報道発表資料

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2005年04月15日
  • 総合政策

新石垣空港整備事業に係る環境影響評価書に対する環境大臣意見の提出について

環境省は、新石垣空港整備事業(沖縄県)に係る環境影響評価書について、本日付けで国土交通大臣に対し、環境影響評価法に基づき、小型コウモリ類、サンゴ礁生態系等の保全に対し、環境大臣意見を述べた。
  1. 環境省は、新石垣空港整備事業に係る環境影響評価書について、環境影響評価法に基づき環境の保全の見地からの意見を求められたことから、平成17年4月15日付けで国土交通大臣に対し環境大臣意見を送付した。

  2. 計画飛行場については、工事等により、小型コウモリ類等の希少種、サンゴ礁生態系等に影響を及ぼすおそれがあることから、環境大臣意見では次の内容の指摘を行った。

  3. なお、事業者である沖縄県に対しては、国土交通大臣から、この環境大臣意見を勘案した意見が述べられることとなる。

小型コウモリ類への影響
・ 石垣島固有のヤエヤマコキクガシラコウモリ(参考1)をはじめとする小型コウモリ類が出産・ほ育の場として利用している洞窟については、その保全に万全を期すること。
・ 冬季の休眠やねぐらとして利用されている洞窟については、小型コウモリ類ができる限り継続利用できるよう可能な限り保全すること。
・ その他の洞窟については、利用について追加調査を行うこと。調査の結果、利用が確認された場合は、できる限り継続して利用できるよう、可能な限り保全すること。
・ 移動経路、餌場の生息環境の保全に配慮すること。等

サンゴ礁生態系への影響
・ 工事に伴う濁水を、地下浸透によりろ過する手法については、浸透能、沈砂・ろ過機能の評価を行い、濁水の前処理の必要性などを検討すること。浸透能を維持していくための施設の管理方法についても検討を行うこと。
・ 轟川の排水については、バックグラウンド(事業以外の原因による赤土等の流出)との比較や事業区域からの赤土等の流出との比較により、本事業による影響の評価を行うこと。
・ 地下水への影響については、濁りの変化について事後調査を実施すること。その結果、著しい影響が認められる場合は、適切な赤土等流出防止対策を講じること。等

その他重要な生物への影響
・ 環境監視の対象については、カンムリワシ(参考2)に加えて、リュウキュウツミ(参考3)等とし、監視項目については、航空機の騒音レベル等を加え、繁殖期を含めた適切な時期に実施すること。
・ ハナサキガエル類(参考4)等の希少動物の移動については、事前に十分な検証を行いつつ、実施すること。等

その他
・ 空港用管理車両等について、二酸化炭素の排出の少ない車両の導入に努めること。また、空港利用事業者等に対して、二酸化炭素の排出の少ない車両の導入、地上動力支援施設の設置等を要請すること。等


(参考1)
  ヤエヤマコキクガシラコウモリ:石垣島に生息する小型のコウモリ類で、レッドデータブック(改訂 ・日本の絶滅のおそれのある野生生物-哺乳類:RDB)では、絶滅危惧IB類に区分されている。

(参考2)
  カンムリワシ:八重山諸島に留鳥として分布する大型の猛禽類で、レッドデータブック(改訂・日本の絶滅のおそれのある野生生物-鳥類:RDB)では、絶滅危惧IA類に区分されている。

(参考3)
  リュウキュウツミ:八重山諸島に留鳥として分布する小型の猛禽類で、RDBでは、絶滅危惧II類に区分されている。

(参考4)
  ハナサキガエル類:コガタハナサキガエルは、石垣島と西表島の固有種で、レッドデータブック(改訂・日本の絶滅のおそれのある野生生物-爬虫類両生類:RDB)では、絶滅危惧IB類に区分されている。


【参考】

○ 事業の概要
・ 空港の種類 第3種空港(飛行場管理者:沖縄県)
・ 位置 沖縄県石垣市白保地区
・ 事業主体 沖縄県
・ 事業内容 長さ2,000mの滑走路新設等
・ 就航予定機 中型ジェット機、小型ジェット機、プロペラ機
○ 環境影響評価手続の経緯
・ 方法書縦覧 平成14年12月24日~15年1月29日
・ 準備書縦覧 平成16年3月30日~4月30日

添付資料

連絡先
環境省総合環境政策局環境影響評価課環境影響審査室
室長  :笠井俊彦(内6231)
 審査官:里見昌記(内6253)
 TEL 03-5521-8237 (夜間直通)

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