報道発表資料

この記事を印刷
1997年03月28日

地球温暖化防止等のための環境関連産業の振興に関する環境庁ビジョン(試案)について

環境庁地球温暖化防止対策推進本部(本部長:石井道子環境庁長官)は、去る3月19日に開かれた第4回会合において議論を行い、このたび、「地球温暖化防止等のための環境関連産業の振興に関する環境庁ビジョン(試案)」をまとめた。
 これは、昨年12月17日に閣議決定された「経済構造の変革と創造のためのプログラム」を踏まえつつ、環境関連産業の振興を通じて我が国経済を21世紀の世界の中で期待される役割を真に果たせるものへと改革していくための方策の試案として公表するものである。厳しい地球温暖化対策等が経済へ悪影響を与えるのではないかとの漠然とした不安を持つ向きもあることから、環境庁としての考え方を明確にした上で、今後の持続可能な経済社会づくりの在り方につき各方面と意見交換をしていくことが必要と考え、本試案を作成し公表するものである。
 環境庁としては、今後、各方面の意見を聞きつつ、また、政府部内での「経済構造の変革と創造のためのプログラム」の具体化検討作業にも参画しつつ、環境関連産業の振興ビジョンを本年夏頃を目途にとりまとめる予定である。

1.経緯

 昨年12月17日の「経済構造の変革と創造のためのプログラム」の閣議決定に際して、石井道子環境庁長官は、「21世紀の世界を考えると、地球温暖化を始めとする地球環境問題への取組が不可避の課題。その克服のためには、我が国の経済を『環境への負荷の少ない健全な経済』へと転換していくことが重要。本プログラムは、その転換の方向を具体化させる絶好の機会。環境庁としても、環境関連産業が、より一層活躍できるような取組を進めるなど、『環境への負荷の少ない健全な経済』の実現に向けて努力する」旨発言した。地球温暖化防止等のための環境関連産業の振興に関する環境庁ビジョン(試案)は、この発言を受け、地球温暖化対策本部の指示の下、各部局の実務担当者レベルで作成を進めていたもの。去る3月19日の第4回の本部会合において素案を審議し、その結果を踏まえ、修正を行った。

2.地球温暖化防止等のための環境関連産業の振興に関する環境庁ビジョン(試案)の概要

 地球温暖化防止等のための環境関連産業の振興に関する環境庁ビジョン(試案)は、平成8年12月17日に閣議決定された「経済構造の変革と創造のためのプログラム」を踏まえつつ、地球温暖化防止等のための環境関連産業の振興に関する具体的な推進策の試案を取りまとめたもの。
 経済構造改革に当たっては、環境保全に関連する活動を行う産業が相当に大きな役割を果たすものと予想されている。また、このような産業が活躍するほど、経済は、資源利用の効率に優れ、長持ちのする形のものへと改革されていくと期待される。とりわけ、内外で最大の課題となっている地球温暖化対策においては、これを防ぐことに資する技術などに対し、世界規模の極めて大きな需要が生じるものと想定されるなど、「エコ産業革命」という言葉のとおり、環境関連産業には大きな期待が寄せられている。そこで、環境庁としては、「経済構造の変革と創造のためのプログラム」を踏まえつつ、本ビジョンにより、環境関連産業の振興を通じ、我が国経済を21世紀の世界の中で期待される役割を果たせるものへと改革していくための方策を提唱したいと考えた。
 地球温暖化対策を含めた今後の環境対策による国民経済への悪影響は生じないと考えられること、むしろ、環境対策は緩ければ緩いほどありがたいといった素朴な考え方では我が国はせっかくのビジネスチャンスを失ってしまうことなどの認識を明らかにした上で、
(1)環境利用のルールを積極的に設け、市場競争を環境保全に資するものとしていくこと、
(2)環境関連産業の発展の道のりで生じる障害を軽減すること
を基本方針とし、様々な具体的な施策の提案を行った。
 本文書は、各方面の意見を聞くための試案として公表したものであり、関係省庁、経済団体、学識経験者、地方公共団体等に意見を求めた上、この夏を目途に成案を取りまとめる予定。

添付資料

連絡先
環境庁企画調整局地球環境部環境保全対策課
課長:小林 光  内線6740
 補佐:石飛博之 内線6737
 担当:大森友也 内線6739