報道発表資料

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1996年12月03日

IHDP研究者交流会議(第10回地球環境研究者交流会議)の開催について

環境庁は、人間活動が地球環境変動に及ぼす影響や地球環境変動が人間社会に及ぼす影響の評価等を、主として人文社会科学的な視点から取り扱う研究(以下「HDP関連研究」という。)を推進している。今回、その一層の推進を目的とし、我が国の人文社会科学系の研究者からのHDP関連研究に関する活動状況の報告を基に、今後の取組の方向についてパネルディスカッションを行うことを中心とした「IHDP研究者交流会議」を、日本学術会議との共同主催で、平成8年12月9日(月)に東京にて開催する。
 環境庁では、研究者をはじめとした地球環境に関心をもつ多くの方々の参加を得ることにより、地球環境問題の解決に対するHDP関連研究の重要性への認識を高めるとともに、関連する国内の研究者のネットワークづくりを進め研究を推進することによって、国際的な研究計画(IHDP)にも貢献していくこととしている。
1.会議名:
IHDP 注1) 研究者交流会議(第10回地球環境研究者交流会議 注2)
2.会議の背景:
 地球環境に関する研究は、これまで主として自然科学的側面からなされてきており、地球環境変動の現象や影響等については、研究の進展とともに次第に理解が深められつつある。しかし、地球環境問題は自然と人間活動との相互関係の結果で生じているものであるため、これらの研究の成果を活用して実社会に適用し、実質的な問題解決に導くためには、「熱帯林の伐採、農地の放棄、都市化等の土地利用・被覆変化が地球環境に与える影響の研究」や「人口増加、社会経済発展と地球環境変動との相互影響に関する研究」等といった、人間活動が地球環境変動に及ぼす影響や地球環境変動が人間社会に及ぼす影響の評価等を、主として人文社会科学的な視点から取り扱う研究(以下、「HDP関連研究」という)を進めることが不可欠であり、近年、HDP関連研究に対する重要性への認識が、国際的にも高まっている。
 こうした国際的な動向を踏まえ、環境庁は、平成7年度より地球環境研究総合推進費において、新たに「人間・社会的側面からみた地球環境問題」分野を創設し、人文社会科学的アプローチによる地球環境研究を開始した。平成8年2月には「人間・社会的側面からみた地球環境問題の今後の研究のあり方に関する報告書」を公表し、この分野の研究を一層推進することとしている(<参考>を参照)。
 今回の会議では、主に国内の関連する人文社会科学系の研究者による活動状況等に関する発表及びパネルディスカッションを行うことによって、当分野の研究の重要性の啓発を図るとともに、研究者間の相互理解、情報交流を深めて関連する研究者のネットワークづくりを支援し、国内における研究を推進することによって、国際的な研究計画(IHDP)にも積極的に貢献することとしている。
3.日  時:
12月9日(月)9:30~17:15
4.場  所:
日本学術会議大講堂
 東京都港区六本木7-22-34
 (地下鉄千代田線乃木坂下車徒歩2分)
5.主  催:
日本学術会議(地球環境研究連絡委員会 HDP専門委員会)
環境庁地球環境部
国立環境研究所地球環境研究センター
6.参加対象:
参加自由(ただし、事前申し込みが望ましい)
参加費無料
7.内容等:
(別紙プログラムを参照)
 人文社会科学系を中心としたHDP関連学会の活動状況、将来展望の報告を基に、我が国として取り組むべき地球環境問題の解決のためのHDP関連研究の課題を討議する。会議は、HDP関連研究の国際的状況を紹介する報告、関連学会の研究者をパネリストとしたパネルディスカッション(午前/午後)及び今後に向けての取組についてのパネルディスカッションから構成される。
8.問い合わせ先等:
 〒106 東京都港区六本木7-22-34
    日本学術会議事務局 学術部 情報国際課
     Tel: 03-3403-1091 
 〒305 つくば市小野川16-2
    環境庁国立環境研究所
    社会環境システム部環境計画研究室長 原沢
     Tel: 0298-50-2507
    地球環境研究センター 交流係(参加申し込み先)
     Tel: 0298-50-2347 
注1)IHDPについて
 ISSC(国際社会科学協議会)は、1989年にHDP(Human Dimensions of Global Environmental Change Programme:地球環境変化の人間的次元研究計画)を設置し、人間活動と地球環境変動との関係について、主として人文社会科学的視点からの研究を進めてきた。1996年2月には、HDPの名称をIHDP(International Human Dimensions Programme on Global Environmental Change)と変更するとともに、これまで主として自然科学的視点からの地球環境研究を推進してきたICSU(国際学術連合)との連携により体制を強化し、地球環境変動に関わる人文社会科学的視点からの研究を一層推進することとしている。
注2)地球環境研究者交流会議について
 国立環境研究所地球環境研究センターでは、地球環境研究に関する多元的な情報を集約するとともに、政策決定に資する総合的・横断的な検討を行うことを目的として、平成2年度より「地球環境研究者交流会議」を開催している。今回は、その第10回会議であり、環境庁地球環境部、日本学術会議との共同主催で「IHDP研究者交流会議」として開催するものである。

*「会議プログラム」と「今後日本が行うべき研究分野及び研究課題」は添付ファイル 参照。

添付資料

連絡先
環境庁企画調整局地球環境部環境保全対策課研究調査室
室長:名執 芳博(内線6743)
 補佐:宇仁菅伸介(内線6746)
 担当:藤井 紀男(内線6746)

環境庁国立環境研究所地球環境研究センター
総括研究管理官:安岡 善文(0298-50-2345)
 社会環境システム部環境計画研究室
  室長:原沢 英夫(0298-50-2507)