地球温暖化防止等のための環境関連産業の振興に関する環境庁ビジョン(試案)

平成9年3月28日
環境庁地球温暖化防止対策推進本部

 地球温暖化防止等のための環境関連産業の振興に関する環境庁ビジョンは、平成8年12月17日に閣議決定された「経済構造の変革と創造のためのプログラム」のうち、地球温暖化防止を始めとする環境保全に係わることに関し、「環境基本計画」(平成6年12月28日閣議決定)及び「地球温暖化防止行動計画」(平成2年6月18日地球環境保全に関する関係閣僚会議決定)に即しつつ、地球温暖化防止等のための環境関連産業の振興に関する具体的な推進策を提案するものである。

 経済構造改革に当たっては、環境保全に関連する活動を行う産業が相当に大きな役割を果たすものと予想される。また、このような産業が活躍する程、経済は、資源利用の効率に優れ、長持ちのする形のものへと改革されていくと期待される。とりわけ、内外で最大の課題となっている地球の温暖化においては、これを防ぐことに資する技術などに対し、世界規模の極めて大きな需要が生じるものと想定される。「エコ産業革命」という言葉があるとおり、環境関連産業には大きな期待が寄せられている。このようなことを踏まえ、環境庁としては、「経済構造の変革と創造のためのプログラム」を踏まえつつ、本ビジョンにより、環境関連産業の振興を通じ、我が国経済を21世紀の地球の中で期待される役割を真に果たせるものへと改革していくための方策を提唱したいと考える。

 本文書は、こうしたビジョンの試案である。経済構造の変革と創造に関するプログラムの具体化策については、関係省庁による検討が近々開始されることとされているが、このビジョンは、政府部内の検討作業に対し環境庁としての実質的な貢献に資するものと考えられ、また、政府外の関係方面における環境関連新規産業の検討を促すことにも役だつと考えられる。今後は、政府部内はもとより国民各界各層において本試案をたたき台の一つとして検討が行われることを期待し、その結果を聴した上で、環境庁としてのビジョンを最終的に取りまとめる予定である。

 環境庁としては、このビジョンを指針として、環境への負荷の少ない持続的な発展が可能となる経済社会づくりに向けた環境庁の諸施策の中に経済構造改革を積極的に位置づけ、関係各方面と連携、協力して、その最大限の実行を図る。

第一 環境分野における経済構造の変革と創造に向けた基本的考え方

第二 環境保全分野における新規産業の創出のための環境整備

第三 他の産業分野における環境関連産業創出のための環境整備