報道発表資料

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2005年03月30日
  • 地球環境

アジア太平洋環境と開発に関する閣僚会合の結果について

3月28日、29日に韓国・ソウルにおいて、アジア太平洋地域の51か国の環境及び開発担当の閣僚等が出席して、「第5回アジア太平洋環境と開発に関する閣僚会合」が、国連アジア太平洋経済社会委員会(UNESCAP)・韓国政府により開催されました。
 会合では環境的に持続可能な経済成長(「グリーン成長」)について議論し、今後5年間のアジア太平洋地域における環境と開発に関する政策の方向性を「アジア太平洋環境と開発に関する閣僚宣言」等に取りまとめました。
 我が国からは能勢和子環境大臣政務官が出席し、3Rの推進も含め、環境と経済の統合の重要性を訴えました。
 また、本会合開会式及び関連行事に、アジア太平洋環境開発フォーラム(APFED)から橋本龍太郎議長、川口順子首相補佐官が出席し、APFEDの成果を報告しました。
1.日程 平成17(2005)年3月28日(月)、29日(火)
 
2.開催地 韓国・ソウル(ロッテホテル)
 
3.出席者 アジア太平洋地域の環境及び開発担当の閣僚、国際機関代表等
(主な出席者については別紙1のとおり)
 
4.概要  
(1) アジア太平洋環境と開発に関する閣僚会合
 経済成長の著しいアジア太平洋地域の課題として環境的に持続可能な経済成長について議論をしたところ、環境と経済の両立については概ね意見が一致し、加えて、多くの国から地域の多様性と貧困削減の重要性に留意が必要であるとの指摘がありました。
 我が国からは気候変動問題への取組や、3R(リデュース、リユース、リサイクル)を含む環境と経済の統合の重要性を訴えるとともに、北九州イニシアティブやAPFEDを通じた我が国による地域への貢献について言及しました。
 これらの議論を踏まえ、アジア太平洋地域における環境と開発の方向性を取りまとめた閣僚宣言(別紙2)が採択されました。また、今後5年間の取組を促進する枠組みとして、地域実施計画2006-2010がまとめられました。
 閣僚宣言には、前回会合(2000年、北九州市)で採択された「クリーンな環境のための北九州イニシアティブ」の活動を評価し、活動の継続を支持すること、また、新たに、環境と経済を両立する試みとして韓国政府等が提唱する「グリーン成長のためのソウルイニシアティブ」の開始を支持すること、持続可能な生産消費パターンへの転換のための3Rの推進等が記載されました。
 なお、出席した多くの国から、北九州イニシアティブやAPFED等の我が国による環境分野の協力に謝意が示されました。
(2) 関連行事
 本閣僚会合の関連行事として、アジア太平洋環境開発フォーラム(APFED)によるサイドイベント「衡平で持続可能な社会のためのマルチステークホルダーフォーラム」が3月27日にロッテホテルで開催され、カク・キョルホ韓国環境大臣、クラウス・テプファー国連環境計画(UNEP)事務局長のほか、各国の環境担当大臣等約100名が出席しました。
 フォーラムでは、アジア太平洋地域の環境と開発に関する提言を取りまとめたAPFED最終報告書についての紹介とともに、有識者によるシンポジウムが行われました。またAPFEDの提言は、本会合の閣僚宣言で示される環境と開発の方向性を補完するものであるとして、その実現に向けた関係者の協力を訴えるAPFEDアピールが採択されました。

(参考1) クリーンな環境のための北九州イニシアティブ
都市環境の改善を着実に前進させるための「都市間協力により地域主導の環境改善を進めるための仕組み」として、我が国や北九州市が支援に協力。
現在、18か国60都市が活動に参加し、成功事例の収集・普及、パイロット事業、ネットワーク会議、セミナー等を実施。
 
(参考2) グリーン成長のためのソウルイニシアティブ
環境的に持続可能な経済成長(グリーン成長)を実現するための協力プログラムとして、各国、UNESCAP事務局、関係機関等により、当面5年間の予定で進められるもの。
ソウルイニシアティブの詳細な活動は今後決定される。
情報共有や能力開発のためのソウルイニシアティブネットワーク(SINGG)を設立。

添付資料

連絡先
環境省地球環境局総務課
課長:盛山 正仁 (6710)
 補佐:佐藤 邦子 (6722)