償措置としてのヨシ原等の造成については、代償措置を実施するに至った検討結果を整理した上で、その実効性を確保するため、専門家の指導・助言を得ながら、以下の措置を講じること。また、その旨を評価書に記載すること。

(1)

サンカノゴイ等の生息地にかかる工事を実施する前に、代償となるヨシ原等の造成に着手し、鳥類が生息できる環境を早期に確保すること。

(2)

造成にあたり、動植物の生息・生育環境に与える影響及び工事に伴う濁水などの影響を極力回避すること。

(3)

水位変動などを含めたヨシ原等の生息環境が将来にわたり適切に維持管理されるよう、造成場所や構造について十分検討するとともに、関係機関等と十分調整し、適切な管理がなされるようにすること。

2 オオタカ及びサシバに対するコンディショニングについて

 オオタカ及びサシバに対するコンディショニングに際しては、計画路線周辺に多数の営巣地が確認されていることから、専門家の指導・助言を得ながら、工事着手前及び事後にこれらの繁殖状況等を調査し、生息環境への影響の低減方法について十分検討すること。また、これらの繁殖に影響が生じるおそれがある場合、営巣期の工事中断を含め適切な措置を講じること。
 以上について評価書に記載すること。

3 供用時の騒音について

 計画路線供用時の騒音については、連続的に併設される鉄道と道路の複合的な影響により予測値が一部の地域で高いレベルにあることから、将来的な騒音の状況や土地利用も踏まえ、併設される道路の事業と連携してさらなる検討を行い、必要に応じて環境保全措置を講じること。また、その旨を評価書に記載すること。

4 事後調査について

 動植物などについて実施することとされている事後調査については、鉄道供用後も併設される道路の工事が行われることから、関係機関と連携して実施し、必要に応じ調査結果を踏まえた対応を図ること。また、その旨を評価書に記載すること。



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